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通信講座No.009 「家の臭いが気になりませんか?」

講座No.009-1 「臭いの原因」

他人の家に上がったときの独特のにおい。気になったことはありませんか。住んでいる人にはなかなかわからないのが、この「家のニオイ」です。旅行などから帰ってきたときなどに、そのにおいに気付くこともあるかもしれません。しかし、普段は慣れてしまってなかなか気がつかないのです。

花王株式会社が行った「においの意識調査」によると、図1のように半数以上の人が家の中でのにおいが気になることがよくあると答えています。たまに気になる人も合わせると99%もの人が自分の家のにおいが気になることがあるという結果になっています。

「自分でできる対処方法」また、知人や友人宅でにおいが気になることがあるかとの問いには、図2のように80%以上の人が気になったことがあるという結果になっています。これは、思わず自分の家も臭っているのではと、ドキッとさせられる数字です。では、どんなにおいが気になったのかというと、図3のように1位が部屋の空間、次が玄関に入ったときとなっています。気になっていても自分ではわからない、気が付かないという厄介な「家のニオイ」。
では、まずその「ニオイ」の原因について確認していきましょう。

「自分でできる対処方法」

生物の五感の中で最も複雑で謎が多いといわれるのがにおいを感じ取る嗅覚です。においは、目には見えませんがちゃんと物質として存在しています。におい物質は数十万種類あるといわれ、生物はこれをかぎ分けることで、敵の察知、求愛、環境変化への対応などを行っています。私たちが普段何気なく感じている他人に対する好悪も、相手が発するホルモンなどのにおいを嗅ぎ分けて判断しているともいわれています。また、普段は吠えない犬がなぜか犬嫌いの人にだけ向かって吠えるのも、相手が無意識に発しているにおいを嗅ぎ分けているともいわれています。私たちが普段感じるにおいも、多くの場合100種類以上のにおい物質の混合臭です。このように複雑な嗅覚のメカニズムを解明するきっかけとなったのが、 2004年にノーベル賞を受賞したリチャード・アクセル教授らの研究です。この研究によって、ほ乳類が数百種類のにおい受容体を組み合わせてにおいを認識していることが明らかになりました。さらに東京大学の東原和成准教授は、ひとつひとつのにおい受容体が複数のにおい物質を認識している仕組みを解明し、この仕組みによって、ほ乳類は数十万種類のにおいをかぎわけていることがわかってきました。ちなみに、犬の鼻が利くのは嗅細胞の数が多いためで、人間が約1000万個なのに対して、犬は約2億個もあるそうです。
においが受容体でキャッチされると、その情報は脳へと伝えられます。いいにおいといやなにおいはこの脳が判断するもので、科学的に分けることはできません。その判断は人それぞれの好みによるもので、それはそれぞれの経験や記憶の積み重ねが決めているようです。

においに刺激された脳は、自律神経などに働きかけます。例えば、リラックスさせたり、元気づけたり・・・。におい物質が直接作用するわけではありませんが、人の気持ちや生理に変化を起こすきっかけになることがわかっています。このように、人に良い効果を与えるにおいもあれば、不愉快にさせるにおいもあります。つまりは悪臭です。先に説明したように、においの感じ方には個人差があるので、誰もが「悪臭」と感じるにおいもあれば、そうではないものもあります。しかし、誰もが「悪臭」と感じるにおいには、それなりの理由があるようです。例えば、カビやほこり、生ゴミの発するにおいなどです。これらの悪臭は、たいていがさまざまなものの複合臭で、におい自体に菌があるわけではありません。しかし、悪臭の発生源に菌が繁殖している場合が多いのも事実です。こうした“人にとってよくないもの”のにおいを悪臭と感じるのは、人間の本能によるものです。人間が太古の昔からにおいによって危険を察知していきたことを物語っています。

では、家の中において“いやなにおい”とは何でしょう。これが厄介なことに、においのもとはひとつではなくさまざまな生活臭が混じり合った場合がほとんどであるということです。料理のおいしいにおいも、香水のにおいも他のさまざまなにおいと混じり合い、家に染み付いてしまうと悪臭に変わるということです。
「家のニオイ」に大きな影響を及ばすものには、下記のようなものがあります。

◆台所の臭い

台所の臭いといえば、生ゴミ、排水口、まな板、コンロが主な原因に挙げられます。コンロは、調理の際についたままの汚れ(油や調味料など)の酸化やそれに繁殖した雑菌、生ゴミや排水口などはブドウ球菌や大腸菌などのバクテリアが付着したものを分解する際に発生させる臭いです。新鮮な肉や魚が臭わないのにまな板が臭うのは、調理の際に付着した素材(血や素材のカス)が取りきれていないためにそこにバクテリアが繁殖しているからです。

◆食べ物の臭い

臭いが残りやすい食べ物として、魚や肉、漬物、納豆の発酵食品、玉ネギ、長ネギなどがあげられます。これらの臭いは、カーテンや壁、家具にまで染み込んでなかなかとれない場合もあります。

