ちょっと本格的なDIY講座~住まいの学習館(通信講座)~

住まいに関する知恵や技術を学ぶことが出来る通信講座や体験イベント情報を紹介

通信講座No.008 「床がしなったり、ぷかぷかしている所はありませんか?」

講座No.008-1 「床の構造・工法・材質について」

床のしなりや浮きは、トイレ、洗面・脱衣室、キッチンの流し台前、玄関の上り口、階段の下り口などに多く見られます。しなりや浮きは感じないが、ギィギィ鳴っているところがあるという家もあるでしょう。これらの主な原因としては、床材の耐久性があげられますが、他にも床下の湿気による腐敗や、地盤沈下などによる場合もあります。例えば、お風呂の入り口付近を歩くと、床がへこむ、沈む、異音がするなどの場合は、床下が腐っていることがよくあります。これは、浴室からの漏水などで床下環境の湿度が高くなることにより腐敗が生じた結果です。ひどい場合はシロアリがいることもあります。床鳴りに関しては、比較的新しい住宅に出ることもあります。

毎日生活している足元の具合が悪いのは、気持ちのよいものではありませんし、万が一、床が抜けて怪我でもしたら大変です。床のしなりや浮きの原因を把握して、適切な対処をする必要があります。

そこで、まずは床の構造・工法・材質について確認しましょう。

◆床の構造

図1は、布基礎の1階床の構造です。束石→床束→大引き→根太→床材の順に組み上げられます。
束は大引(おおびき)を地面に対して支えている構造材です。大引は、根太(ねだ)を受ける90~120mm程度の角材で、約90cm間隔に配されます。根太は、床板を直接支える為に約30cm間隔(303mm=1尺ピッチ)で大引、または梁の直交方向に渡される角材です。一般的には、45mm×60mmの角材が使用されています。根太は床材を打ち付ける下地となり、一般的に住宅用の木質床材は、根太の上に釘、接着剤併用で施工されます。

「床の構造・工法・材質について」

◆工法

床を張る工事には、さまざまな工法があります。木造住宅では、根太張り工法と下張り(捨て張り)工法が一般的です。また、マンションでは、二重床工法(根太床工法・置き床工法、浮き床工法)、と直床工法があります。

□根太張り工法(図1)

根太に床フローリング材を直接施工する方法です。根太張り工法の場合は、コストは安く、工期も早く済むのですが、床鳴りが発生しやすく、又、重い家具などが根太と根太の間にかかった場合、床材がたわみやすく床鳴りも発生しやすくなります。

□下張り(捨て張り)工法(図2)

一度根太に12~15㎜程度合板や杉板などの無垢板を下地として捨て張りしてから、その上に仕上げ材を施工する方法です。根太張り工法よりも床の剛性は高まり、床鳴りも少なく、強度、耐久性共に高まります。

「床の構造・工法・材質について」

□直床工法(図3)

主にコンクリート床(スラブ)上に直接接着剤で、直張りで仕上げ材を施工する方法です。マンション等集合住宅の防音フローリングの施工方法として普及しています。下地が平面で、強度を有する場合でないと用いません。一般的には直貼り専用のフローリング材が仕上げ材として使われます。

「床の構造・工法・材質について」

□二重床工法

マンションなどの遮音性を高めるために、コンクリート床(スラブ)の上に直接カーペットやフローリング材を張るのではなく、間に緩衝材を入れて床板を二重にしたものです。
1) 根太床工法
コンクリート床(スラブ)の上に根太を渡し、その上に床材を張る工法です。直床工法に比べると軽量衝撃音に対しては多少の遮音性があります。なお、根太床工法は地震によって歪みが生じやすいという指摘もあり、根太の代わりに構造用合板を用いた根太レス工法(剛床工法)などもあります。
2) 置き床工法(図4)
主にコンクリート床(スラブ)の上にパーティクルボードなどのベースとなるパネルと、それを支える防振ゴムの付いた支持ボルトなどの支持脚によって床下を構成し、その上に仕上げ材を施工する方法です。支持脚は高さ調整が可能で、段差が解消できます。直床工法より防音性において優れているとされています。

「床の構造・工法・材質について」

3) 浮床工法
断熱材を敷いた上にモルタルなどを打って、床材乗せる施工方法です。最も遮音性が高いといわれていますが、建築コストも高くなります。一般的にはコンクリート床(スラブ)とフローリング材の間に、グラスウールやロックウールなどの緩衝材を入れる工法を指します。

◆主な床材の種類と特徴

30年くらい前の床材といえば、パーケットフロアー風の突き板を貼った合板がほとんどでした。しかし、現在一般的な住宅に使われる床材にはさまざまな種類があります。主な床材の種類と特徴は下記のとおりです。

