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通信講座No.053 「左官壁がボロボロに落ちて困っていませんか?」

講座No.053-2 「左官壁をリフォームしよう」

古くなったセンイ壁や京壁風の塗り壁がボロボロと落ちたり、カビが発生したりしてリフォームが必要な場合について、考えてみましょう。
最近、リフォーム材として既存の壁材をそのままで使える塗料がいろいろ発売されています。DIYに興味のある人や出費を抑えたい人は、そのような材料に魅力を感じることもあるでしょう。しかし、リフォームとは、単に見た目を綺麗にすることだけではありません。もちろん、見た目が綺麗であることも大切ですが、それ以上に見えない部分が劣化していないか、不具合の原因は何かなど、根本的な問題を解決することも大切です。例えば、壁にカビが発生しているのであれば、汚れからカビが発生しただけではなく、室内の湿度が多いことや空気の流れがよくないことなども考えられます。さらに、センイ壁そのものだけではなく、下地材にも問題が生じていることも考えられます。リフォームの際には、見た目を良くするだけではなく、普段見えない部分や住まいの機能も改善し、より快適で健康な暮らしができるようなリフォームを心がけましょう。
当講座では、最近、住まいの必須項目になりつつある省エネ性能や環境性能、健康性能に配慮して、自然素材の左官壁でのリフォームをお勧めいたします。

そこで、既存のセンイ壁から自然素材の左官壁へのリフォームについて説明しましょう。

◆基本的なリフォーム手順

1.既存のセンイ壁をはがします。
下地を傷つけないために、一般的には剥がし材を塗ってセンイ壁をふやかしてから削ぎ落とします。

2.下地を確認します。
左官壁の古来の工程は、土壁の下地として、図1のように竹と縄を組んで作る木舞下地(こまいしたじ)が主でした。その木舞下地の上に下塗り、中塗り、上塗りと、乾燥させながら順次塗り重ねていくため、相当の施工時間を要していました。近年はラスボードにプラスターで下塗りをして、その上に仕上げ材を塗るか、若しくは直接仕上げられるなど、昔に比べて随分簡単な施工が可能な自然素材の左官壁が増えました。したがって、既存のセンイ壁を剥がすと、一般的には図2のような浅い溝のついた石膏ボード(ラスボード)の上に下塗り材(石膏プラスター材など)が塗られている状態が現れます。

左官壁をリフォームしよう

しかし、土地の条件や普段の換気状況、部屋の使用状況などによっては、下地の傷みがひどい場合があります。下地にカビが生えていたり、打ちつけている釘に錆が出ていたりすることはよくあることで、下地と外壁材の間にカビが生えていることさえあります。当然、下塗り材にアクが浮き出ていることや、カビが繁殖していることもあります。選んだ壁材によっては正しい処置をしないと、せっかくリフォームしても、仕上がりに影響が出ることがあります。壁材のメーカーが推奨する施工方法をよく確認し、施工業者にしっかりと下地の補修・調整をしてもらいましょう。下地の状態によっては、思い切って下地から手入れをすることも検討するようにしましょう。カビは、ペニシリンのように人に有益になる場合もありますが、人の健康を脅かすものもあります。カビが生み出す毒素により中毒症や感染症を引き起こすこともありますし、空中に舞ったカビやカビの胞子は、シックハウス症候群の原因にもなるともいわれています。できるだけ、見えないところも健康的にリフォームしたいものです。

3.下塗り材を塗ります。
下地や仕上げ材、メーカーよって異なりますが、大抵の場合はなんらかの下塗り材もしくはプライマーを塗ります。

4.仕上げ材を塗ります。
選択した仕上げ材を塗ります。

5.養生をしっかりします。
乾燥して硬化が完了するまでに自然素材は時間が掛かります。その間の換気や通気は、仕上げにかかわる大切なポイントです。直接風をあてずにじっくり乾かすのが理想ですし、そうすることで顔料の定着や発色も安定します。綺麗な仕上がりのためには、養生期間をしっかりとりましょう。


