ちょっと本格的なDIY講座~住まいの学習館(通信講座)~

住まいに関する知恵や技術を学ぶことが出来る通信講座や体験イベント情報を紹介

通信講座No.008 「床がしなったり、ぷかぷかしている所はありませんか?」

講座No.008-3 「本格的床リフォームのポイント」

前回の講座では、自分でできる対処方法を説明しました。
しかし、床下の湿気による腐敗や地盤沈下が原因となった床のしなりや浮きは、表面的な処置をしても意味がありません。例えば、お風呂の入り口付近の床のへこみが浴室からの漏水などで床下が腐っていることが原因であれば、床や床下の腐ったところだけ直しても、また同じような状況になってしまいます。まず、浴室の漏水を止めるためのリフォームをしてから、床や床下を直すことが大切です。このように、本格的にリフォームをする場合は、その場限りではない適切な対処方法を提案してくれて、床下など見えないところも施工写真などで記録に残すなど安心して工事を任せられる業者に依頼するようにしましょう。

床のリフォームといっても、原因によって工事の規模も方法もさまざまですので、ここですべてのポイントを説明することはできません。そこで、本格的リフォームの際、一考する価値があり、人気設備のひとつである床暖房を入れるリフォームについて説明しましょう。

リクルートの「注文住宅と住宅設備に関する動向調査2006」によると、注文住宅を建てた人の27.7%が床暖房を設置しています。エコキュートやオール電化住宅などの普及により、床暖房の採用率はますます高くなっています。床暖房の人気の秘密は、部屋全体をほとんど一定に均一な暖かさを保つことができるうえに、清潔な室内環境を保つことができるという点が、魅力を感じる要因のひとつであるようです。
床暖房が部屋全体を均一に暖かくできるのは、輻射熱を利用しているからです。この輻射熱は人体にあたっても暖かく感じさせますが、同時に部屋の中の壁や天井、家具などにも吸収され、それらが再び放射され、室内の空気を暖めます。普通、天井の高い部屋を暖房した場合、暖かい空気は天井近くに溜まり、床に近い部分は暖かくなりません。しかし、輻射熱を利用する床暖房の場合、床面を加熱してその床表面から放射される輻射熱によって床面付近の快適さはもちろん部屋全体を快適な温度に暖めます。ホットカーペットと誤解する人も時々いるようですが、全く違うものです。また、木質フローリングだけでなく、コルクや畳などさまざまな素材でも可能です。(但し、それぞれの対応商品を使用する必要があります。)

では、床暖房にはどのような種類があるのでしょうか。

◆温水式と電気ヒーター式

床暖房の方式には、主に温水式と電気ヒーター式があります。温水式はボイラーで沸かしたお湯を床下のパイプに循環させて暖房する仕組みです。お湯を沸かす熱源はガス、電気、灯油などが使われます。最近では、大気熱利用の電気で給湯を行うエコキュートにも床暖房対応の機種がでてきています。
一方、電気ヒーター式はヒーターと一体化した木質床材(フローリングなど)を貼るか、ヒーターを内蔵したパネルを床下に埋設して電気を通し、その上にフローリング材やカーペットなどの床材を貼る方法などがあります。深夜電力を利用して床下の蓄熱材に熱を蓄えるタイプもあり、割安な夜間の電力を利用することができるのがメリットです。
温水式にも電気ヒーター式にも熱源機やヒーターの種類によってさらに種類がわかれ、特徴も違います。詳しくは下記の分類表を参考にしてください。

「自分でできる対処方法」

温水式か電気ヒーター式のどちらを選んだ方がいいのかは、一概にはいえません。それぞれ特徴があり、メーカーや商品によっても違いがあります。また、使う床材の種類やリフォームの規模などによって、取り入れる商品が限定されることもあります。そこで、どちらを選べばいいのか悩む場合は、まず取り入れる面積や部屋数、生活スタイルから考えてみましょう。広い面積や数多くの部屋に設置したい場合や、家にいつも誰かが居ることが多いご家庭であれば、維持費の安い温水式が向いているでしょう。逆にリビングや寝室だけというように、取り入れる面積が少ない場合、また共働きのため使う時間が限られているのであれば、電気式が向いていると言えるでしょう。

