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通信講座No.036 「飼っているペットの臭いが気になりませんか?」

講座No.036-2 「床リフォームでペットの臭い対策」

ペットの臭い対策には、前講座で説明した壁材以外に床材選びも重要なポイントとなります。なぜなら、床材選びはペットの怪我や病気を防ぐためにとても重要だからです。
ペットを飼っている多くの人が掃除のしやすさを求めて、フローリングを選ぶことが多いようです。しかし、材質の選び方を間違えるとペットの健康に害を及ぼすことになりかねません。特に、犬にとっては滑りやすい床は大変危険です。大型犬種に多い股関節形成不全は、床材の影響が大きく、遺伝性疾患の素因がない犬でも、滑ったときに突発的な膝蓋骨の脱臼や膝関節の靱帯が切れてしまうこともあるそうです。カーペットがペットの足には良いそうですが、汚れ易く臭いがつきやすいため臭い対策には、こまめな掃除が必要となります。

そこで、臭い対策に効果がありペットの健康によい床リフォームを考えてみましょう。

◆床材選びのポイント

ペットを飼っている多くの人が床材を選ぶ時に考えるのは、汚れにくい、掃除がしやすい、キズが付きにくい、臭いがつきにくい、といった人にとっての快適性ではないでしょうか。人間がペットに合わせて生活する必要がないことは、ペットを躾する上でよく言われることですが、それはペットの事情を無視するということではありません。ペットにばかり負担がかかるようでは、健康を害して病気になったり、躾が上手くいかなかったりと、結局は人に負担となって返ってくることさえあります。人とペットが快適に暮らすためには、それぞれの健康状態やペットとの関係性、ライフスタイルなどをよく考えて、住まいを見直す必要があります。床材選びもそのひとつです。本講座では、下記の2種類の床材をお薦めします。

□タイル(テラコッタ)

タイルといっても、表面がつるつるしたものではなく、図1のように少し表面がざらついたテラコッタ調のものがお勧めです。人とペットが共に快適に暮らすためのさまざまな利点があります。

床リフォームでペットの臭い対策

①キズがつきにくい
硬いタイルは引っかいても傷つきにくく、日常的なメンテナンスで美しさが長持ちします。INAXの資料によると、試験体表面を摩耗紙でこすり、摩耗した量を測定したところ、図2のような結果となっています。

床リフォームでペットの臭い対策

②滑りにくい
ペットの足にかかる負担を軽減し、怪我や事故を防ぐためには、滑りにくい床材を選ぶことが大切です。INAXの資料によると、床材について社外ペットユーザーによる官能試験を行い、5段階評価したものをまとめた結果、図3のようにタイルはカーペトに匹敵するほど、滑りにくい結果が出ています。

床リフォームでペットの臭い対策

③臭いがつきにくく、残りにくい
臭いは素材にしみこまない限り残ることはありません。したがって、臭いの対策には、臭いの元が染み込みにくいタイルが適しています。
④集合住宅や階上でも使用可能
集合住宅であっても、ペットには家の中を自由に歩かせてあげたいものです。タイル床材と二重床を組み合わせれば、階下に響く音を大幅に軽減できます。

□無垢材(単層)フローリング

滑りにくい、汚れにくい、傷つきにくいといった加工を施した複合フローリング材(数層の下地合板の表面に0.3~1ミリほどの天然木の単板や突き板を貼ったもの)もありますが、加工は表面のみですのでキズが全くつかないわけでも、全くすべらないわけでもありません。特に、傷が付きにくい加工がしてあるものは、非常に表面が固く滑りやすいものが多いので、ペットには要注意です。また、滑り止め加工をしている複合フローリング材は、表面を特殊な塗膜で保護してあるため、塗膜の劣化によって効果が薄れることもあります。さらに、複合フローリングの欠点は、表面に貼られた薄い天然木の下は合板ですので、劣化すると傷みが広がりやすいうえに、見た目が著しく悪くなります。その点、無垢材(単層)フローリングであれば傷が目立ちにくいうえ、経年変化も味わいとなります。ある建築家は、ペットに適した無垢材の樹種をいろいろ調べた結果、表面塗装していない無垢のチーク材を推奨しています。チークは油を多く出す木なので、表面をコーティングしていなくても汚れがつきにくく、傷も目立ちにくいそうです。その他にも以下のような自然素材ならではのさまざまな性能や効果があります。
①衝撃吸収
パイプ状の細胞が集まってできているような構造により、衝撃を緩和する効果があります。体育館やボーリング場の床に使われているのは、そのためです。但し、木材によってその衝撃吸収力は異なります。スギや桐のように柔らかい木材であるほど、衝撃が跳ね返るまでの時間が長くなるため、衝撃が吸収されやすく、足腰への負担が少なくなります。しかし、あまり柔らかいと傷はつきやすくなります。衝撃緩和と傷のつき易さの両面から考えた場合、図5に示した硬さレベルの3ぐらいまでを目安に選ぶと良いでしょう。体の小さいペットなら、スギやペイマツでも良いでしょう。

床リフォームでペットの臭い対策

②吸音性能(図5)
ペットの鳴き声は、飼ってる方も近隣住人にとても気になるものです。木材は多孔質な材料であるため、低音・中音・高音をバランスよく吸収する働きがあります。

床リフォームでペットの臭い対策

③調湿効果
木材には調湿作用があり、部屋が乾燥している時が水分を吐き出し、湿気が多い時には余分な湿気を吸収し、湿度を快適な状態に保ちます。
④防虫効果
木には、抗菌性物質や害虫に食われにくい殺虫成分を含んでいるものもあります。例えば、屋久杉は、江戸時代に伐採された切り株が今でも腐らずに残っています。この屋久杉に含まれている精油成分には、室内の塵ダニに対して強い防虫作用があることも分かっています。また、ヒバのニオイ成分は0.2%で室内の塵ダニの繁殖を抑える働きがあります。このように、防虫効果がある木材を床に使用することで、アレルギーの原因ともいわれるダニの発生を合成殺虫剤などに頼らず防ぐことが出来きて安心です。
⑤芳香
臭いを気にして芳香剤を使う人は多いと思いますが、嗅覚の優れたペットにとっては、必ずしも良いこととはいえません。また、芳香剤にはたくさんの化学物質が含まれているものもあります。しかし、床に無垢のフローリングを使えば、無垢材そのものが発する木の香りが芳香剤の代わりになるので安心です。さらに、それぞれの木が持つ特有の香りには、さまざまな効果があることもわかっています。例えば、木の香りのする部屋で就寝すると疲れが早く取れるそうです。ビバの精油やヒノキの精油の吸入は血圧を低下させる効果があることや、ヒノキの芳香には、リラックスするときに脳内に発せられるアルファー波の量を増やすことも明らかになっています。木材の主要な精油成分であるα-ピネンの吸入は、緊張状態を抑える効果もあります。このように木の芳香には、化学合成品の芳香剤とは異なる、さまざまな効果が期待できます。

今やペットは単なる愛玩動物ではなく、伴侶として位置付けられコンパニオンアニマルと言われるようになりました。コンパニオンとしてペットと快適に暮らす住まいづくりには、ペットの種類やペットとの関係性、ライフスタイルをきちんと整理して考えることが大切です。本講座を参考に経験のあるリフォーム業者に相談し、最適なリフォーム方法を見つけましょう。

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