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通信講座No.056 「建具がきつくなっていたり、傾いたりしていませんか?」

講座No.056-1 「建具がきつくなっていたり、傾いたりしていませんか?」

建具がきつくなっていたり、傾いたりの要因としては、建具や枠の傷みと、建物自体からくる不具合があります。建具や枠(戸・ドア)の傷みは、建付けの修理、取替えのいずれかとなり、建物自体が原因の場合は不同沈下による場合も考えられます。建物が沈んでいる、曲がっている等といった事になるとびっくりしますが、ほとんどの家は多少なりと曲がったり、沈んだりしているものです。
では、まずは建具がきつくなった場合の対処方法を考えてみましょう。

◆建具の調整方法

□きつくなる要因

1)木材を原料とする木質材料(無垢材、合板、MDFなど)を加工して作られた内装ドアは、空気中の水分を吸放出することにより、伸縮する特性を持ち合わせています。そのために室内の温度、湿度などの環境条件の変化に応じて発生するもので自然現象といえます。ドアの反りなどもそのひとつです。
2)柱、床、枠など木材を使用している場合、上記と同じ現象が起こり得ます。特に梅雨の時期など木材の伸縮が起きやすく、ドアの開閉の際に床や枠をこする現象が見られます。
3)ドアの場合、丁板(蝶板)などの取り付けネジの緩みなども考えられます。
4)引き戸の場合、レールやローラーの破損なども考えられます。

□ドアの調整方法(ガタツキ、床のこすり等)

ドアの種類や取り付け金具により調整方法は違いますが、一般的なものをご紹介します。
1)丁番の取り付け部分のネジ(図1)が緩んでいる可能性がありますので、ネジを締め直します。(丁板は1つのドアに2~3個付いています)【注意】丁板のネジが左右で数が違う場合、調整機能がついた丁板のため、固定ネジを締めます。

建具がきつくなっていたり、傾いたりしていませんか?

2) ネジを締め直して直らない場合は、ドアのどこが当たっているか(こすっているか)、上下、左右を調べます。
3)上下の調整の場合(図2)は、丁板の中心部のキャップを取り除き、ネジを左右に回して調整しますが、現状のネジの位置を覚えておき、左右どちらかに回しては、ドアの開閉確認を行いながら調整をします。
4)左右の調整の場合(図3)、調整ネジが付いている固定ネジを緩め、調整ネジを前後に回しながら調整します。現状のネジの位置を覚えておき、左右どちらかに回しては、ドアの開閉確認を行いながら調整をします。

建具がきつくなっていたり、傾いたりしていませんか?

□引き戸の調整方法

1)レールやローラーの破損を確認するため、引き戸を外します。引き戸の中心を持ち、上に持ち上げ手前に引き寄せると引き戸が外れます。
2)ホコリ等の汚れにより動きが悪くなることもありますので、雑巾等で拭き掃除を行います。
3)レールの変形やローラー(滑車)の破損の場合は交換の必要があるため、工務店等専門業者へお願いする必要があります。
4)引き戸を閉めた際の隙間や壁、引き戸同士がこする場合、調整ネジが付いている引き戸であれば、ネジ部を調整することで改善されます。

ドアが枠に当たったり、床をこすったりしている原因には、不同沈下や傾斜が起きている可能性があります。その症状を確認してみましょう。

◆不同沈下や傾斜による建物の症状

□外部

1)外壁に大きな亀裂が同じ方向に多く発生している。
2)基礎のコンクリートに亀裂が発生している。
3)建物周辺の土間コンクリートに亀裂や段差が発生している。
4)塀に亀裂が入っている。

□内部

1)建具を閉めた状態でも、上・下部に隙間が出来る。
2)建具の開閉がスムーズにいかない。
3)内壁に亀裂が入っている。
4)室内のクロスに裂け目やよじれが出ている。
思い当たるところはありましたか。毎日の生活において、床の傾斜は人体にもよくありません。 では、建物の傾斜によって引き起こる健康障害について調べてみましょう。

◆建物の傾斜による健康障害

地盤沈下などで住宅が傾くと(図4)、戸の開け閉めの不具合、隙間風の発生、傾斜による物の転がりといった、障害だけでなく、めまいや吐き気などの健康障害が生じることがあります。また、床の傾きだけでなく、柱や壁の傾き、窓や窓の外に見える景色の傾きなどの視覚的刺激からも生理的、精神的影響があります。そして、長期間居住することで感覚の麻痺が生じ、自覚症状が消えることがあります。これらの健康障害には個人差があります。

建具がきつくなっていたり、傾いたりしていませんか?