「自分でできる対処方法」

「自分でできる対処方法」

温水式や電気ヒーター式以外にも、太陽エネルギーをそのまま使用するタイプの床暖房システムもあります。

◆太陽熱利用(図5)

床暖房が必要な冬は、屋根に降り注ぐ太陽の熱で空気を温め、それを床下に送り基礎コンクリートに熱を蓄えます。蓄えた熱は、夕方以降ゆっくりと放熱して建物全体を床から温めます。システムが稼働している間は、常に新鮮な外気を室内に取り込んでおり、暖房しながら換気ができるという点も大きな特徴です。ただし、太陽を熱源にしているということは、当然天気に左右されます。また、日射が十分に得られない地域や立地条件によっては暖かさが足りないこともあります。その場合は、機械を活用して補助的に暖房を行い、足りない分を補う必要があります。暖房の必要がない夏は、太陽熱を給湯の熱源に使用できます。このシステムは、基礎コンクリートの蓄熱と建物全体の空気循環が重要なポイントとなるため、リフォームでの導入が難しいこともあります。

「自分でできる対処方法」

以上のようにいろいろな床暖房の種類がありますが、選ぶときはイニシャルコスト(設備費)だけでなく、ランニングコスト(燃料費・メンテナンス費など)も確認するようにしましょう。燃料の維持費という面では、温水式のガスの方が電気式よりも安いといえます。しかし、温水式は機器代が電気式よりも割高で、熱源機の定期的な点検や部品の交換などメンテナンスの費用も必要になります。電気式は基本的にはメンテナンスは不要としていますが、機械であるからには、将来的に故障が生じることもあるでしょう。どちらの場合も、メーカーや施工業者のアフターメンテナンス体制をきちんと確認しておくことが大切です。 また、床暖房を生かすためにも、建物本体の気密性や断熱性を上げることは重要です。特に床下の断熱材は重要です。古い住宅では、根太張りのうえに、断熱材もないのはよくあることです。せっかくの床暖房を効率よく使うためにも、断熱材を入れるようにしたいものです。また、床下の湿気が多い場合は、防湿シートを敷くなどの対処をした上で断熱材を入れればより効果的でしょう。

リフォームをする際、つい気を取られてしまうのが設備や材料そのものです。確かに、床暖房のようにさまざま商品があるとそれを選ぶことに、頭が一杯になってしまいがちです。しかし、満足のいくリフォームのためには、家族にとってより快適な生活や暮らし方は何なのかを真剣に考えることが大切です。そのポイントを見失わないで設備や材料を選べば、きっと満足のいくリフォームにつながるでしょう。家族の生活スタイルや希望を真摯に受け止め、押し付けではないプランや設備を提案してくれる業者を選ぶようにしましょう。

同じカテゴリーの通信講座をピックアップ

床・壁
床・壁
講座No.008「床がしなったり、ぷかぷかしている所はありませんか?」
講座No.010「外壁の塗装にひび割れはありませんか?」
講座No.017「壁のクロスが黄ばんだり、めくれていませんか?」
講座No.018「じゅうたんが磨り減っていませんか?」
講座No.019「冬に部屋が冷え込んで寒い思いをしていませんか?」
講座No.029「部屋の湿気が多いと思いませんか?」
講座No.032「部屋全体がくすんで、暗く感じていませんか?」
講座No.036「飼っているペットの臭いが気になりませんか?」
講座No.045「あなたの住まいの空気はきれいですか?」
講座No.050「隣の部屋の音や2階の音が気になりませんか?」
講座No.053「左官壁がボロボロに落ちて困っていませんか?」
講座No.061「外壁のペンキ塗り替えはいつしましたか?」
講座No.066「床クッションシートが傷んでいませんか?」
講座No.067「家の中、全体が薄暗いと感じませんか?」

自然素材主義パートナー紹介