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通信講座No.006 「浴室のシャワーの出はどうですか?」

講座No.006-3 「本格的シャワーリフォームのポイント」

これまで、シャワーの出が悪くなった場合の簡単なお手入れ方法と自分で出来るリフォームについて説明しました。しかし、前講座でも記したように、シャワーの水の出が悪い原因が給湯器にある場合も少なくありません。そうなると自分で交換するわけにはいきません。契約しているガス会社や総合リフォーム会社に相談して、部品交換にするか新しいものに交換するか決めなくてはなりません。

その際、よく相談する必要があるポイントは、次の3つです。
(1)水圧に問題がないか
給水そのものの水圧が低いと、給湯器を取り替えただけでは完全に改善されません。給湯器は低水圧・高水圧の条件下では、使用性が悪くなる場合があるからです。推奨水圧147~490kPa(1.5~5kgf/cm2)の範囲内とされています。水圧に問題がある場合は、給湯配管の劣化も原因になっている場合もあります。傷み具合を見て、給湯器と一緒に交換することをお勧めします。もとから水圧に問題であれば、加圧ポンプを設置するなどの方法で改善されますが、戸建てか集合住宅かで対処方法も違ってきます。信頼のできる総合リフォーム会社に相談して、問題点とその改善方法を提案してもらうようにしましょう。
(2)設置場所に問題がないか
給湯器からの距離や他の設備(例えば、手前にキッチンがあるなど)との配置関係もシャワーの水の出に関係します。適切な設置場所は、使用状況や生活スタイルにもよりますのが、建物の状況によっては変更できない場合もあります。今まで水の出が気になったのはどんな時なのかを整理して、リフォーム会社に伝えることがより良い設置場所を決めるのに役立ちます。
(3)給湯器の能力が適切か
家族の生活スタイルの変化によって使用状況も変わり、給湯器の能力が適切でなくなることはよくあります。例えば、家族が増えたり、朝の出勤や登校前の時間帯が変わって、使用状況が重なるようになったりなどは、給湯器の能力が足りなくなる原因としてよくあることです。生活スタイルの改善や工夫も考えながら、それぞれの暮らしにあった給湯器を選ぶようにしましょう。

そこで、まず給湯器の概要について説明します。

◆給湯器の種類

さまざまな種類がありますが、ここでは燃料による種類と機能による種類に分けて説明します。

□燃料による種類

一般的なのは、石油式、ガス式(LPガス及び都市ガス)、電気式などです。他には環境にやさしく経済的な太陽熱を利用した給湯システムもあります。

□機能による種類

主に3種類あります。
1) 給湯器
給湯専用です。1台で家中の給湯ができます。浴槽にお湯をためることもできますが、追い炊きはできません。したがって、お湯が冷めたら熱いお湯を足して温度を高くします。お風呂の湯量を設定し、お湯はりが終了すると自動で止水するタイプもあります。
2) 風呂釜タイプ
浴槽に水をはり、それを沸かすタイプです。お湯が冷めた場合は追い炊きができ、前日の残り湯を沸かし直すこともできます。シャワーがついたタイプもあります。
3) 風呂給湯器
最近では、一般家庭でもっとも多く使用されているタイプです。家中の給湯と風呂釜の機能を持っていて、種類も機能も最も充実しています。ターボ機能で最大出湯量を増やし、給湯能力がアップするものや、ユニットバスと組み合わせることで、浴槽洗浄まで行うものもあります。また、リモコンの機能も進化しています。例えば、エコポイントを表示するものや、通話機能がついているものもあり、小さなお子さんや高齢者が同居されているご家族には特に好評のようです。
下の表は、ガス風呂給湯器の代表的な機能です。

「自分でできるリフォーム」

◆給湯器の号数について

給湯器の能力は号数で表し、13号~50号以上まであります。家庭で一般的に使用されているのは、16号~24号型です。

□1号= 水温+25℃の能力

給湯機の1号とは、一般的に1Lの水を25℃熱上昇させるための能力値を言います。(25キロカロリー/分消費)例えば、『24号』の場合だと水温+25度の水を1分間に24リットル供給できる能力を表します。つまり、水温が15度だとした場合、適温と呼ばれている40度(15度+25度)のお湯を使う際、1分間に24リットル供給できるという性能を指し示しています。

