シーゼンクラブ

将来を担う子供たちの未来のために親子で学んでほしい情報を紹介

エコチル調査6周年記念シンポジウム参加レポート

~子育てを支える様々な立場から見た「子育てと生活環境」について~

2017年2月18日江戸東京博物館ホールにて、環境省及び国立環境研究所が主催する「エコチル調査第6回シンポジウム」が開催されました。平成23年1月から始まり今年で6年目を迎えました。

エコチル調査6周年記念シンポジウム参加レポートエコチル調査は、赤ちゃんが母親のお腹にいる胎児期から13歳になる小児期までの健康状態を調べる、出生コーホート(集団追跡調査)で、現在は全国15地域、10万組の親子が参加しているわが国ではかつてない大規模かつ長期的な調査です。子供の健康や発育に影響を与える化学物質の環境要因を明らかにし、次世代の子供たちが健やかに育つことのできる環境の実現を図ることを目的として、始められました。
シンポジウムには、医療関係者から一般サポーター、さらには調査参加者が家族で参加されている姿も見られました。
今回のシンポジウムでは、これまでに得られた成果の一部を交えて、今後の展望について紹介されました。
さらにゲストとして、子育ての様子をつづったインスタグラムが話題のタレントのアンガールズ・山根良顕さんが出演しました。初めての子育て体験談を新米パパの視点から、子育てにおける悩みを対談形式で語りました。

最初に新田裕史エコチル調査コアセンター長代行から、”エコチル調査の概要”と”生活環境から分かったこと”について発表されました。エコチル調査では、子供たちに関わる、食事・運動・習慣・個人別・地域別・曝露経路などの様々な視点が調査対象になっています。現時点で調査により、身体の発育、奇形の問題というのは化学物質の濃度の曝露が高いと影響も大きくなってくる事が分かってきています。動物実験による結果は既に出ておりますが、これが子供達だとどのぐらいの影響が出るのかが未知であるため調査を継続中とのことでした。
調査方法は、大きく二つに分けられ「全体調査」と「詳細調査」の枠組で実施しています。
全体調査では、母親の妊娠期・出産期に様々な膨大な数の生体資料(血液、尿、母親と子供の毛髪、臍帯血、へその緒の血液、出産後の母乳)を保管し、順次分析をしています。妊娠中の血液中の金属類の分析結果については、後1年くらいで最初の報告を期待できるとのことでした。
詳細調査は、10万人の中から5千人を選んで家庭訪問を行い、環境測定を測っていく方法になります。調査道具を各家庭に設置し、その結果の追跡を行います。調査道具は全部で34項目あり、多種多様な環境要因を調査する事が可能です。34項目の道具から何十項目という物質を調査する中で、今回は目立った3つの物質について紹介されました。

一つ目は、一時期話題にもなりましたPM2.5です。こちらは、目に見えないほどの小さな粒子で、有害な成分が多く含まれています。その直径は2.5μm(マイクロメートル)で、その小さな粒子をフィルター付のポンプになっている環境測定装置(※1)によって屋内と屋外を調査し、1週間の平均値の結果を分析します。

エコチル調査6周年記念シンポジウム参加レポート


現在、調査で分かっている屋内でのPM2.5の発生が高くなる要因として、喫煙者がいる家庭と日常的にお線香を炊く家に多く発生するようです。PM2.5による影響は、大人の場合は心臓疾患、脳血管疾患の病気が心配されるということが分かっておりますが、子供の場合は呼吸器系への影響という事くらいしか判明しておらず、さらなる調査で新たな事実が解明できるよう調査が継続されます。
二つ目は、オゾンです。オゾンは屋外の大気汚染主要成分の1つです。オゾンは室内に侵入しても非常に反応性が高くて壊れやすいので、屋内の濃度は低くなる結果が出ているようです。三つ目は、ホルムアルデヒドです。オゾンとは逆に室内に発生源が多い物質で、家具や建具から揮発し、シックハウス症候群の原因と考えられる化学物質の一つです。ホルムアルデヒドの数値は年々減少傾向にあり、この理由としては国土交通省が国としてホルムアルデヒドを発する建材の規制をしたことにあります。平成17年度より年々下がっている研究結果が出ています。以上の3つが今回紹介された物質でしたが、個人の努力だけで発生の抑制をする事は難しいため、今後も地球規模で環境改善に取り組んでいくことが必要であるという結論でした。

後半は、アンガールズ・山根さんと大矢幸弘エコチル調査メディカルサポートセンター特任部長による初めての子育て体験談を新米パパの視点から対談形式で行われました。山根さんの子育ては、奥様の進め方に基本的には賛同し、協力しながら娘の幸せのためにはどの選択をすべきかを考えた子育てだそうです。娘さんには日頃から積極的に話かけることを心掛けているそうで、大矢氏によると、この行動は発育にとって良い影響を与えるそうです。他にも大人気のインスタグラムの写真を紹介され、娘さんに仕上げ歯磨きをしてあげるシーンからはとても子煩悩なお父さんであることが伺えました。このようにお父さんが育児に積極的に関わることは、母子相互作用ならぬ父子相互作用というもので、お父さんからの影響というのはお母さんからの影響とはまた違ったものであり、大矢氏によると興味深い調査内容のひとつであるため今後も研究結果を蓄積していきたいとのことでした。
エコチル調査では、家事や育児を家族でどのように協力しているかのアンケートも行っており、その結果についても発表がありました。パートナーに対しての家事分担の満足度合の結果は、満足:24%、ほぼ満足:
40%、少し不満:27%、不満:9%で、64%の方が満足しているという結果がでました。子育てについては、
お互いに協力する事と相談できるパートナー(家族)の存在が身近にいることが非常に重要である事が分かりました。
さらに調査が進み、分析結果が分かってくる事で、生活する中でどのような環境が健康に影響を及ぼすのか、また環境によって引き起こされる病気の予防方法の解明に繋げられる可能性があります。“次世代の子供達のために”という大きなテーマで、将来の子供達がより安心で安全・健やかに過ごせるために環境を整えていく環境改善を国家プロジェクトで取り組むことは、日本の将来を担うこどもたちにとってとても重要なことです。これからもエコチル調査サポーターの一員として編集部では、エコチル調査の動向を追跡し、最新の情報を皆様にお届けしてまいります。

100%自然素材主義 編集部

100%自然素材主義 編集部

自然素材主義パートナー紹介