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通信講座No.066 「床クッションシートが傷んでいませんか?」

講座No.066-1 「床クッションシートが傷んでいませんか?」

床クッションシートは、一般的にCFまたはクッションフロアといわれる発泡塩化ビニル製の床材です。トイレや洗面・脱衣室、キッチンなど、水周りによく使われています。このような場所は、水濡れを気にするあまり木製の床を敬遠して、クッションフロアを選ばれる方が多いようです。
しかし、水周りは湿気の多い場所ですので、ビニル製の床材では通気が悪く、床下周り(根太や下地など)に良いとはいえません。また、決して肌触りがよい素材とはいえません。特に、洗面・脱衣所などは素足で使うところですから、清潔で気持ちよく使える床材を選びたいものです。

正しく床材を選ぶには、まずは我が家の床の構造や工法を理解することが大切です。クッションフロアの下がどうなっているのかをきちんと知ることで、より適切な床材選びに役立ちます。

◆床の構造

床クッションシートが傷んでいませんか?

図1は、布基礎の1階床の構造です。束石→床束→大引き→根太→床材の順に組み上げられます。 束は大引(おおびき)を地面に対して支えている構造材です。大引は、根太(ねだ)を受ける90~120mm程度の角材で、約90cm間隔に配されます。根太は、床板を直接支える為に約30cm間隔(303mm=1尺ピッチ)で大引、または梁の直交方向に渡される角材です。一般的には、45mm×60mmの角材が使用されています。根太は床材を打ち付ける下地となり、一般的に住宅用の木質床材は、根太の上に釘、接着剤併用で施工されます。

◆工法

床を張る工事には、さまざまな工法があります。クッションフロアが使われる床の場合、木造住宅では、下張り(捨て張り)工法が一般的です。また、マンションでは、二重床工法(根太床工法・置き床工法、浮き床工法)、と直床工法があります。

□下張り(捨て張り)工法(図2)床クッションシートが傷んでいませんか?

一度根太に12~15㎜程度合板や杉板などの無垢板を下地として捨て張りしてから、その上に仕上げ材を施工する方法です。図1の根太張り工法よりも床の剛性は高まり、床鳴りも少なく、強度、耐久性共に高まります。

□直床工法(図3)床クッションシートが傷んでいませんか?

主にコンクリート床(スラブ)上に接着剤により直張りで仕上げ材を施工する方法です。マンション等集合住宅の防音フローリングの施工方法として普及しています。下地が平面で、強度を有する場合でないと用いません。一般的には直貼り専用のフローリング材が仕上げ材として使われます。

□二重床工法

マンションなどの遮音性を高めるために、コンクリート床(スラブ)の上に直接カーペットやフローリング材を張るのではなく、間に緩衝材を入れて床板を二重にしたものです。

1) 根太床工法
コンクリート床(スラブ)の上に根太を渡し、その上に床材を張る工法です。直床工法に比べると軽量衝撃音に対しては多少の遮音性があります。なお、根太床工法は地震によって歪みが生じやすいという指摘もあり、根太の代わりに構造用合板を用いた根太レス工法(剛床工法)などもあります。

2) 置き床工法(図4)床クッションシートが傷んでいませんか?
主にコンクリート床(スラブ)の上にパーティクルボードなどのベースとなるパネルと、それを支える防振ゴムの付いた支持ボルトなどの支持脚によって床下を構成し、その上に仕上げ材を施工する方法です。支持脚は高さ調整が可能で、段差が解消できます。直床工法より防音性において優れているとされています。

3) 浮床工法
断熱材を敷いた上にモルタルなどを打って、床材乗せる施工方法です。最も遮音性が高いといわれていますが、建築コストも高くなります。一般的にはコンクリート床(スラブ)とフローリング材の間に、グラスウールやロックウールなどの緩衝材を入れる工法を指します。

リフォームする場合、新しく選んだ床材と既存の床の構造・工法によって、クッションフロアを撤去した後の処理の仕方が変わります。見積りを依頼する際に、どのような処置をして床材を張り直すのか確認するようにしましょう。

では、水周りにも使える床材にはどんなものがあるか整理してみましょう。

◆主な床材の種類と特徴

□木質フローリング

現在、住宅床材の主流なのが木質フローリングです。木質フローリングは、複合(複層)フローリングと無垢材(単層フローリング)に分けられます。いずれも自然素材の質感が得られ、素材や色が豊富なので選びやすい床材と言えるでしょう。複合(複層)フローリングは、基材である合板に薄い天然木の表面材を張ったもの。一般的に表面材の厚みが厚くなるほど価格は高く、無垢材(単層フローリング)の方が複合(複層)フローリングよりも高価です。

1) 複合(複層)フローリング (図5~図6)
広く普及している複合(複層)フローリングは、数層の下地合板(基材)の表面に天然木の単板や突き板を張ったものです。削られた天然木の厚さ0.3ミリ程度から1ミリ程度(突き板)が一般的ですが、2~3ミリ程度(単板)の高級品もあります。合板と合わせて12~15ミリというのが一般的です。薄い突き板でも、塗装等の加工によって 強度は確保されています。最近は、合板と突き板の間に特殊な繊維板を挟むなどして強度を高めたものあります。無垢材と比較すると狂いが少なく、施工・メンテナンス・取り扱いも無垢材に比べると容易で、色味や耐水性や傷への強さ、遮音性など機能の付加、価格帯のバリエーションが豊かということもあり、複合フローリングが木質床材の9割以上を占めているともいわれています。但し、表層を越える傷が付いた場合、見た目が極端に悪くなります。
各メーカーから、水濡れに強い機能性をうたった複合フローリング材が発売されていますので、予算やお好みの樹種(色、柄)に合わせて選ぶことができます。 床クッションシートが傷んでいませんか?

