ちょっと本格的なDIY講座~住まいの学習館(通信講座)~

住まいに関する知恵や技術を学ぶことが出来る通信講座や体験イベント情報を紹介

通信講座No.040 「住まいが健康を脅かしていませんか?」

講座No.040-2 「健康性をアップする住まい方とリフォーム」

「CASBEE健康チェックリスト」を開発したJSBC(一般社団法人日本サステナブル建築協会)は、健康チェックリストで健康に悪影響を及ぼすおそれがあるポイントが見つかった場合には住まい方の工夫をして改善するよう勧めています。また、住まい方で改善されない場合は、リフォームなどによる改善の検討も勧めています。
そこで、「CASBEE健康チェックリスト」の健康要素6項目ごと(講座No.040‐1図6)に、IBEC(財団法人建築環境・省エネルギー機構)が発行している「健康維持増進住宅ガイドブック」をもとに住まい方アドバイスと、住まいの学習館のお勧めリフォームについて説明しましょう。

◆涼しさのスコアが低い場合

「夏の暑さによって、熱中症や疲労などの健康影響が懸念されます。暑さ対策の基本は、窓・扉や屋根・壁などから日射熱が入ってくるのを防ぐこと、適度な風で体温を逃がすこと、そして冷房などを使って室温を下げることです。

□住まい方のアドバイス

・窓の外によしずや緑のカーテンを設けると効果的に日射熱の侵入を防ぐことができます。
・日中は、カーテンやブラインドなどで直射日光が入らないようにしましょう。
・年齢とともに、暑さを感じづらくなるので、温度計を見る習慣をつけましょう。
・冷房が効かないと感じる場合には,エアコンのフィルターの掃除をし、家具などの障害物を少なくして、冷房の効率を上げましょう。扇風機を併用して室内の空気循環を促進すると冷房効果が上がる場合もあります。
・就寝時のジメジメ感を抑えるためには、タイマー運転などで就寝前から湿度を下げておくと効果的です。

□お勧めリフォーム

・断熱効果を高めるために、熱伝導率の低い壁材による内装リフォームや遮断熱塗料による外壁塗装がお勧めです。リフォームの具体的なポイントについては、通信講座No.017-3 「本格的な壁リフォームのポイント」をご参照ください。
・調湿効果の高い壁材による内装リフォームは、ジメジメ感を取り除き体感温度を下げるのに効果的です。通信講座No.029-2 「湿度管理で快適な住まいづくり」は、体感温度について詳しい説明がありますので、ご参照ください。

健康性をアップする住まい方とリフォーム

・窓からの熱の侵入を防ぐ内窓の設置は、簡単な工事で効果が大きいのでお勧めです。
・十分な通気を確保できると、体感温度を下げることができます。新たに窓や換気孔、換気扇を設置するなど、通気・換気設計を内装リフォームと一緒に行うと効果的です。

◆暖かさのスコアが低い場合

冬の寒さによって、風邪やインフルエンザへの感染、ヒートショックによる心疾患や脳血管疾患などの健康影響や高齢者の浴室事故の発生が懸念されます。寒さ対策の基本は、暖房を使って温度を保つこと、窓や床などから熱を逃がさないように保温すること、屋内の温度をできるだけ均一に保つことです。

□住まい方のアドバイス

・夜間には雨戸やカーテンを閉め、冷気が入らないようにしましょう。ただし、燃焼ガスを室内に放出する暖房機を用いる場合には、適切な換気が必要です。
・ヒートショックを防ぐために、トイレや浴室、廊下など居室以外の温度も寒くない程度に維持することが望まれます。
・加湿器などによって水蒸気を発生させ、適度な湿度を保つことが望まれます。

□お勧めリフォーム

断熱効果を高めるために、熱伝導率の低い壁材による内装リフォームや遮断熱塗料による外壁塗装がお勧めです。
・調湿効果の高い壁材による内装リフォームは、湿度を適度に保つことで体感温度を上げるのに効果的です。壁材の選び方などは、通信講座No.017-3 「本格的な壁リフォームのポイント」をご参照ください。
・窓からの熱の侵入を防ぐ内窓の設置は、簡単な工事で効果が大きいのでお勧めです。結露防止にも効果があります。
・床暖房の設置は、一般的な暖房器具では暖気が上にたまりやすいのに比べ、床からの高さで生じる温度差を軽減します。床暖房設置リフォームの詳細については、講座No.008-3 「本格的床リフォームのポイント」をご参照ください。
・トイレの温熱環境を改善するために、暖房機能付の便座や換気扇を設置するとよいでしょう。トイレのリフォームについては、講座No.005-1 「トイレの概要」をご参照ください。

健康性をアップする住まい方とリフォーム

・暖房機能のついた多機能換気乾燥機を設置することで、在来工法の浴室でも温熱環境を改善できます。浴室のリフォーム時には、断熱性能の高いユニットバス(システムバス)を選択するとよいでしょう。講座No.022-3 「浴室リフォームの設備選び」や講座No.035-2 「高性能の浴室暖房で健康促進」を参考にご覧下さい。

