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通信講座No.088 「浴室の掃除が面倒くさいと思ったことはありませんか?」

講座No.088-1 「浴室の汚れの種類と掃除のポイント」

日本人のお風呂好きは世界一とも言われています。それは、昔も今も変わらないようで、幕末の英国のラザフォード・オールコック駐日公使の日本滞在記(岩波文庫「大君の都‐幕末日本滞在記」)には、日本人は清潔な国民で、度々身体を洗い、風通しの良い家に住み、街路もきれいで、すべて清潔ということにかけて日本人は他の東洋民族より大いに勝っていると評されています。また、東京ガス都市生活研究所の「現代人の入浴事情」によれば、10代から70代の全世代で約8割が「入浴が好き」と答えているそうです。
そんな私たち日本人にとって、浴室は大切な住空間のひとつであることは間違いないでしょう。大切な空間であればこそ清潔に保ちたいし、汚れが気になるのは仕方のないことで、その分掃除が面倒にも感じてしまうのでしょう。
2008年11月5日のINAX(現在LIXIL)のニュースリリース「日本人の入浴に関する調査(対象全国2472名・男女核1236名)」によれば、この大切な空間である“お風呂掃除”を行うのは、20代~40代の既婚男性では4割が、10代男性では28.6%が掃除を担当しているとの結果が発表されました。この調査から8年たった現在(2016年)では、より多くの男性が掃除を担当していると考えられ、今や浴室の掃除は男女平等の悩みの種であり、浴室の掃除の手間から開放されることは、大切な空間だからこそ家族の誰もが望むことと言っても過言ではないでしょう。
まずは、浴室の汚れの種類ごとに整理してみましょう。

◆浴室の汚れ種類(TOTOホームページ及びLIXILホームページ参照)

水あか、湯あか

水あかは、水道水に含まれるケイ酸が堆積したザラザラした汚れで、放っておくと頑固な汚れになりやっかいです。湯あかは皮脂、石鹸カス、ホコリなどが結びついたヌメヌメした汚れです。ついてすぐなら水洗いで簡単に落とせますが、こびりついた汚れは浴室用中性洗剤でこすり落とします。浴槽の水面付近についた汚れは、洗剤をかけて2~3分おいてからこすると落ちやすくなります。汚れがこびりついてしまった場合は、洗剤をかけてラップやティッシュなどで湿布し、しばらく放置してからこするとよいでしょう。

浴室の汚れの種類と掃除のポイント

金属石けん

白っぽく固い、ざらざらした汚れです。石けん分や身体の脂肪分が水道水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどの金属イオン成分と反応してできる溶けない汚れです。ついてすぐなら浴室用中性洗剤で落とせますが、時間が経った汚れなら洗剤をかけて2~3分おいてからこすると落ちやすくなります。蓄積した頑固な汚れの場合は、浴室用クリームクレンザーを使ってこすり落とします。こすりすぎて表面を傷つけないよう注意しましょう。

銅石けん

銅石けんは浴槽の水面付近や追焚口のまわりが青く筋状になる汚れで、配管や給湯機内部や配管に使われている銅管からわずかに溶け出した銅イオンと、石けんやあかに含まれる脂肪酸が反応してできます。銅イオンだけでは青く染まりません。浴槽に石けん分やあかが残らないように掃除すれば予防できます。ついてすぐなら浴室用中性洗剤で落とせますが、時間が経った汚れなら洗剤をかけて2~3分おいてからこすると落ちやすくなります。こびりついてしまった汚れは、浴室用クリームクレンザーで表面を傷つけないようにこすり落とします。銅イオンは銅管の表面が新しいときに溶け出しやすく通常は数ヶ月くらいでおさまりますが、水質によっては長年にわたり出続ける場合もあります。なお、銅は食品の中にも含まれているもので、通常は体に影響はありません。

カビ

壁・床のタイルや目地についた黒や紫、ピンクの正体はカビです。湿度も高く栄養分も豊富な浴室は、放っておくと壁や床タイルの目地、浴槽と壁・床との取り合い部分、浴槽のふたにカビが発生してしまいます。発生を防ぐにはカビの栄養源となる石けんかすなどの汚れを洗い落とし、十分換気をして湿気を払います。また、発生してすぐならば浴室用中性洗剤で落とせますが、落ちにくい場合はカビ取り剤が効果があります。カビ取り剤はお掃除後、浴室が乾燥している状態で使うと効果的です。尚、カビ取り剤を使用する際は、製品の注意表示をよく読んでから使用しましょう。素材によっては、使用できないものもありますので注意しましょう。

ピンクヌメリ

皮脂などを養分にして酵母が増えてできた汚れです。放っておくと色素が沈着して取れなくなります。洗剤をかけて2~3分おいてからこすると落ちやすくなります。落ちにくい場合はカビ取り剤が効果があります。カビ取り剤は乾いた状態に使う方がより汚れが落ちやすくなります。尚、カビ取り剤を使用する際は、製品の注意表示をよく読んでから使用しましょう。素材によっては、使用できないものもありますので注意しましょう。