◆チェックポイント

□糊、パテ

壁材だけではなく、下地調整材やパテが安全なものが使われているのか注意しましょう。F☆☆☆☆のものを使うことは当然ですが、前述したようにF☆☆☆☆はホルムアルデヒドゼロではないことを理解しておきましょう。

□時間

リフォームの場合、住みながら施工するのが一般的です。工事が終われば、きれいになった部屋で、すぐに元通りの生活をはじめたいと誰もが思うことです。でも、住みながらのリフォームだからこそ、少し余裕をもって見守る気持ちが大切です。人が生活する中での工事ですので、換気を十分にできないこともあります。ビニールクロスであっても、自然素材であっても、素材がその家の環境に合って定着するには、多少の時間がかかります。例えば、ビニールクロスや紙壁紙などの場合、完全に乾燥すると縮むことを考慮して貼るため、張替え直後は多少の緩みが見られます。また、漆喰や土壁など化学物質が入っていない左官壁は、乾燥して硬化が完了するまでに時間が掛かります。その間の換気や通気は、仕上げにかかわる大切なポイントです。直接風をあてずにじっくり乾かすのが理想ですし、そうすることで顔料の定着や発色も安定します。住まいは工業製品ではありません。家のつくり、住む人、住まい方によって千差万別です。きれいになることも楽しみのひとつですが、選んだ壁材が自分の家に馴染んでいく過程も楽しむ余裕をもつことが大切でしょう。

□温度

施工時、養生時の温度管理は左官壁にとって重要です。特に冬季、気温の低い時には注意が必要です。5度以下の温度環境での施工や養生は、凍害により硬化不良を起こす危険性がありますので、施工業者にも十分気をつけてもらうようにしましょう。温度管理さえ気をつければ、冬季は空気が乾燥していますし、温度が急激に上がることもないので、施工に問題はありません。

◆色・柄・デザイン性について

床、天井、窓枠の色、カーテン、家具、装飾品、部屋の大きさや使用目的などを考え、トータルでコーディネートするように選ぶと良いでしょう。
柄や色を決めるときには、部屋の大きさや照明などの明るさとの左官壁をリフォームしようバランスにも注意しましょう。小さな部屋や照明が少ない部屋で濃い色や大きな柄を選ぶと、出来上がったときに見本のイメージよりも圧迫感を感じる場合があります。そのような場合は、家具やカーテンなどをできるだけシンプルなものにしたり、色味を合わせたりすると全体がバランスよく見えるようになります。逆に、白っぽいものは、広い部屋や明るい照明の下では、白さが際立って見えてしまいます。どんな調度・家具などにも合わせやすいことは利点ですが、温かみや豪華さを感じさせるためには装飾品や照明を工夫するとよいでしょう。
また、小さな子やペットがいる場合は、無垢材などで腰壁を作る方法(図3)も傷がつきにくく、汚れが目立たないのでよいでしょう。
壁は部屋の面積の大半を占めますので、小さなサンプルだけで決めるのは、慣れないと大変なことです。ショールームや実際の施工例を見たり、メーカーの施工体験会に参加したりしてみると、イメージを明確にするのに役立つでしょう。

自然素材の左官壁には素材の特性が活かされ、さまざまな効果が確認されているものがいろいろあります。それらは、素材の特性から生じる効果なので、薬品などを添加して得られる効果と違い、持続性や安全性の上でも優れているといえます。 住まいは単に雨、風を凌ぐだけではなく、健康、命に係わる大切なものです。そして、室内の面積比率がもっとも大きい壁材は、健康を脅かすことのない安全、安心な住まいかどうかを左右するといっても過言ではありません。だからこそ、リフォームは本当に良い材料と良い施工方法を提案してくれる信頼できる業者に相談しましょう。 なお、さまざまな理由から、左官壁へのリフォームが困難な場合は、和紙やコットンなどの自然素材で出来た壁紙で仕上げる選択肢もあります。詳しくは通信講座No.17-3をご覧下さい。

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