健康性をアップする住まい方とリフォーム

◆静かさのスコアが低い場合

騒音や振動の感じ方は、行為の内容やタイミング、体調によっても大きく変わってきます。感じ方の違いや、生活の中での慣れなどにも配慮して、家族が不眠やストレスの原因にならないよう対処しましょう。

□住まい方のアドバイス

・室内で発生する振動に対しては、振動源と建物が接する面にクッション材を挟むことにより、振動を低減させることができます。
・屋外の騒音に関しては、窓から音が進入する割合が高いので、簡易な対策のひとつとして、厚手のカーテンに変えるとよいでしょう。

□お勧めリフォーム

・外から侵入する騒音を防ぐのに最も手軽なリフォームは内窓を設置することです。内窓の設置は、断熱対策や結露防止にも効果があります。
・地域によっては、地方自治体が防音工事に対して補助金制度を設けていることもあります。自治体の窓口や地元の工務店やリフォーム会社に相談してみましょう。

健康性をアップする住まい方とリフォーム

◆明るさのスコアが低い場合

明るさが不足している場合、作業効率の低下や段差・障害物に関する事故の危険性が増加する問題が懸念されます。逆に明るすぎる場合は、かえって眼精疲労が強くなります。また、光源が目に入る位置にあると不快に感ずる場合があります。特に寝室の照明には、色温度が高くない暖色系の照明を用いて、メラトニン(眠りのホルモン)の分泌に影響の少ないものを選びましょう。

□住まい方のアドバイス

・居間などの居室で明るさが足りないと感じる場合には、照明器具の容量を大きくしましょう。また、明るさを得やすくするために、スタンドの併用も有効です。ただし、光源が目に入らないよう工夫しましょう。
・壁面を照らすと部屋全体が明るく感じられます。その際、壁紙は白色系の方が明るく感じます。
・階段や手すり等に蓄光部品や蓄光テープを使用すれば、段差や障害物が目立つようになり、高齢者には安心です。
・寝室などで明るすぎる照明を使うと、睡眠に悪影響を与える場合があります。寝室では、照度を低くし、入眠を妨げない照明(電球色蛍光灯など)を選びましょう。さらに、間接照明などで光源が目に入らないように工夫するとよいでしょう。

□お勧めリフォーム

天窓を設置すると明るさを確保しやすくなります。雨仕舞いが難しい工事なので、実績のある信頼のできる工務店やリフォーム会社に依頼することが大切です。
・内装リフォームと合わせて照明設計を行うと効果的です。通信講座No.037-1 「照明の基礎知識」を参考して下さい。

健康性をアップする住まい方とリフォーム

◆清潔さのスコアが低い場合

住まいの清潔さは、美観を保つだけではなく、有害生物・病原菌や有害物質を減らし、さまざまな感染や化学物質による害を防ぐための大切な目安です。日々の掃除や片付け、洗濯や殺菌消毒などの励行が健康を守る基礎になります。

□住まい方のアドバイス

・臭いは、化学物質、雑菌、カビの発生、換気不足などのサインです。汚れや空気のよどみが、細菌やカビの発生を招く場合もあります。臭いに気がついたらすぐに、掃除や換気をしましょう。
・カビは水廻りや結露で湿ったところに繁殖します。キッチンや浴室だけではなく、室内に水分をし過ぎないようにし、こまめに換気をすることで結露防止を図ることから始めましょう。

□お勧めリフォーム

・間取りや近隣環境により十分な通気や換気が行えない場合は、居室用の換気扇を設置するとよいでしょう。講座No.023-3 「カビ&結露対策リフォーム」を参考にご覧下さい。
・調湿効果の高い壁材での内装リフォームも効果があります。講座No.009-3 「本格的消臭リフォームのポイント」をご参照ください。
・基礎の工法や土地の特性により、床下の湿気が室内にまで影響を及ぼすこともあります。さらに、床下の湿気は、家の土台や床材にも影響を及ぼし、シロアリの原因にもなりかねません。防湿・除湿対策にはさまざまな方法がありますので、信頼できる工務店やリフォーム会社に予算や住まいに適した対策を相談するとよいでしょう。対策の詳細については、講座No.027-3「床下の湿気対策」をご参照ください。

健康性をアップする住まい方とリフォーム

◆安全のスコアが低い場合

住宅内における転倒や転落による死亡は、住宅における死亡の約半数を占めるといわれています。特に高齢者の転倒事故が多く発生しています。また、無理な姿勢になったり踏ん張ったりすることは転倒や体の痛みにつながります。