さび

金属や浴槽に出る茶色のザラザラした汚れはさびです。金属の表面が湿気や腐食性ガスに侵されると発生します。水栓金具などのめっき製品にも目に見えないごく微細な小穴があり、さびが発生することがあります。発生を防ぐには金属表面の汚れを取り除き、水滴を拭き取っておくと効果的です。しつこい汚れは浴室用中性洗剤や浴室用クリームクレンザーで落としてから空拭きします。

もらいさび

濡れたヘアピンやカミソリなどに発生したさびが、プラスチックなどに付着したものです。また、水道水に含まれた微量の鉄粉が付着して、斑点状のさびが発生することがあります。浴室用クリームクレンザーで表面を傷つけないようこすり落とします。浴室用クリームクレンザーを使う場合は、表面にキズを付けたり、こすり過ぎてツヤがなくならないように注意しましょう。

次に、汚れの種類ごとの対処を理解した上で、部位ごとに適切な掃除方法を見直します。

◆部位ごとの掃除方法

天井・壁

柄のついたブラシを使って、カビの部分やほこりを洗い流し、水気をよくふき取ります。除菌のために、掃除後にアルコール(エチルアルコール)をスプレーするのも効果的です。

浴室の汚れの種類と掃除のポイント

換気扇

浴室の綺麗に保つために、使用後の換気は重要です。ほこりの溜まり過ぎは、機械部分の負担にもなります。換気扇を効率的に稼動させるためにも、定期的にカバーやフィルター、羽根を清掃しましょう。

床

カビや汚れで黒ずんだ床は、酢と水の割合を1:10にした酢水をスプレー容器に入れ、気になるカビのところに全体的に噴きかけ歯ブラシで軽くこすります。そこに重曹を振り掛け、発泡したら10分ほど放置します。10分たったらよく洗いながします。

浴室の汚れの種類と掃除のポイント

浴槽

浴槽の掃除は、素材によって大きくことなります。綺麗に保つ基本は、お湯をはったままにしないことが大切です。特に、入浴剤を使ったお湯をそのままにしておくことは、浴槽の変質、変色につながります。素材ごとの浴槽のお手入れについては、通信講座No.22-1「浴槽の掃除のポイント」をご参照ください。

浴室の汚れの種類と掃除のポイント

浴槽のエプロン

浴槽のエプロン(バスタブの下)が取り外せる場合は、定期的に外して掃除します。放っておくとカビの温床となり、ニオイの原因にもなります。

排水口・排水溝

排水口・排水溝の汚れは、ニオイのもとになりますので、定期的にしっかりと掃除します。蓋、目皿、トラップなど外せるものは全て外して、ぬるま湯に浴用洗剤または重曹を入れてつけ置きしてから、汚れを落とします。排水溝の掃除に、塩素系の洗剤を使いたくない場合は、重曹と酢を使う方法があります。先ず、重曹を2分の1カップくらい振りいれてから、同じ量の酢と40度くらいのお湯を排水溝に流し入れます。重曹が反応して泡が立ってきたら、30分以上放置してからお湯で洗い流します。

水栓金具

浴室の汚れの種類と掃除のポイント汚れが気になりだしたら、スポンジに浴室用クリームクレンザーをつけ、やさしく磨きます。強くこすると、水栓を傷つけかえってくすみの原因になります。重曹をふりかけてスポンジかアクリルたわしでこする方法もおすすめです。汚れが取れない場合は、汚れの部分にティッシュペーパーを敷き、浴室用中性洗剤を拭きつけ、10分~20分そのままにしておきます。カビ取り剤や漂白剤は、カウンターや金具の品質を劣化させるおそれがありますので、使用しないようにしましょう。掃除後は、乾いた布で磨いておくとよいでしょう。酢水をスプレーしてアクリルたわしでこすると、ピカピカになります。シャワー水栓がついている場合は、水栓と一緒に洗うようにしましょう。

水栓金具シャワーヘッド

シャワーの散水板にゴミがたまると、水の出が悪くなることがあります。ネジがあるものは、ネジを緩めて散水板を外します。ネジのないものは、散水板そのものを外します。網目に詰まったゴミを歯ブラシで擦って落します。

ドア

浴室の汚れの種類と掃除のポイントドアの凸凹やゴムパッキンは、汚れが付きやすくカビの温床になりやすい場所です。定期的に浴用洗剤と歯ブラシを使って掃除をしましょう。 軽いカビなら、この行程だけでもキレイになりますが、定期的にカビ取り用スプレーを使用して、目に見えないカビの元も取り除きます。特に、意外とホコリが溜まりやすいお風呂のドアの下の部分は、雑巾で週一くらいは掃除をして、汚れが取れにくい隅やゴムパッキンの溝などは、洗剤を含ませた綿棒でなぞるとスムーズに掃除ができます。