□号数による能力の違い

例えば16号と24号ではどれくらいの能力が違うかというと、答えは単純に1.5倍です。
最近の住宅は4ケ所給湯(キッチン、洗面所、お風呂、洗濯機の4箇所のこと)が増えていますので、号数も24号が主流になっているようです。このサイズだとキッチンとお風呂で同時にお湯を使っても、お湯が水になってしまう心配がないので安心して使えます。給湯器の能力が不足すると、温度の立ち上がりや水圧が落ちてきます。

次に、自分の家に適した給湯器の号数を決めるために、一般的に何にどのくらいの水量が必要なのか知っておくとよいでしょう。

◆給湯器の必要能力

□家庭での一般使用時水量

外気温・水道の水圧によっても能力は変わりますので、あくまでも参考にしてください。

「自分でできるリフォーム」

□使用状況から算出

図1はガス給湯器メーカーのノーリツが提供している資料の一部です。給湯器交換の際、参考にしてください。

「自分でできるリフォーム」

図1の資料以外にも、上記の一般使用量から自分で算出してみるのもよいでしょう。
既に説明したように1Lの水を25度熱上昇させる能力値が1号であることを元に算出します。なお、基本的に給湯機の設置は、冬場の一番厳しい条件での快適な使用を前提にして行います。ここでは、水温8度の設定で計算してみます。

1) 浴槽またはシャワーを42度で出湯するときの必要号数
  10L*(42-8)=340kcal/分÷25kcal/分=13.6号
2) 洗面所で40度の出湯するときの必要号数
8L*(40-8)=256kcal/分÷25kcal/分=10.2号
3)キッチンで40度の出湯するときの必要号数
6L*(40-8)=192kcal/分÷25kcal/分=7.7号
結果、1)2)3)を同時に使用する時に必要な能力は、31.5号となります。したがって、24号ですとシャワーと洗面所、シャワーとキッチンの使用では問題がありませんが、3箇所同時の使用では計算上能力不足となります。16号では、2箇所同時使用で能力不足となります。
家族の人数や生活スタイルによって使用状況が重なる頻度や時間がちがいますので、シャワーの水の出が問題になっている状況をよく思い返して、適合号数を算出するとよいでしょう。

◆その他の機能

最近は、給湯器も省エネやエコに配慮した製品が主流になってきました。高効率化でガス消費量が以前のものに比べればかなり削減され、都市ガスで年間約13,000円もお得なうえに、CO2排出量も削減できるもの、NOx(窒素酸化物)の排出量を抑えたバーナーを搭載したもの、リモコンの待機電力を抑えたもの、さらには、燃焼ガスからさらに熱を回収し効率のよい熱交換システムができるもの(潜熱回収型)、床暖房やルームヒーターと組み合わせ可能なものなど、その機能や便利さは10年前とは比べものにならないくらいです。

図2を見てわかるように、家庭で使うエネルギーの4分の1以上が給湯に使われています。また、図3からわかるように家庭で使用する電力の4分の1がエアコンによるものです。家庭でできる省エネやエコのポイントはここにあるといっても過言ではありません。給湯器交換の際は、たかが給湯器と考えずに、便利さや快適さについてだけではなく、省エネやエコにも着目して機種選びを行うことをお勧めします。
参考までに、テレビのCMなどでも話題の省エネでエコな3種類の給湯システムについて説明します。

「自分でできるリフォーム」

◆エコキュート

自然冷媒ヒートポンプ給湯器のことです。これは、自然冷媒(CO2)を用いた熱交換式の電気給湯器で、気体を圧縮したときに発生する高熱をタンク内の水に移し、その気体を膨張させたときの冷気を使って、大気温まで戻すことで熱エネルギーを取り出すシステムです。大気の熱を移動する仕組みのため、温暖地であればあるほど効率がよいといわれています。また、CO2排出抑制の切り札として注目されています。

□主なメリット

・電熱ヒーターを使う電気温水器よりランニングコストが安い。
・導入補助金制度がある。(2010年現在)
・温水床暖房や浴室暖房乾燥もできる多機能型もある。

□デメリット

・貯湯タンクの他にヒートポンプユニットの設置場所が必要。
・冷媒にCO2を使用しているため、ヒートポンプの現場修理が不可能。
・湯沸かし時にヒートポンプユニットから、運転音がする。(約38db~40db)
・寒冷地向きではない。
・イニシャルコストが高い。
・ヒートポンプユニットの寿命は約10年といわれている。