□住まい方のアドバイス

・足元に邪魔になるようなものや滑りやすい敷物などを置かないようにしましょう。
・段差がある場合は、目立つように照明をあてたり(足元灯など)、色を変えたりしましょう。
・高齢者や障害者の方にとっては、大きな段差ばかりでなく、5mm以上の段差でも危険になります。スロープなどで段差を解消するようにしましょう。
・浴室など滑りやすい場所は、濡れても滑りにくいように滑り止めマットなどを敷くようにしましょう。

□お勧めリフォーム

・床リフォームの際は、段差を無くし、滑りにくい床材を選ぶよう工務店やリフォーム会社に相談しましょう。講座No.008-1 「床の構造・工法・材質について」をご参照ください。
・廊下や階段、玄関、浴室など転倒や転落による事故の危険性が高いところには、高齢者や障害者の方に合わせて手すりを設置するとよいでしょう。

◆安心のスコアが低い場合

防犯性が高く安心して暮らせる住まいは,心理的なストレスを軽減することができます。肉体的な健康も重要ですが、心理的にも健康で過ごせることは健康的な生活を送る上で大切です。

□住まい方のアドバイス

・窓の外からの不要な視線を遮るために、カーテンやブラインドを上手に利用しましょう。
庭の植栽の手入れをし、敷地内の見通しを良くしましょう。
・物置やフェンス、塀などが住まいに侵入する足がかりにならないように配慮しましょう。
・ご近所の方と日頃から挨拶などで声を掛け合う習慣をつけましょう。さらに、近所であまり見かけない人を見かけたら必ず声をかけることを皆で励行することが、防犯上大変有効だそうです。
・1日以上家を留守にする時は、新聞などがポストに入ったままにならないよう、配達をとめるようにしましょう。また、ご近所には留守を伝えておくようにしましょう。

□お勧めリフォーム

・ドアや窓の鍵に不具合や不安があれば、鍵の数を増やし、防犯性の高い器具に交換しましょう。
・ルーバーやメッシュになった雨戸やシャッターを設置すれば、閉めたままで通気ができるので夜間や外出時に便利です。講座No.014-3 「本格的雨戸リフォームのポイント」を参考にご覧下さい。

健康性をアップする住まい方とリフォーム

・一階の窓など侵入されやすい開口部には面格子を設置するとよいでしょう。掃出し窓など面格子を設置できないところには、防犯ガラスが有効です。
・フェンスや塀は、外から侵入しにくく、且つ外からの視線を遮らないものを選ぶようにしましょう。講座No.012-1 「目隠しの方法」も参考にご覧下さい。

以上のように、ちょっとした住まい方の工夫や部分的なリフォームで住まいの健康性は改善することが可能です。ぜひ出来ることから実行してみましょう。

同じカテゴリーの通信講座をピックアップ

その他
その他
講座No.009「家の臭いが気になりませんか?」
講座No.015「地震対策はちゃんとやっていますか?」
講座No.016「照明器具が汚れていませんか?」
講座No.023「カビや結露が出ることはありますか?」
講座No.024「寒い冬には暖かい部屋~部屋の防寒対策~」
講座No.025「家の外観全体を模様替えする気持ちはありませんか?」
講座No.030「夏に部屋が暑くてつらい思いをしていませんか?」
講座No.031「自然エネルギーで夏の暑さ対策をしてみませんか?」
講座No.035「健康的な暖房について考えてみませんか?」
講座No.037「照明の省エネ化は済んでいますか?」
講座No.040「住まいが健康を脅かしていませんか?」
講座No.041「無理して省エネ&節電していませんか?」
講座No.043「わが家で再生可能エネルギーをつくろう」
講座No.044「光だけじゃない!太陽熱も利用しよう」
講座No.047「今、使わず空いている部屋はありませんか?」
講座No.048「冬のエコライフ講座 in 保土ヶ谷公会堂」
講座No.051「室内を全面的に改装して、気分転換したい気持ちはありませんか?」
講座No.058「風通しの悪い家だなぁと、感じたことはありませんか?」
講座No.060「寝室が狭くて窮屈を感じていませんか?」
講座No.062「家の中にゴキブリや虫が多いと感じたことはありませんか?」
講座No.068「家族、兄弟が集まったとき、リビングが狭いと感じていませんか?」
講座No.083「省エネ住宅ポイント制度をご存知ですか?」
講座No.091「玄関の下駄箱が小さくて不便になっていませんか?」
講座No.092「本棚に本をすっきり収納してみませんか。」
講座No.093「家の中のデッドスペースを有効活用しませんか?」
講座No.094「便利なお掃除アイテムと掃除のポイントの紹介」
講座No.095「DIYで断熱効果を高める」
講座No.097「寒さを解消するための簡易的な暖房方法」
講座No.099「住まいを快適にできる生活雑貨をご存知ですか?」
講座No.100「中古マンションを購入したけど有効なリフォームとは?」
講座No.101「5分でわかる冬の色々リフォーム」

自然素材主義パートナー紹介