2)無垢板(単層フローリング)(図7)
床クッションシートが傷んでいませんか? 天然木をそのまま加工したいわゆる無垢材のことで、床材の全てが1枚の木から構成されています。最近では、輸入品も多く出回っており、素材的にも価格的にもバリエーションが増えてきています。一般的に複合(複層)フローリングに比べて高価で、一枚一枚張っていくため施工に手間がかかりますが、本物ならではの良さは格別です。自然素材の肌触り、本物の木の香り、経年変化による深い趣などは、複合フローリングにはない魅力ですし、化学合成物質ではなく自然に備わった樹種ごとの特徴は、私たちの生活にも役立つ力をたくさん備えています。さらに、最近の研究では、無垢材が及ぼす健康への良い影響もいろいろわかってきています。財団法人日本木材総合情報センターによれば、目を閉じた状態で、木材6種類(ヒノキ、キリ、ナラ、それぞれを鋸で切った面と鉋で削った面2種ずつ)と、ガラス、金属、ビニール、紙やすり、ゴザ、人工芝、タワシ、タオル、綿の合計15種類の素材に触らせ、血圧や脳波の生理応答測定と官能評価による印象の調査を行ったところ、図8が示すように木材に触ると血圧が低下することが分かりました。官能評価で不快であると評価されていたガラスへの接触は血圧の上昇を起こしていました。

床クッションシートが傷んでいませんか?

床クッションシートが傷んでいませんか?確かに、複層フローリングに比べれば、無垢板は手入れや手間に気をつけなければならないこともありますが、自然素材の安全性や肌触りは複合フローリングでは味わうことができないものです。また、適宜に図9のような自然素材のオイルワックスやオイル塗料などで処理しておけば、素肌でも安心ですし、汚れにくく水はじきもよくなります。参考までに、水周りに適しているといわれる主な樹種と特徴は下記のとおりです。

床クッションシートが傷んでいませんか?

□コルク床クッションシートが傷んでいませんか?

コルク樫の皮が原料のコルクは、ナチュラル色からダークな色合いまでカラーバリエーションも豊富で、適度なクッション性と遮音性、保温性もあります。通常は3~5ミリぐらいの厚さものが用いられています。最近は施工しやすいフローリングタイプや床暖房に適応した商品、洗面・脱衣室用なども発売されています。

□その他の天然素材

竹や籐などは、サラッとした肌触り、サイザル麻やココヤシなどの天然繊維を織りあげたものは、ざくっとした風合いが魅力で、湿気の多いサニタリーなど、水まわりに人気があるようです。

表面が塩化ビニルによく似ているので、間違われることが多いのがリノリウムです(図11)。確かに、見た目は良く似ていますが、原材料は植物をはじめとする天然素材から作られた全く別のものです。天然の抗菌性、耐久性に優れ、耐水性も高い床材です。その優れた機能性から、世界中でエコマークを取得し、医療施設や教育施設で採用されています。

床クッションシートが傷んでいませんか?

水周りの床のリフォームの際に、一考する価値があるのが床暖房です。水周りは、住まいの北側に位置することが多く、また暖房設備の備わっていないのが一般的です。そのため、冬場の温熱環境は他の居室よりも悪く、ヒートショックによる事故などの発生は、トイレや浴室、洗面・脱衣室などで多く見られます。床暖房は、部屋全体をほとんど一定に均一な暖かさを保つことができるうえに、清潔な室内環境を保つことができることでも、水周りにも適した設備といえます。
床暖房が部屋全体を均一に暖かくできるのは、輻射熱を利用しているからです。この輻射熱は人体にあたっても暖かく感じさせますが、同時に部屋の中の壁や天井、家具などにも吸収され、それらが再び放射され、室内の空気を暖めます。普通、天井の高い部屋を暖房した場合、暖かい空気は天井近くに溜まり、床に近い部分は暖かくなりません。しかし、輻射熱を利用する床暖房の場合、床面を加熱してその床表面から放射される輻射熱によって床面付近の快適さはもちろん部屋全体を快適な温度に暖めます。ホットカーペットと誤解する人も時々いるようですが、全く違うものです。木質フローリングだけでなく、コルクや畳などさまざまな素材でも可能です。(但し、それぞれの対応商品を使用する必要があります。)
リフォームで使われる主な床暖房、温水式と電気ヒーター式の特徴は下記のとおりです。

◆温水式

温水式はボイラーで沸かしたお湯を床下のパイプに循環させて暖房する仕組みです。お湯を沸かす熱源はガス、電気、灯油などが使われます。最近では、大気熱利用の電気で給湯を行うエコキュートにも床暖房対応の機種がでてきています。

◆電気ヒーター式

電気ヒーター式は、ヒーターと一体化した木質床材(フローリングなど)を貼るか、ヒーターを内蔵したパネルを床下に埋設して電気を通し、その上にフローリング材やカーペットなどの床材を貼る方法などがあります。深夜電力を利用して床下の蓄熱材に熱を蓄えるタイプもあり、割安な夜間の電力を利用することができるのがメリットです。

温水式にも電気ヒーター式にも熱源機やヒーターの種類によってさらに種類がわかれ、特徴も違います。詳しくは通信講座No.008-3「本格的床リフォームのポイント」をご参照ください。

傷んだ床のクッションシート(クッションフロア)を交換するだけではなく、床の構造・工法にあった良い床材を選ぶことで、より快適で健康的な住まいづくりが可能になります。たかが床材と考えず、信頼のおけるリフォーム業者や工務店に相談することをお勧めいたします。

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