ちょっと本格的なDIY講座~住まいの学習館(通信講座)~

住まいに関する知恵や技術を学ぶことが出来る通信講座や体験イベント情報を紹介

通信講座No.038 「物入れや押し入れが足りなくて収納に困っていませんか?」

講座No.038-2 「おしゃれで無駄のない収納リフォーム」

前講座では、部屋をすっきり広くみせるポイントを確認しました。しかし、ポイントに沿って家具の配置を変えたり、いくつかのインテリアを変えたりするだけでは、物を使い勝手よく片付け、部屋をすっきりさせるにも限界があります。そんな場合は、思い切って収納リフォームを検討してみてはいかがでしょうか。子どもの成長や家族構成の変化により、住まい方も変わらざるを得ないときがあります。そんな時こそ、リフォームを検討するチャンスです。収納リフォームだけにするか、部屋全体をリフォームするかは、予算やこれからの住まい方に合わせて決めることができます。

それでは、収納スペースが最も必要とされるリビングと寝室の収納リフォームのポイントについて確認しましょう。

◆リビングの収納リフォームのポイント

□最低限必要なものから考える

家族がゆったり過ごすため、最低限必要なものが何なのかを決めましょう。例えば、お気に入りのソファーでくつろぎたいのか、書棚を並べたいのか、ホームシアターにしたいのか、それとも何も置かず床でごろごろしたいのか、家族がゆったり過ごすために優先すべきポイントを決め、そこからレイアウトを始めると思い通りの部屋に近づけます。 収納スペースを設置することは、同時に物を出し入れするためのスペースが必要になるということです。さらに、ソファーとリビングテーブル、ソファーとテレビの間にも適度なゆとりが必要です。もちろん人が通るための通路も確保しておかなければなりません。そのように考えると、意外と物を置けるスペースは限られてくるはずです。まずは、ゆとりを持ってレイアウトを考えましょう。そして、最低限必要な物を決めた後に、もし物足りないと感じる空間があったら、次に必要なものを選んで置くか、観葉植物・フロアスタンドなどで雰囲気づくりをしましょう。

□フォーカルポイントになるテレビ周りを大切にする

通常、リビングルームは家族が集まるくつろぎの場であり、来客を迎える場でもあります。そして、その中心にテレビがあるというのがもっとも一般的なスタイルでしょう。最近は、大型テレビが普及しているため、テレビとテレビボードは自然と目が行く場所となります。つまり、テレビ周りはリビングのインテリアを決める重要なポイントとなるのです。リモコンやDVD、ゲーム機やソフトなど、収納すべきものが多いのもテレビ周りです。テレビを置く位置とテレビ周りに何をどのくらい収納するかをまず決めましょう。
次に、テレビを設置する高さを決めましょう。床に座って見るのか、ソファーや椅子に座って見るのかでテレビボードの高さを合わせるとよいでしょう。人間の視線は、水平からやや下になるくらいが丁度良い高さです。テレビボードの高さ(テレビを置く面までの高さ)+テレビの高さが、目線と同じかやや下になるぐらいに設置します。
テレビを設置する高さを決めると同時に、見る位置との距離も設定しておくとソファーや椅子、テーブルなどの位置もおおよそ決めることができます。テレビを見るのに適した距離の目安は、図1が示すように液晶などの薄型テレビの場合=画面の高さx3、ブラウン管テレビの場合=画面の高さx5~6、と言われています。近すぎても目によくありませんし、離れすぎても視点が一点に集中して目が疲れやすくなります。健康のためには、高さと距離に注意しながらテレビの位置とソファーや椅子の位置を決めましょう。

おしゃれで無駄のない収納リフォーム

テレビとソファーや椅子の位置が決まると、収納スペースの大きさが決められます。部屋の広さに適したバランスのよい大きさにします。テレビ関連品以外にリビングに収納したいものをよく検討した後、収納スペースをハイタイプにするか、ロータイプにするかを決めましょう。ハイタイプは収納力と高級感があり、リビングのフォーカルポイントとしての存在感は抜群です。テレビ関連品だけではなく、さまざまなものを収納することができますし、書棚やコレクションアイテムを飾るスペースとしても使用可能です。一方、ロータイプは圧迫感がなく部屋を広く見せる効果が期待できます。ソファーや椅子に座るよりも床座が中心になる場合は、ロータイプのほうがよいでしょう。
収納スペースのタイプが決まったら、扉、棚などの素材や色、そしてデザインを検討しましょう。素材感や色をビングの他の家具と合わると統一感がうまれ、部屋全体がすっきり見えます。また、デザインをオープンタイプにすると、軽やかでおしゃれな雰囲気になり、収納をディスプレイ感覚で楽しむこともできます。扉や引き出し付きなら、ほこりの心配がなくこまごました物を収納するのに便利で見た目もすっきりするうえ、小さな子どものいたずらやケガの防止にもなります。オープン棚、扉、引き出し、可動棚などの組み合わせによって収納の仕方や収納量が変わります。最近は、棚や扉、引き出しなどの組み合わせが自由に出来る収納用建材を販売しているメーカーもあります。図2~図4はパナソニック株式会社の収納建材「キュビオス」という製品です。梁などの凸凹があるマンションやどんな大きさにも合わせることができるうえに、さまざまな棚や扉、引き出しが選択でき、オーダーメイドのように設置できるため、リフォームに適しています。

おしゃれで無駄のない収納リフォーム

メーカーの収納建材を使わなくても、図5のように造り付けの収納スペースはできます。自分の使い勝手に合わせて自由にデザインできる上、素材の選び方によっては、メーカー品を取り付けるよりも予算を抑えることが可能です。

