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通信講座No.054 「雨水を無駄にしていませんか?」

講座No.054-1 「雨水を無駄にしていませんか?」

雨水を無駄にしていませんか?私たちが暮らしている地球上にある水の量は、約14億k㎥あると言われ、地球表面の約7割が水で覆われており「青い惑星」とも言われています。しかし、その殆どが海水(約97.5%)で、淡水は約2.5%しかありません。しかも、淡水の約70%が北極・南極の氷河・氷山などで固定されており、淡水として利用ができません。また、残り約30%の殆どが土中・地下水のため、河川や湖沼をはじめ大気中に含まれる淡水は、淡水量の約0.4%に過ぎず、地球の総水量の約0.01%にしかなりません。
このように淡水は大変貴重なもので、雨は貴重な水資源となっています。そこで水資源である世界の降水量と日本の降水量がどうなっているか調べてみましょう。
図1のように、日本の年間降水量1,718mmは、世界平均降水量807mmの約2倍です。しかし、日本は狭い国土に人口が多いため、一人あたりの水資源量は3,337㎥と、世界平均8,559㎥に比べて大変少なくなっています。
では、お住まいの地域が、どの位の降水量かご存知ですか。地域ごとの降水量は、気象庁のホームページを使って簡単に調べることが出来ます。

◆自宅の降水量を調べて見ましょう

□地域ごとの降水量の調べ方

気象庁のホームページを開きます。
1)気象庁のトップページにある『気象統計情報』をクリック。
2)『過去の気象データ検索』をクリック。
3)『都道府県を選択』をクリック。
4)調べたい『都道府県』をクリック。
5)調べたい『市町村』を選択しクリック。
6)調べたい『年代』と『月ごとの値を表示』をクリック。
7)選択した年の月ごとのデータが表示されます。
図2は、上記の手順で横浜の2012年の月ごとの降水量を調べた表になります。

雨水を無駄にしていませんか?

□雨水の利用可能水量の調べ方

ご自宅の屋根に降った雨を利用する場合、どのくらいの雨水を利用出きるか計算してみましょう。

雨水利用可能水量(㍑)=屋根面積(㎡)(集水面)X年間降水量(mm)X0.9(流出係数)

例えば、横浜市内で40坪の木造住宅(総2階・屋根面積約66㎡とする)にお住まいの場合、屋根面積66㎡X年間降水量1,997mm(図2の年間合計より)X0.9≒118,622(㍑)が雨水利用可能水量となります。これは、私たちが「家庭用水」として一日に使用する水の量を一人当たり約245(㍑)(平成22年度版環境白書111ページ参照)とした場合、484日分に相当します。

では、せっかく屋根に降った雨は現状どうなっているのでしょう。

◆雨水の行方

一般住宅の屋根に降った雨は、雨樋から、下水道へと流れていきます。雨水を流す下水道には二つの方法があり、古くから下水道の整備を始めた東京都等の大都市では、都市内の浸水防除や生活環境の改善を目的に合流式下水道を採用してきました。現在の下水道は、昭和45年に下水道法が改正され、公共用水域の水質保全が位置付けられたため、それ以降の下水道は分流式が採用されるようになっています。

□合流式下水道(図3)

雨水を無駄にしていませんか?降雨による雨水と家庭などで出る汚水をひとつの管路で下水処理場まで排除する方式を言います。
【メリット】
汚水管・雨水管を敷設する分流式に比べて、管路1本で済み、ガス管・水道管や他の埋設管の競合も少なくなることから、建設費用が安くなる。雨水が洗い流した路上の汚染物質も下水処理場で 処理できる。
【デメリット】
雨天時に雨水が大量に増えた際に、処理しきれずに海・川に放流され水質汚濁の原因になる。

□分流式下水道(図4)

雨水を無駄にしていませんか?汚水用管路と雨水用管路の2つを埋設し、汚水は下水処理場へ、雨水は川や海に放流する方式を言います。
【メリット】
汚水は雨水と分離して排除されるため、大雨が降った際も海や川への汚水の流出がない。
【デメリット】
汚水管・雨水管の2本必要なため、建設費が高くなる。路上の汚染物質を処理せずに海や川に流出してしまう。

上記のように、せっかく降った雨は、下水道より海や川へと排水されています。先述した横浜の40坪の住宅の例で言いますと、年間118,622(㍑)の雨水が何もせずに排水されていることになります。せっかく降った水資源を何もせずに海や川へ返すのではなく、一人ひとりが少しずつでも活用することで大きな“都市ダム”となり、さらには集中豪雨などで起きる都市型洪水も緩和されることになります。
そこで、家庭で出来る雨水を下水道へ流さない方法を考えて見ましょう。

◆雨水の活用

雨水を下水道へ流さない方法として雨水を溜めて利用する方法と雨水を地中に戻す方法があります。

□溜めて利用

雨水を貯めて利用する方法には、簡単に取り付けられるものとシステム的に考えられた雨水利用があります。その例をご紹介します。
1)据置き型
パナソニック㈱製雨水貯留タンク「レインセラー150」(図5)は、縦樋の横に簡易的に設置でき、デザイン性・そうじのしやすさが特徴の雨水貯留タンク(150㍑)です。
2)埋設型
地中埋設型でシステム的に雨水利用を可能にする高千穂シラス㈱雨水利用システム「みずがめ」(図6)は、貯留タンク1個が1,500㍑と大きく、据置き型の「レインセラー150」10個分の雨水を貯めることが出来ます。貯留タンク最大12個連結(18,000㍑)が可能なため利用可能水量や用途も増やすことが出来ます。

雨水を無駄にしていませんか?

□地中に戻す方法

1)雨水浸透マス
雨水浸透マスは、底と壁面に穴が開いています(図8)。マスの底と周りを砕石で囲んで、土が マスにじかにふれないように設置します。マスに集めた雨水の一部が地中に浸み込むことにより、 地下水の枯渇対策にも繋がります。また、全ての雨水が一度に川に流れ込まないため、都市型洪水の軽減につながると考えられています。

雨水を無駄にしていませんか?

2)透水型舗装材
透水型舗装材は、道路や路面に降った雨を舗装面から浸透させて地中へ還元する機能を持った舗装材です。空隙が多く蓄熱しにくいため、夏場のヒートアイランド現象の抑制や雨水が降った際に水溜りが出来にくく、地中へと雨水を浸透させることで、地下水の枯渇緩和に繋がります。透水型舗装材には、ブロック(図9)やインターロッキング(図10)などの形成品と真砂土やシラスなどを骨材とした材料を、現場で施工するものがあります。図11は、シラスを骨材として利用した高千穂シラス㈱の透水型舗装材「シラストントン」の施工写真になります。

雨水を無駄にしていませんか?
雨水を無駄にしていませんか?

上記のように、雨水を敷地内で処理する方法を考えることで、環境・省エネ・都市型洪水の緩和に寄与することが出来ます。ご自宅で出来る貴重な淡水資源の利用方法を見直してみましょう。

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