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通信講座No.041 「無理して省エネ&節電していませんか?」

講座No.041-1 「簡単な内部のリフォームで省エネ&節電」

エネルギー問題は世界の重要課題であり、2012年6月20日(水曜日)~22日(金曜日)までの3日間、リオデジャネイロ(ブラジル)で開催される「国連持続可能な開発会議(リオ+20)」でも、重要な議題のひとつです。しかし、熱中症による救急搬送が増えている昨今、夏の節電には注意が必要です。
そこで、ただ普通に住んでいるだけでも節電が可能になるリフォームを考えてみましょう。本格的な断熱工事は効果も大きいですが、大がかりな工事になるうえに、費用もそれなりの金額となります。しかし、比較的簡単な工事で、且つどの家でも何年かに一度は行うようなリフォームで、節電効果が得られる方法があります。

◆省エネ&節電効果のある内部リフォーム

省エネ&節電のポイントは、遮断熱と湿度のコントロールです。そして、住宅の場合、遮断熱と湿度に大きな影響を及ぼすのが、窓と壁です。図1が示すように、住まいの熱の流出入は、夏も冬も開口部が非常に大きな割合を閉めています。次いで、夏の場合は屋根、外壁となります。

簡単な内部のリフォームで省エネ&節電

□窓のリフォーム

①窓ガラスを交換する
かつて、単板ガラスをペアガラスにする場合には、サッシごと交換するのが一般的でした。しかし、最近は大手ガラスメーカーからリフォーム用ペアガラスがいろいろと発売されています。建付けやサッシ本体に問題がなければ、ひと窓あたり30分~1時間という簡単な工事で断熱効果の高いペアガラスに交換することができます。2枚のガラスの間が単なる空気層のものやより断熱性能の高い高断熱アルゴンガスが充填されているものもあり、断熱性能と価格で選ぶことができます。事前に下見、採寸をすることで、工事そのものは短時間で済むうえ、ガラスを交換するだけなので、工事のための準備も不要です。
断熱性能だけではなく、ペアガラスに換えることで、結露の抑制や防音にも効果があります。 図2は、旭硝子株式会社製「ペヤプラス」のアルゴンガスが充填されたペアガラスの構造図です(旭硝子株式会社HPより)。価格もサッシを交換するよりもずっとお得で、窓幅1,700mm高さ800mmの引き違い窓の場合、メーカー参考価格は35,990円(税込み)です。(施工費別途必要です。)住宅エコポイントの対象にもなっています。

簡単な内部のリフォームで省エネ&節電

②内窓を設置する
LIXIL株式会社のトステム「インプラス」やYKK AP「プラマードU」などのテレビコマーシャルで、世間に知られるようになった窓が、内窓ではないでしょうか。

これらの内窓は、既存窓の室内側に新たな窓と枠を設置するリフォーム専用窓です。断熱効果が非常に高く、結露の抑制や防音にも大変効果があります。窓のタイプ(引き違い窓やFIX窓など)もガラスの種類もいろいろあるうえ、窓枠のカラーも選択が可能ですので、他の建具や家具などに合わせて選ぶことができます。ガラスは、価格がもっとも手頃な単板ガラスから、遮熱高断熱複層ガラス入りのものもありますので、予算だけではなく日射状況や部屋の用途などに合わせて選ぶと良いでしょう。遮断高断熱複層ガラスなら紫外線も大幅に遮断できます。図3は、LIXIL株式会社(トステム)「インプラス」の構造図です。既存の窓と新たに取り付ける窓との間にできる空気層が、外気の影響を軽減します。

簡単な内部のリフォームで省エネ&節電

内窓の設置は、壁などを壊す必要もないため、ひと窓あたり1時間ほどの施工で行えます。さらに、内窓と一緒に新しい枠が設置されるので、内装の壁と一緒にリフォームすれば、部屋の中が見違えるようになります。住宅エコポインントの対象でもあります。

□壁のリフォーム

図1で示したように、外壁からの熱の流入出は、夏では7%、冬では15%と少なくありません。また、高温多湿の日本の夏を快適に過ごすためには、湿度を適切にコントロールすることはとても重要です。湿度は体感温度に大きく影響を及ぼすからです。 部屋の中で、壁の面積が占める割合は大きく、6帖の部屋の床面積が約10平方メートルに対して、壁面積は約25平方メートルにもなります。したがって、断熱性能が高く、調湿効果がある壁材でリフォームすれば、省エネ&節電に役立つことになります。
そこで、断熱性、調湿性に優れた壁材にはどんなものがあるか考えてみましょう。

