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通信講座No.005 「便座が冷たいと思いませんか?」

講座No.005-1 「トイレの概要」

寒い季節、暖かい部屋からトイレに入ると寒くてゾクッとしませんか。特に便座に腰かけたときの冷たさといったら・・・。このような急激な温度差によって体が受ける影響をヒートショックといいます。ヒートショックは脳卒中や心臓疾患の原因とされています。それでも、長い時間いるわけではないからと、我慢して対策を取らずにやり過ごしているのではないでしょうか。
日本家屋のトイレは北側にあることが多く、ヒートショックになりやすい場所です。真冬など、暖房をしているリビングとまったく暖房をしていない廊下やトイレとの温度差は、10度を超えるといわれています。ヒートショックの影響を大きく受けやすいのは、高齢者と高血圧、糖尿病の人、動脈硬化のある人です。高齢者の人が家庭内で死亡する原因の4分の1を占めているのが、ヒートショックだそうです。1年間では推定1万人以上、交通事故の死亡者よりも多いといわれています。高齢になると、夜間にトイレに行く回数も増えるのでそれだけ危険も増えることになります。

それでは、トイレでのヒートショック対策について説明しましょう。

1.トイレに近い部屋を寝室にする

夜間何度もトイレに起きる高齢者やヒートショックになりやすい人は、できるだけトイレに近い部屋で就寝できるように配慮してあげましょう。

2.小型の暖房機を置く

冬、夜間のトイレはかなり冷え込むので、小型の暖房機などを置いてトイレを暖かくする工夫をしたいものです。各メーカーから下記のようなトイレの暖房器具が発売されています。
電気温風機 
トイレでも使用可能なコンパクトサイズの電気温風機が各メーカーから発売されています。

温水式トイレ換気暖房機
「トイレの概要」 トイレ専用として発売されている暖房機もあります。
予熱機能ですばやく立ち上がり、予約タイマーや換気機能が付いています。床置きタイプではないので、場所をとりません。図1は温水式トイレ換気暖房機の商品例です。通常換気扇が取り付けられている壁面に設置することで、暖房時の換気も可能です。

室内暖房機能付き便座
室内暖房機能付きの温水洗浄便座が発売されています。便座部分から温風が出るようになっていて、足元からトイレ全体を暖めます。毎日同じ時刻に作動するタイマー機能や室温が5℃以下になると自動で作動する冷え込み防止機能付きでヒートショック対策ができます。図2は室内暖房機能付便座の商品例です。

3.トイレに窓がある場合は、カーテンをつける

日本の住宅は北側にトイレのある家が多いので、窓にカーテンを取り付けるだけでも断熱効果は1.5倍アップします。

4.いきみすぎにも気をつける

排便の際にいきみすぎると血圧や心拍数が上昇して心臓への負担が大きくなる原因になるので気をつけたいものです。便秘もいきみすぎの原因になるので、水分や食物繊維を多く含む食品を積極的に食べるようにしましょう。温水洗浄便座などで刺激を与えるのも排便を促すのに役立ちます。

5.暖房便座を使用する

腰かけたときに身が縮むほど便座が冷たいのは、高齢者でなくてもドキッとするものです。しかし、便座にカバーをつけるのは不衛生にもなるし、来客や家族以外の人にとってはあまり気持ちのよいものではありません。現在、暖房便座は温水洗浄便座の機能の一つになっているものがほとんどですが、ウォームレットなどの商品名で洗浄機能がついてない暖房便座もあります。和風便器にもアタッチメントを取り付けることで暖房便座や温水洗浄便座を使用できる製品も発売されています。

以上5つのヒートショック対策をできることから実行してみましょう。また、暖房機器はいろいろありますので、トイレの広さや間取りに合せて選ぶと良いでしょう。トイレを広く使いたいのであれば、場所を取らない換気暖房機や便座・便器を暖房機能付きのものに取り替えるのがお勧めです。トイレの便座は、条件が整っていれば自分で取り替えることもできます。 自分で便座を交換するならば、使用状況に合った適切な選択が出来るよう、最近のトイレ事情について知っておくことが大切です。

便器の種類

便器は大きく分けると和風便器と洋風便器の2種類があります。最近は、ほとんどの家庭で洋風便器が使われています。和風便器は図3のようにタンクと便器の2つの部分で構成されているのに対し、洋風便器の構造は、図4のようにタンク、便座、便器の3つの部分で構成されています。タンクは、手洗い器付きと無しのものがあります。また、狭いトイレでも有効に使えるようにタンクのないもの(タンクレス)や便座・便器一体型、収納一体型などデザイン面での革新も進んでいます。図5はタンクレストイレの商品例です。

「トイレの概要」

洋風便器の形状

洋風便器には、便器と便座の一体型(図6)と分離型(図7)があります。一体型は無駄を省いたフラットなデザインで、凸凹が少ないため掃除などのお手入れが楽ですが、便座を他の機種とは取り替えられません。分離型は便座部分のみの取替えがしやすいメリットがある反面、どうしてもデザインに制約が残ります。デザイン性やお手入れが楽なのは一体型、価格面や便座の取替えを考えるなら分離型と考えるとよいでしょう。

