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通信講座No.045 「あなたの住まいの空気はきれいですか?」

講座No.045-2 「空気をきれいにするリフォーム」

前講座で説明したように、住まいの空気をきれいにするには、換気と通気、湿気の管理、化学物質の除去がポイントとなります。こまめな掃除や日常生活でのちょっとした心構えなど、ライフスタイルを見直すことで改善されることもたくさんありますが、家族全員が直ちに生活スタイルを変えるのは容易なことではありません。
そこで、本講座ではリフォームで住まいの空気をきれいにする方法を考えてみましょう。

◆換気設備を取り付ける

平成15年7月1日の建築基準法の改正により、居室には原則として機械換気設備の設置が義務付けられていますので、最近の住宅は換気がしやすくなっています。
しかし、それ以前の建築基準法で建てられた建物は、換気設備が十分に設置されていません。図1の左側のように、窓が一箇所しかない部屋もあるでしょう。マンションの場合は難しいですが、戸建て住宅であれば図1の右側のように窓や換気扇を設けることで空気の流れが改善され、換気がしやすくなります。換気効率を良くするためには、換気扇と同時に給気口も設置できればより効果的です。

空気をきれいにするリフォーム

◆壁面を利用する

部屋の中で壁の面積が占める割合は、思っているよりも大きなものです。例えば、6帖の部屋の床面積は約10平方メートルですが、壁面積は約25平方メートルにもなります。つまり、この壁を有効利用することが、家の湿気を無くすことや空気をきれいにすることに大きく係わってくるということです。そこでお勧めなのが、調湿機能・消臭機能・有害物質の吸着など、部屋を快適に保つ機能を持った建材を使用するリフォームです。通常の壁紙(ビニールクロス)にもそのような機能が付けられたものもありますが、性能や機能の質や持続性を考えると、天然の木板や珪藻土壁、シラス壁の方がお勧めできます。
図2は調湿・消臭機能があり、有害物質を吸着し、断熱効果の高いシラス壁の施工例です。

空気をきれいにするリフォーム

図3~図4は、シラス壁の調湿効果を示したグラフです。グレーの線は何も入っていない状態、赤の線はシラス壁を投入した状態を示しています。試験では、部屋の壁・天井・床のすべてにシラス壁を塗った場合とほぼ同じ状況と仮定し、15×15cm大のシラス壁を湿度93%(温度約30℃)に設定した10リットルのデシケータに入れて計測しました。なお、試験ではあらかじめ90℃で、3時間乾燥したシラス壁を冷却後、投入しています。また、放湿試験では、吸湿性能の実験を終了したサンプルを遅滞なく、湿度17%(温度は約23℃)に設定した10リットルデシケータに入れて計測しました。
吸湿については、30分後には54%、60分後に45%程度となり、以降安定します。放湿については、35分後には25%、80分後に27%,250分後には28%となり、以降はゆっくりとした変化となります。

空気をきれいにするリフォーム

ちなみに、図5は悪臭の原因にもなる4つの化学物質に対する消臭性能を示すグラフです。また、シラス壁の主原料であるマグマの一部・天然シラスは多孔質であるため、断熱効果や防音効果も得られます。

空気をきれいにするリフォーム

このような機能を持つシラス壁でリフォームをすれば、効果的に室内の湿気を抑えながら空気環境を改善し、且つ断熱効果で省エネもできます。シラス壁には、インテリアとのコーディネートや予算に合わせて選べるように種類もいろいろあります。最も手軽にできるのが、ビニールクロス下地専用の「白洲リフォーム」です。既存のビニールクロスを剥がさずに施工ができるため、ゴミが出ずにエコで地球に優しく、コストの節約でお財布にも優しい壁材です。塗り厚が1.3mmなのでマンションなどで巾木の厚みが薄いところにも対応できます。その上、一般的な土壁のようにコテではなくローラーで塗りつけるため、日曜大工が得意な人や手先が器用な人なら少し練習すれば、DIYも可能です。メーカーの高千穂シラス株式会社では、定期的にシラス壁の塗り体験会を実施していますので、壁材の特徴や塗り方の説明をメーカーから直接受けることができます。また、材料や道具は楽天市場のショップからも購入可能です。
もし、ビニールクロスのような仕上がりが好みの場合は、図6のような和紙壁紙や植物繊維をベースに製造されたエコクロスを選び、図7のような天然素材の壁紙用糊を選ぶと良いでしょう。