この傾きについて、簡易的に調べる方法がありますのでご紹介します。

◆壁や床の傾きの調べ方

床・壁などの傾きは、3/1000が目安になります。3/1000とは、1メートルで3mmの誤差のことです。先で述べました6/1000以上誤差がある場合は、不同沈下や建物に問題がある可能性があります。

□壁の傾きの調べ方(図5)

建具がきつくなっていたり、傾いたりしていませんか?【用意する物】
5円玉(又は50円玉)、糸、セロテープ、スケール(又は、ものさし等)、スポンジ
1)糸に5円玉を巻き付け、約2mの長さものを作ります。
2)床より2m以上のところの壁に、セロテープで糸を貼り付けます。
3)スポンジを壁と糸の間にセットし、壁と糸との間の寸法を測ります(上)。下の5円玉付近の壁と糸との間の寸法を測りま す(下)。
4)上・下の寸法差がどれだけあるかを確かめます。
例えば、3/1000を基準とした場合、長さが2m(2,000mm)とすると、傾き6mmまでは問題がないと考えてよいでしょう。

□床の傾きの調べ方(図6)

【用意する物】
透明なホース(測りたい長さ+1m)、テープ、ペン、水、スケール
1)透明なホースに途中、空気が入らないように水を入れ、水がこぼれない用にします。
2)壁にテープで固定し、床面まで垂直におろし、そのまま、反対側の壁まで床にホースを渡し、もう一方のホースの先端も同様に反対側の壁に固定します。
3)透明なホースの中の水位を床面より図ります。同様に反対側のホースの中の水位を床面より図ります。
4)左側のホースと右側のホースの水位の寸法差がどれだけあるかを確かめます。

建具がきつくなっていたり、傾いたりしていませんか?

例えば、3/1000を基準とした場合、床の長さが3m(3,000mm)とすると、傾き9mmまでは問題がないと考えてよいでしょう。
傾きが3/1000以内であっても室内ドアなど、枠や床に当たりこすって開きが悪い事があります。その場合は、先で述べました「建具の調整方法」を参考にしてください。
それでは、不同沈下による傾斜住宅の補修方法にはどんなものがあるのでしょう。

◆沈下修正と傾斜住宅の補修方法

現場の状況により補修方法が変わります。専門家と良く打合せが必要となります。

□硬質ウレタン注入工法

床下に潜り込み、基礎下にウレタン樹脂を注入しその発泡圧力で基礎を押し上げ傾斜した住宅を基礎ごと元に戻します。

□グラウト注入工法

床下に潜り込み、セメント系液薬を家屋下に注入し、注入量と注入圧により傾斜した住宅を基礎ごと元に戻します。

□アンダービニング工法(ジャッキアップ)

家の基礎下の土を掘り起こし、家の荷重とジャッキーの力を利用し、地盤に杭を打ち込んで支持させ傾斜した住宅を基礎ごと元に戻します。

□耐圧盤工法(ジャッキアップ)

家の基礎下の土を掘り起こし固定ベースジャッキを設置し、ジャッキーで修正後、地盤との隙間に無収縮グラントを圧入し傾斜した住宅を基礎ごと元に戻します。

□プッシュアップ工法(あげ舞い工法)

土台よりジャッキアップし、あげ舞い後、隙間を無収縮モルタルにて閉塞します。

建物が不同沈下していると、先で述べたように健康障害が発症したり、水道管、ガス管、排水パイプ等にも弊害が出て危険な場合もあります。また、地震の時に隣家等に家が傾き、事故に繋がる事も考えられます。気になる方は、工務店等による調査を考えてみるとよいでしょう。

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