シーゼンクラブ

環境団体の活動情報やイベント情報など環境に関するさまざまな情報を紹介

第18回 東京湾シンポジウム

~沿岸域の持つサービスと沿岸環境~

東京湾シンポジウム平成29年10月20日(金)に国土交通省 国土技術政策総合研究所が主催する「第18回 東京湾シンポジウム」が開催されました。このシンポジウムは、東京湾大感謝祭2017(注1)の一環として東京湾の水質、水理、化学、生物などの様々な水環境の研究を紹介することにより、東京湾再生が一層推進することを目的とし、280名の方が参加されました。昔は人々が立ち入らなかった区域の沿岸域が現在は、高層マンションや商業施設の建設により環境が変化し、人々が水に接することができる場となったため、それに伴う生態系サービスの提供が可能となったことを本年のテーマ“沿岸域の持つサービスと沿岸環境”として、様々な角度からの研究や調査を3部構成で発表、1部と2部の間の休憩時間にはポスターセッションが実施されました。

〈講演について〉
講演の第1部では、文化的サービスから、ウォーターフロントの住宅を選択した住民の住環境意識調査から、水辺を眺める景色を選択し快適さを感じて住んでいる人が、実際に水際まで行って自然に触れることに対する興味が低いデータが示され、今後の開発への課題となっていることや東京湾沿岸に産業遺産、土木遺産が多数存在する歴史や意味、海からの精神的な恩恵を受ける神社と海を中心とした環境の関係について、調整サービスから、東京湾における二酸化炭素の吸収「ブルーカーボン」についての2側面からの発表がありました。第2部においては、東京湾UMIプロジェクトの認定企業であるマルハニチロ株式会社と東京ガス株式会社から、アマモ場再生活動を会社のCSRの一環とするだけでなく、従業員とその家族に向けた環境教育、環境活動の実施、さらに、その活動を中心とした次世代教育支援やお客様、自治体へと繋がりながら活動を広げていることを企業ならではの企画や事例の紹介がありました。第3部では、生態系サービスの新た視点から温暖化にともない海の藻場・サンゴ礁の生物地理帯区が変化することでのそこに生きる生物の変化、東京湾における価値志向性に着目し、東京湾の望ましい将来像と望ましくない将来像を心理学的に分析した結果による東京湾の方向性を探る発表、海外における生態系を基盤とした防災・減災、グリーンインフラの動向では、今後の東京湾沿岸域の良い取組みのヒントとなるようなケースを紹介されました。

〈ポスターセッションについて〉
東京湾シンポジウムポスターセッションは30分の休憩時間で、東京湾再生活動やアマモ育成の取組み、海をキレイにする等の企業、市民、NPO、研究が行っている16の団体からポスターが出展され、ポスターの前にはその開発者や活動者が立ち、参加者からの質疑に答えるという形式で実施されました。その一つである株式会社高千穂は、東京湾再生行動計画(第二期)のスタート2013年から認定企業となり、夏に種を選別し、秋には苗床をつくり種をまいた後、春の移植までの育成管理を行い移植するという一年を通じてのアマモの育成活動について社員をはじめ一般市民を含むNPO団体や他企業と連携して継続し、活動している様子の紹介をし、日本海工株式会社は、海をフィールドとして事業を展開してきたことへの感謝の気持ちを隅田川の掃除やワカメの育成管理の環境活動と工事に伴う環境負担軽減などを行う、海への恩返しプロジェクト活動について紹介されました。その他、横浜港湾内の生きる魚たちや東京湾岸でのレジャーの数々、海苔生産を通じて東京湾の歴史の紹介などの身近なものから東京湾の高潮の確立論的評価のような学術的なものまで、こちらも多面的視点から紹介がされ、参加者は休憩時間を利用して、興味あるポスターの前で説明を受けていました。

今回シンポジウムに参加し、湾岸域でのサービスを多角的に捉える研究や調査とアマモ場育成や沿岸域の清掃などの環境活動に参加する私達ひとりひとりの小さな力は、水辺に触れる、水辺の景色を大切に思う気持ち、東京湾再生という思いで一つになり、東京湾およびその沿岸域が次世代に向けより安全で安心な環境に整うであろうと期待が持てました。



(注1):東京湾大感謝祭とは、東京湾の海の恵みに感謝して、沿岸住民3000万人を有する東京湾において、産・学・官や住民が一体となり、世界に誇る東京湾の海を美しく再生し、海の恵みを育み、魅力ある東京湾の環境で暮らすことの素晴らしさを享受するために取り組んでいるさまざまな活動を、みんなで楽しみながら共有するお祭りです。本年は、赤レンガ倉庫およびその周辺海上で2017年10月20日(金)~22日(日)の3日間(20日はシンポジウムのみ)にわたり開催いたしました。(22日は、台風のため中止となりました。)

自然素材主義パートナー紹介