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通信講座No.043 「わが家で再生可能エネルギーをつくろう」

講座No.043-2 「森林再生にも役立つペレット&薪ストーブ」

森林再生にも役立つペレット&薪ストーブ前講座で説明した太陽光発電は、電化製品にあふれた現代の生活では、もっとも使い勝手の良い再生可能エネルギーです。実際、私たちの暮らしは、電化製品なしでは考えられないほどで、ガス給湯器でさえ停電の時には使うことができません。
図1が示すように1世帯当たりの用途別エネルギー消費では、動力、照明で35.9%を占めており、そのほとんどが電力です。次いで多いのが給湯で、それに続くのが暖房24.3%です。この暖房に使われるエネルギーは、灯油、ガス、電気などさまざまですが、エアコンが普及した昨今は、冬の電力消費量が増えつつあります。つまり、冬の電力消費量を抑えるには、暖房に使うエネルギー源を再生可能エネルギーに替えることが有効といえます。

電力以外で暖房に使える再生可能エネルギーといえば、バイオマスエネルギーである木材利用でしょう。例えば、環境大国で知られるドイツで供給されている再生可能エネルギーの約46%は熱利用の木質バイオマスです。そして、その大半が家庭で使われています。バイオマスエネルギーというと、バイオエタノールやバイオディーゼルのように産業用や動力用燃料としての活用に目が向けられがちですが、穀物に由来するバイオエタノールやバイオディーゼルは、穀物価格の上昇につながり、その供給国が貧しい国であればあるほど、人々の暮らしを圧迫することになりEU諸国では問題視されています。また、マレーシアやインドネシアでは、パームオイル採取のプランテーション開発による熱帯雨林の乱伐が招いた生態系や森林環境の破壊が問題となっています。その点、木質バイオマスの活用は、熱利用と限られてはいますが設備も簡易なうえに、適切な森林環境維持に役立ち、ひいてはCO2排出量排出量削減にも役立つ、地球に優しいエネルギー源といえます。

日本は国土の約7割が森林です。しかし、手入れも利用もされず、手つかずになっている人工林は国土の約3割も占めています。人工林は人が作り出した環境なので、人の手なしでは正常な状態を保つことができません。もちろん、放置したまま何十年、何百年もすれば、自然淘汰により自然林へと植生が更新されるでしょう。しかし、森林の役割は材木としての価値だけではなく、水源地確保や土砂流出・災害防止という私たちの命にかかわる重要な役割もあるのです。
荒廃した人工林の保水力不足は、たびたび災害時などのニュースでも取り上げられています。たとえば、10年前の神奈川県では水源地の森林荒廃は深刻な問題でした。そして、平成19年より水源地の森林荒廃を抑止し、水源環境の保全と再生のための長期事業が開始されました。安定的に財源を確保するために、水源環境保全税として神奈川県民の納税者は一人当たり年額約900円を負担しています。事業がスタートして5年が経ち、現在人工林の荒廃状況が66%から24%へ改善されています。さらに、間伐材などを上手に木質バイオマスエネルギーとして活用することは、森林の環境整備とともに山間地域の活性化にもつながるとして国や地方自治体も注目しており、東京都福生市など自治体によっては木質バイオマス熱利用(薪ストーブやペッレットストーブ)の導入に補助金を出しているところもあります。
このように、再生可能エネルギーの普及が注目されている今、太陽光発電などに比べて設備費の安い木質バイオマスエネルギーの利用は、今一度検討する価値があるといえるでしょう。 では、私たちが木質バイオマスを家庭で活用するにはどんな方法があるでしょうか。

◆ペレットストーブ

ペレットストーブは、木質ペレットを燃料とするストーブです。最近は、国産のペレットストーブや国産間伐材の木質ペレットがいろいろ発売されており、導入もしやすくなっています。木質ペレットは、丸太、樹皮、枝葉など木質バイオマスを原料につくられます。特に、木材工場から排出する樹皮、おがくず、端材などの残材・廃材が有効活用されているので、無駄や環境負担の少ないエネルギー源と言えます。原料を細かい顆粒状まで砕き、それを圧縮して棒状に固めて成形したものがペレットとなります。大きさは長さ1~2cm、直径6~12mmのものが主流です。 また、木材の構成要素の1つである物質(リグニン)が軟化して、接着剤のような役割を果たすため、ペレットの成形時には接着剤の必要がありません。そのため、ペレットの成分は木材と変わらない自然素材100%で安心です。その上、成形するときに原料を凝縮させる分、粉砕しただけのチップやおが粉よりも熱量が大きく、燃料効率が向上します。 さらに、ペレットに含まれる水分の割合が低いため着火が良好、 搬送・保管に便利で、長期間の貯蔵も容易です。ペレットの種類は基本的に使用する木材の部分で次のように分類されます。
□全木:丸太のすべてを材料として利用。木の皮まで入れるため外見は茶色。
□ホワイト:丸太の皮をむいた部分だけを使用。ホワイトという名称のとおり、ほかのペレットと比較して白いのが特徴。(図2)
□バーク:丸太の皮の部分だけでつくられたもので、濃い茶色に仕上がる。(図3)

森林再生にも役立つペレット&薪ストーブ

森林再生にも役立つペレット&薪ストーブそして、上記のような木質ペレットを燃料として使うのがペレットストーブです。図4~図5は、国産のペレットストーブの設置例です。日本の家、日本人の生活スタイルを考えて作られたペレットストーブですので、日本の一般家庭に適したコンパクトな大きさでありながら、炎からの輻射熱と、上下から送風される温風により、効率的に部屋を暖めることができます。また、使い勝手もどんどんよくなっています。図の製品は、自動着火で着火タイマーも付いています。火力や風量はダイヤルで調整できますし、高温時や地震の際には各種安全装置が作動するなど、使い勝手は普通のストーブと変わりありません。また、上部の天板を外せば、小さなやかんなどを暖めることもできます。
コンパクトな本体で安全装置などがしっかりしているため、図のように家電製品の近くや普通の壁際に設置することができます。デザインやカラーもストーブというよりは、電化製品のように、シンプルでスタイリッシュです。暖房能力も高く、コンクリート建なら50畳も暖房可能です。図6からも分かるように設置施工も簡単です。

森林再生にも役立つペレット&薪ストーブ

◆薪ストーブ

薪は、木質バイオマスの最も原始的な利用法です。ただし、燃焼効率に対して体積がかさばるため、森のない都会では導入は難しいのが難点です。しかし、もし住んでいるところが森林の近くや薪の入手が容易なところであれば、薪ストーブも再生可能エネルギーの選択肢のひとつになります。
薪ストーブは、需要が多い海外からの輸入製品の方が、デザインの種類も多く選びやすいでしょう。例えば、図7はドイツのネスターマーティンの薪ストーブです。ドイツやノルウェー、アメリカなど環境に関する厳しい国際基準をクリアしており、その排気のクリーンさも特徴のひとつです。手動でも手元でのリモートコントロールでも、簡単に操作することができます。 一方、図8は、長野県のモキ製作所製の無煙・無臭の薪ストーブです。アメリカ・ドイツ・日本で特許を取得した「茂木プレート」により、800℃の高温燃焼を可能にし、高温燃焼での完全燃焼により針葉樹、竹、廃材も燃料として使用可能です。
薪ストーブの原料は、基本的に自然そのもので安心なうえに、間伐材などを使えば森林荒廃の役にも立ち、且つ地産地消できれば輸送によるCO2排出量も削減できます。

森林再生にも役立つペレット&薪ストーブ

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