ちょっと本格的なDIY講座~住まいの学習館(通信講座)~

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通信講座No.005 「便座が冷たいと思いませんか?」

講座No.005-3 「本格的トイレリフォームのポイント」

前講座では、トイレのヒートショック対策として、自分で温水洗浄便座に交換する方法を説明しました。では、もっと本格的にリフォームをしようと考えたとき、どんなことに注意すればよいでしょうか。

本格的リフォームで最も重要なことは、まず、その住まいで今後どのように暮らしていくかを考えることです。なぜならリフォームは、破損や老朽化などの維持・管理が目的な場合ばかりではなく、家族構成や健康状態などが理由で生活様式が変化した時に生活環境を改善するために必要になる場合もあるからです。
短期・長期の両方でプランを考えてみましょう。そうすることが、無駄やムリのない最適なリフォームへとつながります。例えば、今トイレのリフォームをする必要があっても、近い将来2世代、3世代で住む予定があるのであれば、部分的に取り替えるという発想ではなく、それぞれの世代が住みやすいようにあらかじめ工夫をしておく必要があるでしょう。
また、住まいのお手入れの種類には、障子や襖の張替えのように、比較的短期間で手入れが必要になるものあれば、キッチンや浴室のように、長期間に渡ってリフォームしないものもあります。さらに、使用頻度や状況によってはお手入れ期間が変わることもあります。
トイレは、一度取り替えれば15年や20年使うのが普通でしょう。ましてや、最近のトイレは高性能・高機能の分だけ高価です。だからこそ、今後の暮らし方を考えてコストと手間に無駄のないリフォームを心がけましょう。

そこで、考えたいポイントのひとつは、バリアフリーです。
バリアフリーは、高齢者のためだけではありません。怪我や病気などによって一時的に介添えが必要なときなど、誰にでも起こりえる状況を考えたときにとても大切なことです。居室のように長い時間過ごさないトイレは、普段は狭くても寒くても我慢ができますが、健康状態によっては切実な問題になります。トイレは健康状態に問題があっても高齢になって体が衰えてきても、できるだけ人の手を借りずにひとりで済ませたいと誰しもが思っています。ですから「ひとりで済ませられる」工夫が必要です。トイレの本格的リフォームを計画するときは、将来、介助が必要であるとか、車椅子を使うようになった場合も考えて設備選びや設計をしておくと、二重工事の手間とコストをあらかじめ避けておくことができます。

◆トイレのバリアフリー化のポイント

□便器と便座

からだへの負担が少ない洋式便器の温水洗浄機能付暖房便座にするのが原則です。和風便器から洋風便器へのリフォーム工事に適した製品も各社から発売されています。例えば、図1や図2のように低予算で可能なアタッチメントを使用する製品や、図3のように和風トイレの狭い空間を有効利用できるように設計されたコンパクトな洋風便器などの製品があります。また、手もとのリモコンで洗浄等の操作ができるようにするとよいでしょう。リモコンも高齢者が扱いやすいように大きめなボタンや操作範囲が広くとってあるタイプにするとより使いやすくなります。

「自分でできるリフォームポイント」

□トイレのスペース

介助者が一緒に入ることや車椅子で入ることを想定すると、「便器前1m・便器片側1m」以上とっておくとスムーズです。トイレのスペースを変えなくても、タンクレスの便器に取り替えることで、便器前のスペースが広くなります。また、温水洗浄便座はそでのないものを選べば両サイドの空間が広く使えます。図4、図5はその一例です。また、トイレ単体でそのスペースが取りにくい場合は、洗面脱衣所と一緒のスペースにする方法もあります。このような場合は、浴室のリフォームなどと一緒に計画すると設計がしやすくなります。

「自分でできるリフォームポイント」

□出入り口

開口幅を90cmほど確保しましょう。扉は「引き戸」にするとよいでしょう。引き戸に変更できない場合は必ず「扉は外開き」にします。内開きでは中で事故があった場合、人につかえて開かなくなる恐れが生じるからです。鍵は外からでも開けられるものを選びましょう。また、出入口の段差をなるべくなくすようにしましょう。

□床材

スリッパの履き替えなどをしなくても、気持ちに不潔感や抵抗を生まない材質・色のものを選びましょう。価格的に手ごろなのはクッションフロアですが、傷がつきやすく臭いや汚れが入り込むと取れにくいのが難点です。車椅子を使用することを考えた場合、傷がつきにくい加工が施されたフローリング材を選ぶとよいでしょう。洗面所やトイレにも使用できる酸や水分に強いフローリング材もいろいろ発売されています。便器を取り替えるだけのリフォームの場合でも、床材は一緒に張替えることをお勧めします。尿や結露などが便器と床材の隙間に入りこんで、結構汚れているものです。汚れは臭いの原因にもなりますし、下地まで傷んでいることもあります。後から床材だけリフォームするのは、一度取り付けた便器をはずさなくていけないので、時間とコストの無駄になります。

□手すり

「自分でできるリフォームポイント」車椅子から便器への移乗のために、あるいは慎重に腰をおろしたりと立ち上がるために手すりは必ず必要です。車椅子から便器への移乗には横型が、立ち上がりには縦型の手すりが効果的という視点から、図6のようなL字型の手すりが安全・安心です。今すぐ必要がなくても、将来取り付けできるように下地や便器の位置などを設計しておきましょう。

□空調

トイレは臭いや空気がこもりやすい空間です。さらに、ドアを開け放しておくわけにもいかないので、冬は寒く、夏は暑いという環境になりがちです。ヒートショック対策と空気環境を考慮した設備選びをしましょう。例えば、ヒートショック対策には換気暖房機や室内暖房機能付便座を選び、空気環境のためには芳香剤などに頼らずに済むようタイマー付換気扇や図7、図8のような調湿・消臭効果のある壁材を利用するなどの工夫をするとよいでしょう。

 

「自分でできるリフォームポイント」

□寝室と同一階にトイレを

真夜中に寝ぼけ眼で階下のトイレへ。たとえ階段がバリアフリーになっていても、こんな危険なことはありません。また階下へ行くことの億劫さが、トイレを我慢することにもつながり、健康上も決してよくありません。寝室と同一階にトイレがあるほうがよいでしょう。廊下には、足元灯や常夜灯を設置すれば安全性が増します。できれば寝室とドア一枚隔てた隣にトイレを設ければ、一層快適です。寝室の押入れをリフォームすることでトイレを併設することも可能です。

 

リフォームに際しては、暮らし方にあった方法をいろいろ相談できる業者を選ぶようにしましょう。価格やプランだけではなく、家の中での工事としての気づかいやマナーのある業者を選ぶことも工事中のストレスを軽減するためには大切です。

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