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通信講座No.034 「湯沸器の調子は悪くありませんか?」

講座No.034-3 「次世代給湯システムとは」

次世代給湯システムとは、単に省エネ性能が高いのではなく、エネルギーも作り出すことが可能な給湯システムです。その中でも有名なシステムが、ヒートポンプとコージェネレーションシステムで、多くの人がエコキュートやエコウィル、エネファームのCMなどで耳にしているものです。

では、それぞれのシステムが一体どんなものなのか説明しましょう。

◆ヒートポンプ(エコキュート)

ヒートポンプとは、燃焼を伴わずに冷暖房や給湯を行う技術です。その名の通り、空気の熱(ヒート)などを僅かな電気の力で汲み上げる(ポンプ)技術であるため、ヒートポンプと呼ばれています。ヒートポンプ技術を利用することで、大気の熱でお湯を沸かしたり、冷暖房として使えます。自然エネルギーである空気の熱を使うシステムですので、非常に省エネで経済的、さらに、CO2排出量も約10%削減できるので、地球温暖化対策の切り札とも言われています。ちなみに、EUでは、ヒートポンプによって汲み上げられる“空気の熱”も再生可能エネルギーのひとつとして位置付け、機器の導入を推進しています。日本でも、空気熱はエネルギー供給構造高度化法において再生可能エネルギー源として認められています。

次世代給湯システムとは

図1はヒートポンプ技術を利用した給湯器(エコキュート)のシステムを示したものです。目には見えない大気中の熱エネルギーをヒートポンプユニットに取り込み、「自然冷媒(CO2)」で圧縮することで高温化し、その熱を水に伝えてお湯を作る、自然エネルギーを利用した地球にやさしい給湯機です。1の電気エネルギーを使って3~6倍の熱エネルギーを取り出すことができるとされています。給湯器としてだけではなく、温水床暖房や浴室換気暖房乾燥もできる多機能型もあります。また、太陽熱集熱器対応タイプもありますので、空気熱と太陽熱のW効果でより高効率化も可能です。
最近では、家の周りが狭くても設置が可能なコンパクトタイプも発売されていますし、価格も460ℓ貯湯タンク(5~7家族用)のもので80万円前後のものが発売されて、導入しやすくなってきています。太陽光発電と組み合わせて設置すれば、より省エネである上に停電の時にも安心です。 タンクが大きくなるほど、また多機能であるほど価格は高額になりますが、後から入れ替えたり機能追加したりするのは、無理な場合や無駄が生じる場合も考えられます。将来的なリフォーム計画や住まい方を検討したうえで、機能や容量を選ぶようにしましょう。

□エコキュート製品例(図2)

図2は、ダイキン工業株式会社のエコキュートの製品例です。ユートポンプユニットと貯湯ユニットが基本セットとなって標準価格765,000円(税抜)で発売されているものです。貯湯ユニットがコンパクトになり、狭いところにも置けるようになっています。別売の多機能型リモコン(税抜45,000円)をセットする必要があります。また、エコミスト対応型ですので、ミスト付浴室換気暖房乾燥機を取り付ければ、家でミストサウナを楽しむことも可能です。

次世代給湯システムとは

◆コージェネレーションシステム(エコウィル、エネファーム)

コージェネレーションシステム(CGS)とは、燃料を用いて発電するとともに、その際に発生する排熱を冷暖房や給湯、蒸気などの用途に有効利用する省エネルギーシステムです。1つの一次エネルギーから2つ以上のエネルギーを発生させることから、「co(共同の)generation(発生)」という名称になりました。CMで知られている「エコウィル」や「エネファーム」は、このコージェネレーションシステムのひとつです。
コージェネレーションシステムには、原動機(ガスエンジン・タービンやディーゼルエンジン)を駆動して発電させ、同時に排熱を利用するタイプと、水素と酸素を科学的に反応させて電気を発生させるとともに、排熱を利用する燃料電池タイプがあります。

□エコウィル

家庭用ガスエンジンコージェネレーションのことです。図3のようにガスで発電し、そのとき出る熱でお湯をつくり、暖房もできるシステムです。1kWの発電をするときに、同時に2.5kWの熱ができ、それを有効利用することで、省エネを実現しています。エコウィルを使用した一般的な家庭のCO2排出量を従来のシステムでまかなった場合と比較すると、約39%の削減となります。一次エネルギー消費量も約28%削減できます。それぞれの家庭の電気、給湯、お湯はりなどの使用状況を自ら学習して、最も省エネとなる時間に、自動的に発電を行う学習機能も搭載されています。