「トイレの概要」

洋風便器のサイズ

便器には大型サイズ(エロンゲート)と普通サイズ(レギュラー)があります。 普通サイズの440mmに比べ、大型サイズは30mm大きい470mmなので、ゆったり座れて窮屈さを感じさせません。寸法の見方は図8のようになります。

「トイレの概要」

洋風便器の洗浄方式

洋風便器は洗浄方式によって洗浄力(汚れ防止)・静音・脱臭・節水の能力や機能に差があります。例えば、便器の節水性能は大きく進んでいます。メーカーによっては、従来品より約65%の節水を達成しているものもあります。これは、一般的な家庭で1年間に180Lの浴槽274杯分の節水になるそうです。その要因のひとつが洗浄方式なのです。また、洗浄方式によって、水たまりの広さも違ってきます。水たまりの面積が大きいほうが便器の内側が汚れにくく、臭いもしにくいというメリットがあります。そのため、大型サイズの便器を選択する人が全体の65%と増えています。
どんな洗浄方式があるか、どんな特徴があるのか、よく理解して選びましょう。洗浄方式の呼称はメ-カ-により異なる場合もありますが、共通している主なものを挙げると次の表の通りです。

「トイレの概要」

それぞれの洗浄方式の特徴は下記のとおりです。

【サイホンボルテックス式】

タンクと便器が一体形のワンピースで、サイホン作用(便器の水を吸引する作用)と渦巻き作用を併用した洗浄方式。 水たまり面が広いので、汚物が水中に沈みやすく臭気の発散も少なくなり、汚物の付着がほとんどありません。洗浄音が最も静かで価格は一番高くなります。

【サイホンゼット式】

独特のゼット穴構造から吹き出す水が強いサイホン作用を起こし、汚物を吸い込むように排出する洗浄方式。水たまり面が広いので、汚物が水中に沈みやすく臭気の発散も少なくなり、汚物の付着がほとんどありません。

【サイホン式】

屈曲した排水路を満水にし、サイホン作用を起こす洗浄方式。水たまり面はサイホンゼット式より少し狭いため、ボール内の乾燥面に汚物が付着することがまれにあります。

【セミサイホン式】

汚物排出にサイホン作用を伴うものと、流水作用で押し流す洗浄方式があります。水たまり面はサイホン式と洗い落とし式の中間で、洗浄水量を抑えています。サイホン式に比べ、ボール内の乾燥面に汚物が付着しやすく、洗浄時に多少水ハネが発生することがあります。

【洗落し式】

洗浄水の落差による流水作用で汚物を押し流す洗浄方式。水たまり面が狭いため、ボール内の乾燥面に汚物が付着しやすく、洗浄時に多少水はねする事があります。最も構造がシンプルで安価な便器です。

便座の種類

機能で大きく分けると普通便座、暖房便座、温水洗浄便座の3種類があります。最近は、普通便座や暖房便座よりも温水洗浄便座の出荷率がもっとも高いようです。内閣府消費動向調査によると、温水洗浄便座の世帯普及率は平成4年3月の14.2%から大きく上昇し、平成21年3月では60.4%までになっています。特に普及率が高いのは、世帯主の年齢が60歳以上で63.8%にもなります。普及率の上昇とともに性能もよくなり、使用電力も以前よりもずっと節電できるようになっています。ちなみに、温水洗浄便座を選ぶなら、あらかじめ貯湯タンク内にお湯を沸かしてためておく「貯湯式」よりも、使用時に瞬間的にお湯を沸かす「瞬間式」が保温に電気を必要としないため省エネ性では優れています。ただし、貯湯式の方が、機器の価格は安めです。

その他の機能

各メーカーはそれぞれ多彩な機能が搭載された便座を発売しています。例えば、汚れにくい加工がほどこされたものや便座の着脱がワンタッチでできお手入れがしやすい構造になっているものもあります。以下に、さまざまな便利機能の例をあげてみました。

【便利な機能例】
・脱臭機能:使用中に吸い込み量の切り替えができるものもあります。
・乾燥機能:洗浄便座についた温風機能で乾燥ができます。
・自動洗浄機能:便器から離れるとセンサーが大・小を判断して水を自動で流します。
・音楽再生機能:搭載された音楽やSDカードにダウンロードしたお好みの音楽が聴けます。
・芳香機能:使用時に心地よい香りが漂い、脱臭中も効果が継続します。
・室内暖房機能:温風で足元を暖めます。タイマー機能や5℃以下で作動する等の機能もあります。
・タイマー節電機能:タイマーや使用頻度を記憶して節電したりするものもあります。
・自動開閉機能:便器に近づくとセンサーが検知してふたが自動で開き、離れると閉じます。
ちなみに、便座のふたは閉めておいたほうが約15%の省エネになるそうです。これは、1年間で約920円のお得、約14kgのCO2を削減したことになります。

このようにトイレの機能は様々です。トイレでのヒートショック対策としてこれらの機能を上手に利用するとよいでしょう。図9のように和風便器でもアタッチメントを取り付けることで洋風便器のように腰掛けて使用でき、暖房便座や温水洗浄便座が取り付けできる製品も発売されています。便座だけ取り替えるか、便器ごと変えるか、予算や住まい全体のお手入れプランに合せて選ぶようにしましょう。

「トイレの概要」

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