◆エコジョーズ

潜熱回収型ガス給湯器のことです。従来のガス給湯器の熱効率より20%も高い95%を実現させています。従来品では、ロスとなっていた排気の潜熱を、二次熱交換器を使ってある程度暖めてから、バーナー上部の熱交換器で加熱するしくみです。

□主なメリット

・毎年、国や地方自治体から導入補助が下りる時期がある。(2010年現在)
・効率が高まる分、ガス使用量が減り、CO2排出削減と省エネのダブル効果。

□デメリット

・エアコンのように燃焼時にでる排水のために、ドレン水処理(ドレン配管工事)必要。
・周辺の金属を変色させる可能性がある。
・湯沸し時に運転音がする。(約47db~52db)

◆コージェネレーションシステム(図4)

「自分でできるリフォーム」コージェネレーションシステム(CGS)とは、燃料を用いて発電するとともに、その際に発生する排熱を冷暖房や給湯、蒸気などの用途に有効利用する省エネルギーシステムです。1つの一次エネルギーから2つ以上のエネルギーを発生させることから、「co(共同の)generation(発生)」という名称になりました。コージェネレーションシステムには、原動機(ガスエンジン・タービンやディーゼルエンジン)を駆動して発電させ、同時に排熱を利用するシステムと、水素と酸素を科学的に反応させて電気を発生させるとともに、排熱を利用する燃料電池があります。
CMで知られている「エコウィル」や「エネファーム」は、このコージェネレーションシステムのひとつです。

□エコウィル

家庭用ガスエンジンコージェネレーションのことです。ガスで発電し、そのとき出る熱でお湯をつくり、暖房もできるシステムです。1kWの発電をするときに、同時に2.8kWの熱ができ、それを有効利用することで、省エネを実現しています。太陽光発電とのW発電にも対応可能です。
さらに、エコウィルを使用した一般的な家庭のCO2排出量を従来のシステムでまかなった場合と比較すると、約32%の削減となります。一次エネルギー消費量も約21%削減できます。
それぞれの家庭の電気、給湯、お湯はりなどの使用状況を自ら学習して、最も省エネとなる時間に、自動的に発電を行う学習機能も搭載されています。

□エネファーム

家庭用燃料電池コージェネレーションシステムのことです。燃料電池は、「水の電気分解」と逆の原理で発電し、燃料電池ユニットと貯湯ユニットの二つのユニットで構成されます。
燃料電池ユニットでは、都市ガスから水素を取り出し、空気中の酸素と反応させることで発電。その時に発生する熱を利用して同時にお湯を作ります。作られた電気は家のどこでも使うことができます。
貯湯ユニットでは燃料電池ユニットで作ったお湯を貯めておきます。60度で200リットル貯めておきますので(40度にすると360リットルの給湯能力)ご家庭でのほとんどの給湯需要をまかなうことができます。バックアップ熱源機はお湯が足りなくなったときや、お風呂の追いだき・暖房時に稼動します。エネルギー効率を十分に発揮する機能として、学習システムが搭載されています。太陽光発電とのW発電にも対応可能です。
エネルギーを電気とお湯に無駄なく利用するため、従来のシステムに比べて一次エネルギー消費量を約33%削減、二酸化炭素(CO2)排出量を約45%削減することが可能です。エネファームを使用した一般的な家庭のCO2排出量を従来のシステムでまかなった場合と比較すると、その差は約1.5トン/年間にもなります。残念ながらまだまだ高額なため、普及にはもう少し時間がかかると思われますが、まさに次世代のエネルギーシステムといえます。

このように現在の給湯器は、単なる給湯器に留まらず、家庭のエネルギー消費を大きく変えてしまうほどの重要なシステムとなっています。将来的に、浴室やキッチンのリフォーム、床暖房を入れたいなどの大きなリフォームの予定があるのであれば、その点も視野に入れた機種選びをするとよいでしょう。現在の給湯器の寿命は約10年前後といわれています。大型リフォームの予定がそれ以上先のことなのか、2~3年後のことなのかによっては選ぶ機種も変わってきます。これからの住まい方を考えて、無理、無駄のないリフォームプランを立てましょう。

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