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通信講座No.001 「屋根の棟押さえ鉄板は一度取替えましたか?」

講座No.001-3 「点検後の対処と屋根リフォームのポイント」

前回は点検の方法について説明しました。傷み具合が分り、自分で手入れができると判断される方もいらっしゃるかもしれません。しかし、屋根葺き材のメーカーは、工務店、ハウスメーカー、職人以外が屋根に登ったり、修繕することを禁止しています。ケガや事故を防ぐためには、小規模の修繕でも信頼のできる業者に頼むことをお勧めします。点検後、業者に修繕を頼む場合は、下記のポイントに留意して検討すると良いでしょう。

1.築年数が浅く、雨漏りなどの症状もない上に図1のような軽度の浮きで棟板に釘がしっかり留まる場合は、小規模の修繕で済むのが通常です。しかし、修繕の場所や屋根の勾配によっては、梯子ではない足場を架設する必要が生じる場合もあります。

「点検後の対処と屋根リフォームのポイント」

2.築年数が浅い化粧スレート葺材の部分的な割れやヒビは(図2参照)、必ずしも葺き替える必要はありません。差し替えやシールなどの簡易的補修で済む場合もあります。

「点検後の対処と屋根リフォームのポイント」

3.屋根葺き材が化粧スレートであっても、棟押え鉄板(棟包み板)は金属で出来ていますので、 耐久年数や保証年数は同じではありません。(図3参照)

「点検後の対処と屋根リフォームのポイント」

4.棟押え鉄板(棟包み板)の外見は問題なく見えても、貫板(棟板)が腐食している場合もあります。点検時に全て剥がして見るわけではありませんので、プロの目と経験で全体の状況を判断してもらう必要があります。通常、一箇所に劣化や腐食が見られたら、その回りだけでなく全面的に替えたほうが良いでしょう。また、交換する量にも寄りますが、貫板の材質によって値段が変わることもあります。

5.屋根葺き材のメーカーは、基材(屋根材の原料)と基材に施された塗装部分に分けて保証年数、耐久年数を設定していますが、割れやヒビ、極度の色落ちなどに対してのみの場合がほとんどです。また、メーカーによっては対象物件が新築のみの場合もあります。施工に関する保証は、工務店など業者によって行われるものですので信頼できる業者を選ぶようにしましょう。

「点検後の対処と屋根リフォームのポイント」6.修繕と共に屋根全体の塗装を行う場合は、屋根の洗浄が必須となります。そのために、足場とネットでの養生が必要となります。塗料は、屋根葺き材本来の塗膜との相性がありますので、業者に選択してもらうことをお勧めします。

7.屋根を塗装することで雨漏りがとまることはありませんが、屋根葺き材の劣化を防ぐために塗装をすることは必要です。

8.化粧スレート葺材には、アスベストが混入されています。化粧スレート葺の屋根を葺き替える場合、既存の屋根材の廃棄には適切な処置による撤去費用が必要になります。

9.屋根全体の葺き替えが必要となった場合、重要ポイントが4つあります。

①どんな屋根葺き材を選ぶか
軽くて耐震性が高く、耐久性のあるもの選びましょう。葺き材の見た目だけでなく、特徴、重量、基材や塗装の原料やそれぞれの保証年数、メンテナンス方法も確認すると良いでしょう。最近は葺き材に遮熱効果や防音吸音効果のある塗装が施されたもの、天然石を細かく砕いたものを吹き付け塗装したものなど、基材だけでなく塗装にも様々な特徴があるものがいろいろあります。値段だけでなく、性能やメンテナンス性など総合的に判断することが大切です。ただし、気候条件(寒冷地や積雪量など)、屋根の形、勾配によっては、自分の好みどおりの葺き材が選べるとは限りません。下の3つは、アスベストを含まず、軽量で耐久性の高い屋根材の例です。

〔屋根葺き材の例 その1〕
カルバリウム鋼板を基材にし、天然石チップをコーティングした屋根葺き材。基材は、30年保証されています。

「点検後の対処と屋根リフォームのポイント」

〔屋根葺き材の例 その2〕
下の2つの写真は、どちらも新素材「ハイブリッドピフ」(無機材料+繊維材料+樹脂材料)の屋根葺き材です。

「点検後の対処と屋根リフォームのポイント」

②防水紙は何を選ぶか
防水紙にもいろいろあります。基本的にはアスファルトルーフィングと変わりませんが、高温で柔らかくなりすぎ低温で固く割れやすい欠点を改善した改質アスファルト(ゴムアスファルト)を使用したもの、破れにくくするために基材が紙ではなく合成繊維でできているもの、遮熱効果や透湿効果があるものと、いろいろです。それにより価格も変わってきます。

③雪止めはどのように取り付けるか
忘れがちなのが、雪止めです。もしもの時には必要ですし、あとから取り付けるのも大変ですので一緒に検討することをお勧めします。北面だけに取り付けるケースが多数を占めますが、家の向きや隣地条件によって取り付け位置も変わります。勾配がないため必要がないこともあります。また、素材によって価格も変わります。

④既存の屋根材をどうするか
既存の屋根材の撤去をどうするかも重要なポイントです。撤去すれば、撤去作業費用や廃棄費用が発生します。新しく葺く屋根材が軽いので、既存の屋根材をそのままに被せて葺き替えできることを勧めるメーカーや業者もあるようですが、当講座では、撤去することをお勧めします。その理由は下記のとおりです。
(1)葺き材が傷んでいるということは、その下の防水材の劣化も生じているため、防水材から葺き替えたほうがよいと同時に、野地板や垂木などの腐食も確認できます。
(2)耐震性から考えて、屋根は少しでも軽いのものがよいでしょう。

以上、9つのポイントに留意し、適切なリフォームを心がけましょう。

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