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自然素材ストーリー

APWセミナー&プレゼンテーション2016 「2020年の義務化とZEHに向けた家づくり」レポート

APWセミナー&プレゼンテーション2016 「2020年の義務化とZEHに向けた家づくり」レポート

環境問題に対する住宅業界のあり方とは?

平成28年9月15日に、はまぎんホール ビィアマーレにてAPWセミナー&プレゼンテーション2016
「2020年の義務化とZEH※①に向けた家づくり」が開催されました。
※① ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス、通称ゼッチ)とは、以下4つの要件を満たすことです。
1. 強化外皮基準  ex.)神奈川県では0.6[W/㎡K]相当以下
2. 基準一次エネルギー消費量を20%以上の削減 ex.)H25基準より20%
3. 再生可能エネルギーを必ず導入する事 ex.)太陽光発電など
4. 1~3により、基準一次エネルギー消費量を100%削減

平成28年度の第2次補正予算案(閣議決定)で、住宅の省エネ化とストック市場への対策やZEHのリフォーム・新築に対しての追加予算が計上されました。それを踏まえて、今後の住宅に対する考え方や住宅業界の進むべき道について講演が行われました。
講演概要は以下の通りです。


■講演題目「2020年の義務化とZEHに向けた家づくり」 講師: YKKap志村氏

2020年に省エネ基準適合が義務化されます。その一方で、標準的な新築住宅でのZEHの実現が本格化していきます。一見別々に考えていたこの省エネ基準適合義務化とZEHを同時に行う住宅業界において、大きなターニングポイントとなります。ZEHの背景は、経済産業省によるエネルギー基本計画にあり、2020年までに標準的な新築住宅をZEH化、2030年までに新築住宅平均でZEHの実現をめざすと政策目標が設定されました。この実現の為には、外壁の断熱性能の向上と消費エネルギー削減が不可欠です。その方法は様々で、外壁を厚くすることや断熱材(壁・屋根)・窓開口部の仕様を高めるなどの対策を嵩じて、外壁の断熱性能を上げることが重要になります。こうして、大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを搭載する事により、基準一次エネルギー消費量を100%削減できるのです。
今までは、再生可能エネルギーである太陽光発電の搭載で、何とかエネルギー収支を0へと考えられてきました。しかし、ZEHの登場により、ゼロエネ住宅の考え方が根本的に変化しました。住宅の断熱性が高まれば、少量の再生可能エネルギーでも快適に過ごせる住宅になります。2020年の省エネ基準適合義務化とZEHが家づくりに大きな影響を与えます。
では、今後どのような家づくりを目指すべきでしょうか?

APWセミナー&プレゼンテーション2016 「2020年の義務化とZEHに向けた家づくり」レポート

YKKapでは、住まい手にとって「健康・室温・断熱・燃費」を大切な4つの要素と定義付けました。つまり、健康で快適な家づくりは、室温を安定し断熱と燃費を考える事だというわけです。志村氏によれば、壁や屋根の断熱材を増やす事で家の断熱性を高める事は出来ますが、窓の性能を強化する方がより効果的かつ経済的だといいます。窓は壁と比較して、もっとも熱を伝えやすく、外気の影響を受け易い部分である為、壁よりも窓の断熱性を高める事を優先すべきだそうです。例えば、アルミ窓ではなく樹脂窓にするだけで室内の温度ムラを解消するとともに、窓辺に冷たい空気が下りてくるコールドトラップを緩和し、ヒートショックを抑制します。リフォームにおいても、住まいの悩みである、暑い・寒い・結露を解決できるのが、今ある窓の枠を残し新たな枠を内側に回すことにより樹脂窓に交換する商品「かんたんマドリモ※②(YKKap製)」が発売されています。
志村氏によれば「外壁を壊さずに足場も不要で、一つの業者による簡単施工で経済的。」だそうです。
※②商品 かんたんマドリモ YKKap(別紙添付写真参照「アルミ窓と樹脂窓による結露効果」)

■講演題目「未来の子どもたちのために・・・」
講師:マングローブ・クリエーション株式会社及び株式会社低燃費住宅  代表取締役 早田 宏徳氏

いまや、世界各地で温暖化による様々な異常気象が起こっており、環境問題は世界中にとっての大きな問題となっています。このまま、エネルギーを消費し続けると今以上の異常気象による災害が起こり、未来の子どもたちに住みやすい地球を残す事が出来なくなります。
1997年にCOP3※③京都議定書でCO2を削減する議定書調印されましたが、削減への取り組みはなかなか進みませんでした。しかし今年(2016年)COP21パリ協定において、アメリカ・中国・インド(3カ国でCO2排出量が全世界の50%)が加わり、漸くすべての国が参加することになりました。いよいよ、全世界の国々が地球の環境問題を真剣に考え実行していく事になります。

APWセミナー&プレゼンテーション2016 「2020年の義務化とZEHに向けた家づくり」レポート

パリ協定が今後の住まいづくりの与える影響は以下の3つです。
1. カーボンプライシング※④(炭素価格付け)が住宅の省エネ化を加速
2. 省エネ誘導基準※⑤の引き上げ
3. ZEHロードマップ※⑥決定
これにより、日本もZEH化が本格化し、省エネが進むと考えられます。スウェーデンではCO2を1トン出すと約2万円の炭素税がかかります。今後、日本でもこのような課税が行われるかもしれません。そのための対策として、私達は個々の住宅で自らエネルギーを作り、消費エネルギーを減らす努力し、CO2排出収支を削減出来れば課税による負担も軽減できます。
その為には、ゼロ炭素社会を想定した住まいづくりが重要です。健康面・光熱費・耐久性を踏まえ、ZEH基準を上回る住宅づくりへの変換が必要であり、エネルギーを浪費していく社会からエネルギーを節約していく社会への転換を進めていくことが社会的義務と言えます。
※③COP3の正式名称は「気候変動枠組み条約第3回締約国会議」です。
※④二酸化炭素等の温暖化ガスの排出量に応じた対価を支払う社会制度。炭素税が代表例。
※⑤省エネ誘導基準はエネルギー 消費性能の一層の促進のために誘導すべき基準
※⑥ZEHロードマップは2020年2030年へのZEH化への指標

今回の講演では、今後の環境問題に対する住宅業界のあり方や、日本で経済的且つ快適性において無理なく暮らしていく為にはどのような住まいづくりを目指せばよいか、そして住まい手に本当に価値ある住まいを提供する為には、省エネ基準適合義務化やZEHを正しく且つ分かり易く伝え、納得且つ満足してもらう事の重要性を感じることができました。

100%自然素材主義 編集部

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