①珪藻土
内装材として珪藻土を売りにしている新築物件も見られるほど、最近はすっかり耳慣れた珪藻土は、コテなどで塗布する左官材として一般的には使用されますが、珪藻土を混入したビニールクロスなども最近は発売されています。珪藻土は、藻類の一種である珪藻の殻の化石の堆積物(堆積岩)です。珪藻の殻は二酸化ケイ素でできているため、珪藻土もこれを主成分としています。混入している粘土粒子などの色の違いにより、珪藻土の色は白色、淡黄色、灰緑色と産地によってさまざまです。耐火性と断熱性に優れ、高い保温性と程よい吸湿性で昔から壁材として使われてきました。珪藻土そのものには接着能力はないので、壁材としては石灰やアクリル系接着剤や樹脂を混ぜて使用されるのが一般的です。したがって、珪藻土を数パーセントしか含まないものも多く流通していますので、何がどのくらい含まれているのか確認して選ぶようにしましょう。

②石灰岩・貝殻
石灰岩や貝殻を焼成すると、成分が酸化カルシウムの生石灰になります。ちなみに、石灰岩からできた生石灰を石灰(いしばい)、貝殻からできたものを貝灰(かいばい)と呼びます。
生石灰に水を加えると成分が水酸化カルシウムの消石灰になり、消石灰に水を加えて練り合わせて壁に塗ると、空気中の二酸化炭素と反応して硬化します。消石灰を水で練ったものは粘性に乏しいので、壁材としての作業性を向上させるために角又(つのまた。暖海の岩上に生育する海藻)などの糊やスサと呼ばれる植物繊維を混ぜて補強したものが漆喰です。防火性が高いのが特徴で、古くは城や土蔵に使われたりしました。また、調湿機能も持ち、季節の変化に耐え、カビがつきにくいという性質をもつため、今でも押入れの壁などに使われることもあります。そのほか、遮音性や遮光性にも優れています。乾燥後の収縮率が高いためひびが入りやすいのが欠点といわれています。
ヨーロッパの建築にも石灰が使われています。それは消石灰に川砂だけを混ぜた石灰モルタルや生石灰を大量の水で消化させ寝かせてペースト状にした生石灰クリームです。生石灰クリームは、消石灰に比べて、硬化後の収縮が少なく表面硬度が硬いうえに、コテによる艶が出やすい特徴があります。

③シラス
シラスは、2万5千年前、現在の鹿児島湾北部を火口とする姶良カルデラの大噴火によって発生した火砕流が堆積したもので、マグマの超高温で焼成された高純度のセラミック物質です。南九州はシラスによる広大な台地から形成され、シラス地層の厚さは数十mから150mにもなります。非晶質の割合が60~80%もあるシラスは、火山灰や他の火山噴出物とは全く異なる特異な性質をもっています。非晶質は、分子構成が不安定で活性化し、環境によって触媒反応等が起きやすくなることから、消臭・分解・殺菌・イオン化などの機能を発揮すると考えられています。

簡単な内部のリフォームで省エネ&節電そのシラスを原料としたリフォーム用の壁材(図4)は、漆喰や珪藻土とも違った独特の風合いと色合いが特徴です。調湿、消臭性能に優れ、ホルムアルデヒドを吸着して再放出しません。また、多孔質なシラスの特性で、断熱性、防火性にも優れています。さらに、既存のビニールクロスの上から塗ることができますので、一般的な珪藻土や漆喰よりも施工が短期間で済みます。
また、シラスは、すでにマグマの超高温で焼成された高純度のセラミックですから、珪藻土や石灰のように焼成する必要がなく、製造過程においても省エネで環境に優しい材料といえます。

図5~図6は、シラス壁の吸湿・放湿試験の結果です。15×15cm大のシラス壁を湿度93%(温度約30℃)に設定した10リットルのデシケータに入れた場合と何も入れない場合を比較計測しました。なお、試験ではあらかじめ90℃で、3時間乾燥したシラス壁を冷却後、投入しています。また、放湿試験では、吸湿性能の実験を終了したサンプルを遅滞なく、湿度17%(温度は約23℃)に設定した10リットルデシケータに入れて計測しました。
図の赤い線がシラス壁を入れた時の数値で、グレーの線は何も入れなかった時の数値です。吸湿については、30分後には54%、60分後に45%程度となり、以降安定します。放湿については、35分後には25%、80分後に27%,250分後には28%となり、以降はゆっくりとした変化となります。ちなみに、図7は、家のニオイを悪臭にしてしまう大きな原因となる4つの物質に対する消臭性能を示すグラフです。このような機能を持つシラス壁でリフォームをすれば、省エネ&節電に役立つだけでなく、エアコン運転中にこもりがちな室内の空気環境を改善するのにも効果があります。

簡単な内部のリフォームで省エネ&節電

簡単な内部のリフォームで省エネ&節電

以上のように、さまざまな自然素材の壁材が発売されており、機能や価格もさまざまです。ただし、「自然素材」とうたっていても、わずかに自然素材が含まれているだけというものがたくさんありますので、よく確認して選ぶようにしましょう。

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