鏡

水アカが少なく曇り程度の汚れなら、炭酸水をさっとスプレーしてふき取る方法もおすすめです。曇りがスッと楽に落ちます。汚れがひどい場合は、鏡にガラス用洗剤をつけて、十分に絞った布でみがき、仕上げに丸めた新聞で磨くとインクの油分でツヤがでます。ティッシュなどに酢水をしみ込ませて、鏡全体に貼り付けてその上からラップで覆って半日放置しておく方法もおすすめです。仕上げに、ジャガイモの切り口を鏡に密着させてゴシゴシこすると、でんぷん質の膜が残ります。この膜が乾いたら、乾いたきれいな布で根気良く磨きます。きれいになるうえに、曇り止めにもなります。
合成洗剤や塩素系漂白剤などは、簡単に汚れを落とせるので容易に使ってしまいがちですが、環境や健康に配慮した掃除に適した道具も知っておくと良いでしょう。

◆環境や健康に配慮した掃除道具

石けん

泥汚れに強く、油を遊離し汚れを浮き上がらせて落としやすくします。固形、粉末、液体のものがあり、スーパーやドラッグストアで手に入ります。成分表示に「純石けん●%」と書いてあるのを確認して購入しましょう。石けんは使用後、水中で生物によって分解されやすく、また酢やクエン酸をかけると中和されてしまうので、人にも環境にもやさしい掃除道具です。

重曹

油汚れやほこりに強いうえに、たいていの汚れより固く、樹脂(プラスチック)より柔らかい粒なので、傷つきやすい素材についた汚れを落とすのに効果的です。ふりかけ容器に入れておいて使うと便利です。薬として薬局で売られているほか、スーパーなどでも掃除用を取り扱っています。分包の製菓材料は割高なので、大袋入りがおすすめです。除菌効果もあるので、雑菌の繁殖も抑えられます。最近は、掃除用の安価なものが販売されています。

酢・クエン酸

水アカ、せっけんカスなどのアルカリ性の汚れを中和して落とします。スーパーで「食酢」の表示を確認して購入しましょう(寿司酢などの「調味酢」は使えません)。そのままでは刺激が強すぎるので、酢と水を半々に薄めたものを使います。まとめてつくってスプレー容器などに入れておくと便利です。酢の臭いが気になる人は、薬局でクエン酸を購入し、水1カップにクエン酸小さじ1杯を溶かして使いましょう。

炭酸水

鏡やガラスは、炭酸水をさっとスプレーしてふくと、曇りがスッと楽に落ちます。食品なので、小さな子どもの口に入っても安全です。砂糖の入っていないタイプのものを購入し、スプレーボトルに詰め替えて使いましょう。テレビ台やビデオ台のガラス戸の手垢おとしやガラスのコップ磨き、メガネふきにも使えます。

ろうそく

タイルの目地の汚れをとった後に、乾いてからろうそくを塗りこんでおくとカビ予防の効果があります。

アクリルたわし

浴室の汚れの種類と掃除のポイントアクリル100%の毛糸でざっくりと編んだアクリルたわしは、水をつけてこするだけでたいていの汚れが落ち、キッチンでもお風呂掃除にも大活躍します。油汚れはあらかじめ新聞紙やペーパータオルでざっとふいてから、アクリルたわしに重曹をふりかけてこすれば、きれいになります。市販品もありますが、手編みでも簡単です。編むのが面倒なら、アクリル毛糸を適当な大きさに丸めて縛るだけでも代用できます。

さて、せっかく掃除した浴室はいつまでもキレイに保ちたいものです。そのために下記の6つのポイントを実行して汚れが付きにくい環境を作りましょう。

1. 最後に入った人が軽くお掃除を習慣に
最後に入浴した人が、シャワーで壁や床を洗い流し、残り湯を抜きながら浴槽内の湯あかをスポンジで落すことを習慣にしましょう。さらに、から拭きで水気を取れば完璧です。

2. しっかり換気してカビの発生を防ぐ
湯気を好むカビはバスルームの大敵です。こびりついてしまったカビは見た目に悪いだけでなく、容易に取り除くことができません。入浴後にはできるだけ長く換気扇を回すか、窓を開けてしっかり換気しましょう。

3. 一度の掃除は15分~30分を目安に
浴室の掃除は意外に体力のいる作業です。時間をかけすぎると、心身ともに疲れ果ててしまい、つい億劫になりがちです。一度の掃除は15分~30分を目安に、無理せず気軽に毎日を習慣にしましょう。

4. 水栓をピカピカにしてキレイ度アップ
浴室を清潔でキレイに見せるポイントはピカピカの水栓金具です。水あかや石けんカスは見た目によくないだけでなく、放っておくと頑固な汚れになったり、メッキがさびたりすることがあります。

5. 使う目線で最終チェック
他人の目線でキレイ度を意識してチェックもできれば、完璧です。

6. 清潔な掃除道具
スポンジやブラシなどの掃除道具を、水分を含んだままにすると雑菌の温床となります。清潔な空間にするための掃除だからこそ、道具も清潔なものを使うように以下を心がけましょう。
・掃除後は、よく洗って水分をしっかりと取る。
・除菌する。
・定期的に天日干しする。
・定期的に新しい物に取り替える。

浴室は1日の汗と疲れを流し、リラックスする空間です。最近は、ダイエットや健康促進に効果的な入浴方法などもさまざまなメディアに取り上げられています。本講座のお手入れ方法を参考に清潔で快適な浴室として保ち、心身の健康に役立てましょう。

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