次世代給湯システムとは

東京電力では、エコウィルで発電することにより、購入電力の年間約40%を自宅でまかなうことができると算出しており、戸建住宅4人家族の想定でガス給湯器、居間にガス温水暖房、ガスコンロ、居間以外の暖房・冷房は電気エアコンを使用している場合、エコウィルを導入することで年間約30,000円節約できるとしています。さらなる、効率化と省エネを図るなら、太陽光発電とのW発電がお薦めです。図4が示すようにエコウィル発電で作られた電気は優先的に家庭内で使用されますので、太陽光発電で余った電気は売電することができます。また、東京ガスではエコウィルを設置すると「エコウィル発電ぷらん」という特別な料金メニューが適用になり、使用する全てのガス料金が図5のようにお得になります。

次世代給湯システムとは

次世代給湯システムとは

図6は、エコウィルの製品例です。エコキュートと同じように発電ユニットと貯湯ユニットで基本セットになっています。ガス温水式床暖房に接続可能な上、ミスト付浴室換気暖房乾燥機を取り付ければ、家でミストサウナを楽しむことも可能です。

次世代給湯システムとは

□エネファーム

家庭用燃料電池コージェネレーションシステムのことで、図7のように燃料電池ユニットと貯湯ユニットの2つのユニットで構成されています。燃料電池ユニットでは、都市ガスから水素を取り出し、空気中の酸素と反応させることで発電。その時に発生する熱を利用して同時にお湯を作ります。作られた電気は家のどこでも使うことができます。貯湯ユニットでは燃料電池ユニットで作ったお湯を貯めておきます。60度で200リットル貯めておきますので(40度にすると360リットルの給湯能力)ご家庭でのほとんどの給湯需要をまかなうことができます。バックアップ熱源機はお湯が足りなくなったときや、お風呂の追いだき・暖房時に稼動します。エネルギー効率を十分に発揮する機能として、学習システムが搭載されています。
東京ガスの資料によると、エネルギーを電気とお湯に無駄なく利用するため、従来のシステムに比べて一次エネルギー消費量を大幅に削減し、二酸化炭素(CO2)排出量を約48%削減することが可能です。つまり、エネファームを使用した一般的な家庭のCO2排出量を従来のシステムでまかなった場合と比較すると、その差は約1.5トン/年間にもなります。これは、3,300㎡のブナ林が吸収するCO2の量に匹敵します。さらに、エネファームは、ガスを使って発電するので、その分電気の使用量が減り、電気料金を少なくすることができます。一方で、ガスを使って発電する分、ガスの使用量は増えますが、エネファームを導入すると、東京ガスでは特別優遇としてお得なガス料金プランが適用されるため、ガスの使用量が増えても、ガス料金の増加額はぐっと抑えることができます。従来のガス給湯暖房機、ガス温水式床暖房(居間)、ガスコンロ、居間以外の暖房および冷房は電気エアコンを使用していた場合、エネファームを導入することで、年間5~6万の光熱費が節約できると東京ガスでは算出しています。

次世代給湯システムとは

図8のように太陽光発電とのW発電を導入すれば、CO2排出量も約4.2トン/年間削減でき、これは、ブナ林9,200㎡が吸収する量に匹敵します。

次世代給湯システムとは

エネファームは、給湯器というよりも燃料電池付きの発電システムですので、エコキュートやエコウィルに比べると高額です。しかし、価格もだいぶ下がってきていますし、国による補助金制度や東京ガスなどによる特別金利ローン制度などもあります。

次世代給湯システムとは

このように次世代給湯システムは単なる給湯器ではなく、エネルギーを変換し、作り出し、蓄える機能を備えた設備です。前講座でも説明しましたが、給湯に使われるエネルギーは家庭で消費されるエネルギーの約29%を占めています。暖房と厨房で消費されるエネルギーも含めれば、その量は6割を越えます。そして、今後エネルギー問題がますます深刻化するのは間違いありません。今の快適な暮らしを維持するためには、無駄を無くして節電するだけでは決して十分ではない時代はすぐそこまで来ていると考えられています。日本だけではなく、世界中が今後再生可能エネルギーを効率的に創り出し、そのエネルギーを効率的に供給するシステムを早急に確立することが求められています。そのためには、まず私たちひとりひとりが必要なエネルギーを自らどのくらい創りだせるかは重要なポイントとなります。次世代給湯システムは、エネルギーを自ら作り出す設備です。エネルギー資源の限界を迎えている今だからこそ、たかが給湯器と考えずに次世代を考えた設備を使うことを考えてみませんか。

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