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通信講座No.059 「瓦葺き屋根で地震のときにコワイと感じた事はありませんか?」

講座No.059-1 「瓦葺き屋根で地震のときにコワイと感じた事はありませんか?」

瓦葺き屋根で地震のときにコワイと感じた事はありませんか?屋根の中では瓦葺きが一番重く、地震の揺れで瓦自体が外れて落ちる危険があり、台風や地震には一番弱いものでした。しかし、現在では「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」が設けられその心配も少なくなりました。但し、瓦葺きの方法には大きく分けて土葺(つちふき)と引掛葺き(ひっかけぶき)があり、いまでも土葺で施工し、瓦が固定されていないものがあります。特に昭和56年6月以前に建てられた住宅では、家全体の耐震性が不足している事があるため、瓦が固定されていないと地震などにより瓦が落下する危険性があります。図1は国が定めた「建築物の耐震改修の促進に関する法律(耐震改修促進法)」に基づき、住宅の耐震化率を平成15年の75%から27年までには少なくとも90%とする目標を定めた住宅の耐震化進捗状況を表したものです。平成20年時点の耐震化率は約79%で、耐震性なし住宅が、約1050万戸残っています。

それでは地震による建物の危険性と予防について調べてみましょう。

◆建物の危険性と地震予防

□地震による建物の倒壊

瓦葺き屋根で地震のときにコワイと感じた事はありませんか?平成7年の阪神淡路大震災では多大な人命が奪われました。死亡要因の内訳は、地震による直接死が85.6%、残る14.4%が関連死(例:震災によるストレスが原因での死亡)によるものでした。また、直接死の要因は、平成7年の「神戸市内における検死統計」(兵庫県監察医)によると、その83.3%が建物倒壊等による死亡でした(図2)。

□昭和56年以前の建物は要注意

阪神淡路大震災で倒壊した建物は全半壊合せ約25万戸で、その多くは、昭和56年6月以前に建てられたものでした。昭和56年6月に建築基準法の耐震基準が大幅に強化されており、それ以前の建物は耐震性が不足している可能性が高いため注意が必要です。

□昭和56年以前の建物は要注意

地震による地表での揺れの強さは、主に、「地震の規模(マグニチュード)」、「震源からの距離」、「表層地盤」の3つによって異なります。一般には、マグニチュードが大きいほど、また、震源から近いほど地震による揺れは大きくなります。しかし、マグニチュードや震源からの距離が同じであっても、表層地盤の違いによって揺れの強さは大きく異なり、表層地盤がやわらかい場所では、かたい場所に比べて揺れは大きくなります(図3)。図4は、内閣府の「地盤のゆれやすさ全国マップ」の都道府県別マップです。(参照:「地盤のゆれやすさ全国マップ」は、内閣府防災情報ページで調べることが出来ます。)

瓦葺き屋根で地震のときにコワイと感じた事はありませんか?

□耐震診断について

建物の地震に対する耐震性は、建築年時や地盤の良し悪しだけで決まるものではありません。建築当初の設計やその後の劣化状況など様々な要因を総合的に勘案して判断する必要があります。それを行うのが「耐震診断」です。耐震診断は、専門家に依頼することが大切なため、信頼できる工務店等へご相談ください。(参考:地方自治体によっては専門家の登録制を設け、公表しているところもあります。)
1)基礎の補強
玉石に束立てしただけの柱は、鉄筋コンクリート造の布基礎とし、アンカーボルトで土台と一体にします。また、礎の底盤の幅が不足していたり、基礎に鉄筋が入っていない場合には、基礎を増し打ちするなどし、既存のコンクリート造布基礎を補強します(図5)。
2)接合部の補強
土台、柱、筋かい、はりなどの接合部は専用のアンカーボルト、ホールダウン金物、羽子板ボルトによる引き止め、筋かいプレート、ひら金物とT型もしくはV型金物等を使って、それぞれの部材が一体となるよう緊結します(図5)。
3)筋かいや構造用合板を張って強い壁(耐力壁)等で補強
柱、はりだけでは地震の力に抵抗できません。開口部(ガラス戸等)を減らし、筋かいや構造用合板で補強された壁を釣合いよく増やします。また、隅部を壁にすると一層効果的となります(図5)。

瓦葺き屋根で地震のときにコワイと感じた事はありませんか?

4)屋根の軽量化
瓦葺き屋根で地震のときにコワイと感じた事はありませんか?屋根が重いと家の重心が高くなるため、振れ幅は大きくなり、さらに振り子の原理で元に戻ろうとする力も加わるため、建物に大きな負担がかかります。屋根を軽くすることによって建物に作用する地震の力が減り大地震時に壊れにくくなります(図6)。

上記のように、耐震改修にはいろいろな方法がありますが、その中の屋根の軽量化について調べてみましょう。

◆屋根の軽量化について

屋根の種類により重量が違います。その違いを調べてみましょう。

□屋根の種類と重さ

瓦葺き屋根で地震のときにコワイと感じた事はありませんか?図7は屋根材を種類別に1㎡当りの重量を表したものです。ご覧の通り粘土系(瓦)は重いことがわかります。例えば100㎡の屋根で、いぶし瓦の場合100㎡×50㎏/㎡=5,000㎏になり、石粒付ガルバリウム場合100㎡×7㎏/㎡=700㎏となります。いぶし瓦から石粒付ガルバリウムへ変更することで、4,300㎏の減量となります。図8は、屋根の重量による建物の重心の違いを表したものです。重たい屋根から軽い屋根へ換えることで重心が低くなり、建物全体が安定することで倒壊予防につながります。

それでは、屋根を軽くする屋根材を調べてみましょう。

□メーカー別軽量屋根材

1)ケイミュー株式会社 ROOGA ルーガ[雅]、ルーガ[鉄平] *㎡当たりの重量約19.3㎏ 樹脂混入繊維補強軽量セメント瓦で、従来の瓦と変わらない厚さ25mmにも拘わらず重量は半分以下の瓦材です。強い衝撃が加わった際にも、素材そのものがたわんで衝撃や荷重を吸収するので割れにくく、たとえ欠けても破片の飛び散りを防ぐ性質を有しています。また、無機系塗膜の使用により、色あせの原因となる紫外線から色、光沢を守る性質も有しています。

瓦葺き屋根で地震のときにコワイと感じた事はありませんか?

2)LIXIL T・ルーフ「クラシック」、T・ルーフ「シェイク」 *㎡当たりの重量約7㎏
1㎡当たりの重量が約7kgと極めて軽く、基材として長期間の耐腐食性に優れたガルバリウム鋼板が使われています。この鋼板は、55%溶融アルミと亜鉛の合金メッキ鋼板で、アルミの耐食性と亜鉛の防食作用により耐久性・耐食性に優れ、亜鉛メッキ鋼板(通称トタン板)の3~6倍の耐久性が見込まれます。また、表面天然石チップの吹き付けにより長期間にわたり塗り替えの必要がありません。(図10)。

瓦葺き屋根で地震のときにコワイと感じた事はありませんか?
瓦葺き屋根で地震のときにコワイと感じた事はありませんか?

瓦葺き屋根で、地震のときにコワイと感じたことのある方は、信頼できる工務店やリフォーム業者等に、耐震診断や屋根の葺き替えの相談をしましょう。

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