□木質フローリング

現在、住宅床材の主流なのが木質フローリングです。木質フローリングは、複合(複層)フローリングと無垢材(単層フローリング)に分けられます。いずれも自然素材の質感が得られ、素材や色が豊富なので選びやすい床材と言えるでしょう。複合(複層)フローリングは、基材である合板に薄い天然木の表面材を張ったもの。一般的に表面材の厚みが厚くなるほど価格は高く、無垢材(単層フローリング)の方が複合(複層)フローリングよりも高価です。
1) 複合(複層)フローリング (図5、6)
広く普及している複合(複層)フローリングは、数層の下地合板(基材)の表面に天然木の単板や突き板を張ったものです。削られた天然木の厚さ0.3ミリ程度から1ミリ程度(突き板)が一般的ですが、2~3ミリ程度(単板)の高級品もあります。合板と合わせて12~15ミリというのが一般的です。薄い突き板でも、塗装等の加工によって 強度は確保されています。最近は、合板と突き板の間に特殊な繊維板を挟むなどして強度を高めたものあります。狂いが無垢材と比較すると少なく、施工・メンテナンス・取り扱いも無垢材に比べると容易で、色味や機能(傷への強さや遮音性など)、価格帯のバリエーションが豊かということもあり、複合フローリングが木質床材の9割以上を占めているともいわれています。
但し、表層を越える傷が付いた場合、見た目が極端に悪くなります。

「床の構造・工法・材質について」

「床の構造・工法・材質について」

2) MDF床材
複合(複層)フローリングの下地合板に代え、MDF材を使用した床材で、基本的には、複合(複層)フローリングと同様です。 MDFとは、木材チップを蒸煮・解繊した中質繊維板(ちゅうしつせんいばん=medium density fiberboard)のことで、木質繊維を原料とする成型板(ファイバーボード)の一種です。接着剤となる合成樹脂を加え板状に熱圧成型してあります。同じ木材チップを原料とするパーティクルボードや配向性ストランドボード (OSB) に比べて構成要素が小さく、表面だけでなく木口部分も平滑です。木材同様の高い加工性を持ち、耐久性が高く、木材特有の反りや乾燥割れなどの癖が少なく、均質で極めて安価というメリットがあります。 接着剤の種類、木材チップの樹種、密度の3つの要素を組合せる事によって様々なタイプのMDFを作る事が出来きます。

3) 無垢板(単層フローリング)(図7)
「床の構造・工法・材質について」天然木をそのまま加工したいわゆる無垢材のことで、床材の全てが1枚の木から構成されています。一枚一枚張っていくため施工には手間がかかる上に、一般的に複合(複層)フローリングに比べて高価ですが、本物ならではのよさは魅力的ですし、経年変化によってより深い趣を演出できます。最近では、輸入品も多く出回っており、素材的にも価格的にもバリエーションが増えてきています。集成材を使ったものもあります。製品・施工として、全く表面処理をしないもの(ワックスを除く)、施工後表面処理(研磨・塗装等)するもの、表面処理を施したもの(塗装・焼き等)に大きく分けられます。

□WPC床材

WPCはウッド・プラスチック・コンビネーションの略で、複合(複層)フローリングの表面材としてプラスチックで処理した単板(0.6mm程度に薄くスライスした単板に、プラスチック樹脂を注入したもの)を用いた床材です。手入れが容易で安価であり、耐摩耗性に優れ、傷が付きにくく、寸法安定性・強度はよくなりますが、木材の質感は失われます。

□木質以外の天然素材の床板

最近、コルクや竹、籐、サイザル麻やココヤシなど天然素材を用いた床材も注目されています。コルク樫の皮が原料のコルクは、ナチュラル色からダークな色合いまでカラーバリエーションも豊富で、適度なクッション性と遮音性、保温性もあります。通常は3~5ミリぐらいの厚さものが用いられ、最近は施工しやすいフローリングタイプや床暖房に適応した商品、浴室床用なども発売されています。また、竹や籐などは、サラッとした肌触り、サイザル麻やココヤシなどの天然繊維を織りあげたものは、ざくっとした風合いが魅力で、湿気の多いサニタリーなど、水まわりに人気があるようです。

□その他

その他にも、合板の上にじゅうたんを敷き詰めたり、クッションフロア(ビニール製のクッション性のある床材)を貼ったりして仕上げることもあります。クッションフロアは、キッチンや洗面・脱衣室、トイレなどでよく使われます。

このように、床といっても構造から工法、材質までさまざまですので、床鳴りにはじまり、床のしなりや浮きの原因もさまざまです。安易な修繕やリフォームをする前に、信頼のおける業者に一度見てもらい、原因をしっかりと把握するようにしましょう。ただし、床下など見えないところを点検してもらうのですから、通りすがりの業者や無料などの誘い文句で安易に業者を選ぶことは控えましょう。そして、問題の原因をしっかり把握してから、予算や将来の修繕計画に合わせて適切な方法で対処するようにしましょう。

同じカテゴリーの通信講座をピックアップ

床・壁
床・壁
講座No.008「床がしなったり、ぷかぷかしている所はありませんか?」
講座No.010「外壁の塗装にひび割れはありませんか?」
講座No.017「壁のクロスが黄ばんだり、めくれていませんか?」
講座No.018「じゅうたんが磨り減っていませんか?」
講座No.019「冬に部屋が冷え込んで寒い思いをしていませんか?」
講座No.029「部屋の湿気が多いと思いませんか?」
講座No.032「部屋全体がくすんで、暗く感じていませんか?」
講座No.036「飼っているペットの臭いが気になりませんか?」
講座No.045「あなたの住まいの空気はきれいですか?」
講座No.050「隣の部屋の音や2階の音が気になりませんか?」
講座No.053「左官壁がボロボロに落ちて困っていませんか?」
講座No.061「外壁のペンキ塗り替えはいつしましたか?」
講座No.066「床クッションシートが傷んでいませんか?」
講座No.067「家の中、全体が薄暗いと感じませんか?」

自然素材主義パートナー紹介