空気をきれいにするリフォーム

◆床を利用する

前講座でも説明したように、畳やじゅうたんに比べると掃除がしやすいフローリング材は、カビ・ダニが繁殖しにくい材料です。しかし、そのフローリング材が発する化学物質が空気を汚染し、健康を害するようでは困ります。そこでお勧めしたいのが、無垢(単層)のフローリング材です。木には調湿作用があり、部屋が乾燥している時は水分を吐き出し、湿気が多い時には余分な湿気を吸収し、湿度を快適な状態に保ちます。さらに、木には、抗菌性物質や害虫に食われにくい殺虫成分を含んでいるものもあります。例えば、屋久杉は、江戸時代に伐採された切り株が今でも腐らずに残っています。この屋久杉に含まれている精油成分には、室内の塵ダニに対して強い防虫作用があることも分かっています。また、ヒバのニオイ成分は0.2%で室内の塵ダニの繁殖を抑える働きがあります。このように、防虫効果がある木材を床に使用することで、アレルギーの原因ともいわれるダニの発生を合成殺虫剤などに頼らず防ぐことが出来きて安心です。無垢材は手入れがたいへんと敬遠される方も多いようですが、経年変化で傷が目立ちにくく、傷さえも味わいとなって自然素材ならでは趣を醸しだせるのは、無垢(単層)のフローリング材です。さまざまな加工やコーティングにより機能性をアップした複合フローリング材は、確かに傷がつきにくいものもあります。しかし、それは加工を施された0.3~1mmの表面部分であり、内部の合板まで加工が施されているわけではありません。そのため、少し深い傷が付いてしまえば、年数を経るごとにかえって傷みが目立つことさえあります。
さらに、無垢材には、天然の芳香剤となるものもあります。住まいの臭いを気にして芳香剤を使う人は多いと思いますが、その芳香剤が化学合成品では、住まいの空気をきれいにするために必ずしも良いこととはいえません。しかし、床に無垢のフローリング材を使えば、無垢材そのものが発する木の香りが芳香剤の代わりになるので安心です。さらに、それぞれの木が持つ特有の香りには、さまざまな効果があることもわかっています。例えば、木の香りのする部屋で就寝すると疲れが早く取れるそうです。ビバの精油やヒノキの精油の吸入は血圧を低下させる効果があることや、ヒノキの芳香には、リラックスするときに脳内に発せられるアルファー波の量を増やすことも明らかになっています。木材の主要な精油成分であるα-ピネンの吸入は、緊張状態を抑える効果もあります。このように木の芳香には、化学合成品の芳香剤とは異なる、さまざまな効果が期待できます。その他にも、木は低音・中音・高音をバランスよく吸収する吸音性能に優れ、パイプ状の細胞が集まってできているような構造により、衝撃を緩和する効果もあります。但し、木材によってその衝撃吸収力は異なります。スギや桐のように柔らかい木材であるほど、衝撃が跳ね返るまでの時間が長くなるため、衝撃が吸収されやすく、足腰への負担が少なくなります。あまり柔らかいと傷はつきやすくなりますので、衝撃緩和と硬さの両面から考えて、好みの木材を選ぶとよいでしょう。図8は、樹種による硬さの違いを表に示したものです。

空気をきれいにするリフォーム

賃貸の場合や将来のお手入れ計画、予算などの理由により、無垢のフローリング材によるリフォームを躊躇しているならば、図9のような基本的に乗せるだけの無垢のフローリング材「ユカハリ・タイル」(販売元:株式会社西粟倉・森の学校)もあります。岡山県西粟倉村産のスギやヒノキの間伐材で作られた、厚さ1.35mmの50cm角の木のタイルです。裏面には遮音シートが付いています。1ケースが約2㎡用で8,400円(税込)。つまり1㎡あたり4200円です。大手メーカーの最も手頃な複層フローリング材(厚さ12mm)の希望小売価格も4,000円台/㎡です。もし、6帖の部屋に使うのであれば、42,000円で約5ケース(※)を購入して、あとは自分で並べるだけです。(※必要数は面積で算出。貼り柄をつけたり、部屋の形が複雑だと余分に必要です。)

空気をきれいにするリフォーム

もちろん、リフォーム業者に頼めば、材料の選択肢も増えるうえに、現在の不具合も一緒に直すことができます。予算に合わせて方法や材料を選択すると良いでしょう。

以上のように、設備や建材を工夫するリフォームで住まいの空気を改善することは可能です。どんな方法、どんな建材を使ってリフォームするにしても、目先のことや部分だけにこだわらず、住まい全体の環境を見直した上で、これからの住まい方やそれに必要なリフォーム計画、そして予算というように総合的に考え、提案してくれるリフォーム業者を選ぶようにしましょう。それこそが、後々後悔しないリフォームのために重要なポイントです。

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