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通信講座No.010 「外壁の塗装にひび割れはありませんか?」

講座No.010-2 「自分でできる外壁のひび割れの応急処置」

前講座で説明したようにひび割れといってもさまざまな原因があり、ひび割れの大きさ、状況もいろいろです。そのため、建物全体をきちんと調査した後で、適切な処置を業者に依頼することをお勧めします。しかし、やむを得ず自分で応急処置をしなければならないこともあるでしょう。
そこで、今回は自分でできる応急処置の方法について説明します。

まず、補修に使用される主な材料について説明しましょう。
補修剤は、ひび割れの種類により使用する材料が違います。一般的に使用される補修剤は、シーリング材またはコーキング材と呼ばれているものです。水密・気密を目的として目地や隙間などに充填する合成樹脂または合成ゴム製のベースト状(のり状)の材料を一般的にシーリング材といい、外装材のジョイント部やサッシ回り・ガラスのはめ込み部などに用いられます。一方、コーキング材は油性のシーリング材のことで、防水のために充填する材料で、石綿、炭酸カルシウムなど鉱物質充填材と天然油脂と合成油脂、合成樹脂などを練り合わせたものです。
以前は、シーリング材全体のことをコーキング材と呼んだこともあり、現在でも人によってはシーリング材のことをコーキング材と言う場合があります。
下記の表は一般的に使われるシーリング材の種類と特徴を簡単に示したものです。

「ひび割れの原因と症状」

このようにシーリング材は様々な種類があり、各成分系統により最適な施工箇所があります。それに応じて使い分けなければ、施工中の失敗や施工後に耐久性や美観の問題が生じることになります。
次の表は主成分と施工箇所をまとめたものです。

「ひび割れの原因と症状」

このようにシーリング材もいろいろありますので、購入する際は間違えないように気をつけましょう。あくまでも応急処置としてならば、アクリル系やウレタン系でも良いでしょう。シリコン系の場合は、後から塗装ができるように変性シリコンを選ぶことをお勧めします。色はいろいろありますので、外壁に近い色を選ぶとよいでしょう。

細かいひび割れの主な補修方法には、以下の3つがあります。
1.Vカット補修
シーリング材もしくはセメント接着剤を使用する補修法です。
シーリング材もしくはセメント接着剤は、ひび割れに対して粒子が大きいため、そのまま埋めようとしてもひびには浸透しません。そのため、ひびに沿って多少大きめのV型(Vカットとも呼ばれる)の溝を掘り、そこにシーリング材もしくはセメントに接着剤を混ぜたものをひびの上に盛り、接着していきます。
その後、補修跡を隠すため、上から化粧モルタルを塗って仕上げます。
図1はVカットのイメージ図で、図2は実際にカットしたところです。このようにあえてひび割れにそって大きくカットし、シーリング材を充填して防水性を高めるのです。一般的にモルタル塗りの外壁は図3や図4のような構造になっていて、モルタル部分は通常1センチほどの厚さしかありません。ひび割れが生じても防水紙がありますので、すぐに漏水することはほとんどありません。Vカットにはダイアモンドカッターなどの道具を使いますが、カットしすぎるとたいへんなことになりますので、自分で行うことはお勧めしません。

「ひび割れの原因と症状」

「ひび割れの原因と症状」

2.接着剤の注入補修
ポンプ式の注入器などを使って、接着剤をひび割れの中に注入する補修法です。
接着剤がひび割れに強力接着し、水分の浸入を防ぎます。

3.チョーク式被覆補修・スプレー式被覆補修
上記の2つの補修方法に比べて、手軽にできる補修方法ですが、細かいひび割れ(ヘアークラック)の場合のみ有効です。微細なコンクリート粉を塗布し、適量な水分等をあたえてコンクリート粉を定着させます。塗布方法の主なものには、チョーク式とスプレー式の2種類があります。チョーク式は無駄なくセメントを使える一方、適度な圧力を加えないとモルタル面につきづらいために作業時間が長く、体力が必要であるという難点があります。スプレー式は噴射するため、セメント粉が周りに飛び散り無駄がでるといる欠点はありますが、作業時間は短く、補修も簡単で体力もほとんど必要ないという利点があります。このような表面上の細かいひび割れの場合は、疎水性(防水性)の高い塗料で全体を塗装して漏水を防ぐことも有効です。

手に入りやすい材料に手軽にできるモルタル外壁のひび割れ(クラック)補修手順の次のとおりです。

1.天候確認
まず、シーリング材の施工はよく晴れた日に行う必要があります。雨で接着面が濡れていては接着しません。また、前日に雨か雪が降っていた場合は接着面が十分に乾燥しているかを確認したうえで行います。
2.接着面の清掃
ゴミ、埃、油分、水分は接着性を妨げますので、ひび割れ部分とその周辺のゴミや埃等を除去します。油分がある場合は、アルコールやベンジン等の洗浄溶剤を含ませた布で拭き取ります。
3.マスキング(養生)テープ貼り
施工中のシーリング材やプライマーによって、ひび割れ周辺部の汚れを防止し、表面を美しく仕上る為に、ひび割れ部分の両側に沿ってマスキングテープを貼ります。
4.プライマーの塗布
プライマーとは、モルタルとシーリング材の接着をよくするためのものです。使用するシーリング材メーカーの指定するプライマーの塗布や乾燥時間に注意します。
5.シーリング材充填
隙間なくひび割れ部分の隅々まで盛り上げるようにシーリング材を充填します。外壁に合った色のシーリング材を用意します。
6.ヘラで成形
シーリング材を充填後、すみやかにヘラ等を使用してシーリング材を押し込むようにして表面を均します。
7.清掃
マスキング(養生)テープの除去、および接着箇所以外に付着したシーリング材、プライマーを洗浄溶剤を含ませた布で拭き取ります。
8.養生
完全に乾くまで、接着箇所を触ったり、引っ張ったりしないようにしましょう。

将来、業者による補修やその後の塗装仕上げを考えて、使用したシーリング材の種類、メーカー、商品名をメモしておくとよいでしょう。

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