◆タバコの臭い

タバコの煙はもちろん、吸殻や灰からも臭いを発します。これは、タバコに含まれる化学物質のなかでも、アンモニア、酢酸、アセトアルデヒドが大きな原因になっています。洋服、カーテン、壁、家具などに付着しやすい臭いです。

◆玄関の臭い

臭いの原因はもちろん靴にあります。靴の中は、足から発せられる熱と汗がたまり、サウナのような状態になっています。そんなジメジメした環境を好む表皮ブドウ球菌やコリネバクテリウムといったバクテリアが繁殖し、そのバクテリアが汗を分解するときに発生するガスがあの足の臭いとなるのです。

◆トイレの臭い

トイレの臭いの原因は、便器やすき間に付着した尿が菌に分解されて発生するアンモニア臭と排水口から立ち昇る管の中のカビ臭や下水の臭いなどです。尿の主成分である尿素そのものは、ほとんどにおいませんが、空気中の菌が保有・分泌する酵素に分解されるとアンモニア臭を発生します。

◆カビの臭い

通常、カビは湿気の多い、日の当たらない場所に多く見られ、20℃ を超えると急に活気づきます。家の中でカビが繁殖しやすい場所は、浴室、洗面・脱衣室、キッチン、トイレなどの水回りや押し入れ、天井、下駄箱、衣類、靴、鞄などの布皮製品、畳などです。冬などは、窓の結露でカビが繁殖したりもします。そして、これらのカビがさまざまなアレルギーの原因になったりもします。しかし、目に見える場所に繁殖したカビなら対応することもできますが、クロスの裏とか壁の中とかに繁殖すると普通は気がつかないことがほとんどです。家の中がカビ臭いと感じる場合は、ここまで深刻なカビに犯されていることも考えられます。また、カビから揮発性化学物質が発生し、それがもとで化学物質過敏症を引き起こすことがあることが最近分ってきました。

◆化学物質の臭い

私たちの身の回りには、たくさんの化学物質が存在しています。ある研究によると、家の中の空気は、大気の何10倍も化学物質に汚染されていることもあるそうです。とくに、最近の高気密・高断熱の住宅やマンションなどの場合は、密閉度が高いだけに要注意です。代表的なものが建築資材や家具などに含まれるホルムアルデヒドですが、普段何気なく使っている抗菌グッズ、殺虫剤、防虫剤、芳香剤、消臭剤、防腐剤などにも含まれています。つまり、気がつかないところで大量の化学物質が使われているのです。化学物質を含む空気は、口や鼻を通して直接肺から血管内に入ります。その量は、皮膚からの30倍・口からの10倍といわれています。これらの化学物質は、私たちに便利な生活を提供してくれる面もありますが、それと同時に体に害を与えることもあることをきちんと理解して使うことが大切です。

◆ペットの臭い

ペットを飼っている人にとっては慣れてしまって感じないかもしれませんが、他の人にとっては明らかにわかる臭いです。主な原因はペットのトイレから発するアンモニア臭ですが、ペット自身の体臭や口臭に起因する場合もあります。ペットが普段使っている寝床やクッション、おもちゃ、カーペットなどはその臭いが染み付いてしまっていることもあります。

◆家族の体臭

体臭は誰にでもあるものなのに、自分の体臭には気づきにくいものです。体臭の第一の原因は、汗や皮脂です。これは生物としてなくてはならないものです。それら自体がにおいを発するのではなく、それに雑菌が混じることで臭いを発します。第二の原因は食生活です。例えば、にんにく。たいへん体によい食べ物ですが、体内で分解されにくいためその臭いを長時間発します。大量に摂取すると口臭としてだけではなく、汗腺から臭いを発することもあります。第三の原因は健康状態です。口内疾患による口臭をはじめ、体調不良によって体臭が強くなる場合があります。体が接する寝具やスリッパ、クッションなどはその臭いが染み付きやすくなります。

以上のように、家の中にはさまざまな臭いのもととなる要素があり、混ざり合ったときには自分では気がつかないうちに、悪臭となっているのです。
図4の表は、花王株式会社が提供しているにおいレベルのチェックシートです。自分の住まいのにおいがいったいどの程度なのか知るひとつの参考になりますので、是非チェックしてみてください。

「自分でできる対処方法」

チェックが0~3の人: においレベル青信号
においの発生源が少なく、においをためない暮らし方もなさっているようですね。

チェックが4~9の人: においレベル黄信号
もしかすると、ときどきにおっているかも? まず、あなたの家のにおいの発生源になりやすいものを突き止めましょう!何年も洗ってないカーテン?育ち盛りで汗っかきの子どもの制服やふとん?かわいいペットのお気に入りのクッション?発生源がわかったら、洗えるものは洗いましょう。洗えないものや洗いにくいものなら、適切な方法で消臭・除菌を。もちろんこまめな換気も忘れずに。

チェックが10~12の人: においレベル赤信号
ご自分が思っているよりにおっているかも……。長時間留守にして玄関に入ったときや、朝起きてリビングに入ったときなど、においが気になることはありませんか?ずっとそこにいると気づかないにおいも、外から入ってきた人は敏感に感じるものです。お客様ににおいを感じさせないよう、においレベルを下げる工夫をしてみましょう。

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