おしゃれで無駄のない収納リフォーム

和室がリビングに隣接している場合は、図6~図8のように和室部分の床を上げて、その下を収納として使うこともできます。床面の上った和室部分に腰かけることもできますので、来客人数が多いときには、椅子代わりにもなります。図6~7は、もともとはフローリング床の上に、パナソニック株式会社の和室型収納建材「畳が丘」を設置した例です。また、図8は、メーカーの既製品を使わずに独自に設計して造られたものです。どちらも、畳下に収納スペースがたっぷりあります。

おしゃれで無駄のない収納リフォーム

部屋を広く使いながら収納スペースを増やすためには、床下の有効活用も効果的です。図9のように畳と一体になった蓋がついた和室専用の床下収納庫であれば、開け閉めが楽に出来るので頻繁な物の出し入れにも便利です。また、フローリングなどの床に取り付ける床下収納庫には、図10のように床下の収納部分がスライド式になっていて物の出し入れがしやすくなっているものもあります。

おしゃれで無駄のない収納リフォーム

◆寝室の収納リフォームのポイント

□大切な睡眠を損なわない空間にする

人間が一生の間にとる睡眠時間は、233,600時間と言われているそうです。人生80年として1日8時間の睡眠だとすると27年間にも相当します。睡眠は単なる非活動的な時間ではなく、体と脳を休めて翌日のエネルギーを蓄え、新陳代謝を促し身体をつくり、脳の記憶力をよくするなど、人間の生命に欠かせない大切な時間です。快適な眠りが得られないと、心と身体に悪影響を及ぼしかねません。ベッドルームは、ゆったりくつろげる空間にしたいものです。

□ベッド周りに必要なスペースを決める

ベッド、ナイトテーブル、洋服ダンスやチェスト、ドレッサーなど、寝室に家具をあまり押し込めると圧迫感を感じますし、地震の際に逃げ場を失いとても危険です。ゆとりを持ってレイアウトするようにしましょう。例えば、布団やベッドの位置とタンスの位置は、図11のように地震で家具が転倒することも考えて設置することが大切です。

おしゃれで無駄のない収納リフォーム

また、洋服ダンスやチェスト、ドレッサー、デスクなどを置く場合は、ベッドと家具との間に通路として最低65cmのスペースを取る必要があります。中身を出し入れするためには、さらなるスペースの確保が必要です。開き扉のタイプならベッドとの間に約90cm、引き違い戸なら自分が立つ空間が確保できればOKです。省スペースを考えるなら引き違い戸のほうが便利ですが、扉が全開できないという欠点もあります。引出しの場合はしゃがんで引出しを引くという動作のため、やはり約90cmは必要になります。
さらに、ベッドを壁につけておく場合は、ベッドメイキングのために10cmくらいあけておくとよいでしょう。ベッドには図12のように引き出しなど収納スペースが付いているものもあります。ベッドが占める面積は、部屋の相当の割合を占めていますので、そのスペースを収納として利用するのは、省スペース化に有効です。しかし、引き出しのように物の出し入れをする際の動作に合わせて、余分なスペースが必要になる場合もありますので注意が必要です。ベッドを置かずに布団で寝るならば、布団の上げ下ろしのスペースさえあれば十分ですが、布団の収納スペースが必要になります。ベッドに比べると、横になったときの目線が低くなるため圧迫感が強くなりますので、なるべく背の高い家具を置かないように注意しましょう。

おしゃれで無駄のない収納リフォーム

□クローゼットを有効活用する

転倒の危険がなく部屋をすっきりとみせるクローゼットは、収納リフォームに大変役立つアイテムといえます。図13のように、床や建具などとコーディネートすると落ち着いた空間を作ることができます。クローゼット用の収納家具なども市販されているので、短い洋服の下などをうまく使ってクローゼットを有効活用すれば、より省スペース化が可能です。図14が示すように、クローゼット内部を有効活用するには、よく使うものを中心に、高いところと低いところ、そして奥行きのある場所をどう使うかにかかっています。そのために、図15~図16のようなクローゼット用の収納パーツを上手に活用すると無駄なくスペースを使いきることができます。

おしゃれで無駄のない収納リフォーム

おしゃれで無駄のない収納リフォーム

□小屋裏(屋根裏)収納を有効利用する

戸建ての場合、あると便利なのが図17のような小屋裏(屋根裏)収納です。法律における小屋裏収納の定義は、(1)面積は2階(直下階)の2分の1以下、(2)天井の高さは最も高い場所で1.4m以下、(3)取り外し(格納)の出来る仮設のはしごで登る(固定階段に関しては地域により異なる)の3つを満たしていなければなりません。つまり、図18のようなハシゴを使用した昇降になりますので、重量物の収納や高齢者・幼児の利用には気をつける必要があります。また、屋根裏を収納に利用するということは、建物の重心が若干でも上に移動することになります。耐震性や強度に問題が生じないよう、しっかりと構造を見直して適切な補強をすることが必要です。

おしゃれで無駄のない収納リフォーム

同じカテゴリーの通信講座をピックアップ

建具・窓周り
建具・窓周り
講座No.014「雨戸の締り具合の悪いところはありませんか?」
講座No.033「バルコニーの防水は、まだ水漏れしていませんか?」
講座No.038「物入れや押し入れが足りなくて収納に困っていませんか?」
講座No.046「防犯に不安を感じることはありませんか?」
講座No.052「玄関が狭いと感じたことはありませんか?」
講座No.056「建具がきつくなっていたり、傾いたりしていませんか?」
講座No.063「バルコニーの床回り、手すりは傷んでいませんか?」
講座No.098「住まいにおける花粉対策」

自然素材主義パートナー紹介