ちょっと本格的なDIY講座~住まいの学習館(通信講座)~

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通信講座No.015 「地震対策はちゃんとやっていますか?」

講座No.015-3 「本格的地震対策のポイント」

前講座では、自分でできる家の中の地震対策について説明しました。
今回は、耐震改修工事を含む本格的な地震対策について説明します。

家の耐震強度が優れていても、家の中の対策が不十分なために転倒した家具などの下敷きになったりして逃げ遅れたり、ケガをしたりでは元も子もありませんので、前講座で説明した家の中の対策も大切です。しかし、家そのものの耐震強度が充分でないために倒壊するようなことになれば、どんなに家の中の対策をしっかりしておいても意味のないものになりかねません。 そこで、まずは家そのものの地震対策、つまり耐震改修工事です。 家の基本要素は、人の生命を守ることです。そして、地震発生後に普段どおりの生活を送るためにも、家の耐震化が非常に重要です。自分の家の安全確保とその後の生活のために、必要に応じて耐震改修・補強工事を行いましょう。

では、耐震補強方法にはどんなものがあるか知っておきましょう。

1.基礎部分の補強

□基礎部分を増し打ちして補強します。(図1)
□玉石基礎などの場合は、鉄筋コンクリート造の布基礎に替え、土台をアンカーボルトで締めつけます。(図2)

本格的地震対策のポイント

2.壁面の補強

□筋交いを入れる、または構造用合板(厚さ9mm以上)を柱、土台、梁・胴差、間柱・胴縁に十分に釘打ちをし、強い壁を増やします。(図3)

本格的地震対策のポイント

□開口部を減らし、筋交いや構造用合板で補強された壁を増やします。(図4)

本格的地震対策のポイント

3.柱や梁などの交換、金具の補強

□腐ったり白アリに食べられたりした部材を取替えたり、根継ぎして金物で補強します。(図5)
□土台・柱・筋交いの接合部分に金物をつけて堅固にします。(図6)
□柱・梁の接合部分に金物をつけて堅固にします。(図7)

本格的地震対策のポイント

4.柱の増設

□柱を増やして補強します。(図8)

本格的地震対策のポイント

5.建物の外側の補強

□建物の外側に沿柱・控柱(バットレス)を設置して補強します。(図9)

本格的地震対策のポイント

6.はね出し部の補強

2階やベランダのはね出し部分を補強します。(図10)
本格的地震対策のポイント

7.屋根の軽量化

□瓦葺きの屋根を軽量な葺き材に取り替えます。瓦の2分の1の重量である新素材PIFの屋根材や、7分の1の重量であるガルバリウム鋼板に天然石コーティングされた金属屋根など、軽くてデザイン性も高い商品がいろいろあります。屋根の葺き替えについては、講座No.1、2をご参照ください。

以上が主な耐震補強方法ですが、全ての家に全ての工事が必要なわけではありません。耐震診断を受けて問題点や補強すべきところをきちんと調査した結果、耐震性が低いという判断がされた場合、耐震補強設計が行われ、はじめて必要工事の詳細がわかります。どんな工事をするとどのくらい耐震性が高くなるのか、よく相談する必要があります。各自治体には、耐震改修・補強工事に対し補助金を交付する制度があります。耐震診断を含め、一度各自治体の関係窓口に補助金支給制度について詳しく聞いてみましょう。訪問勧誘に来た業者にすぐ工事しないと危ないと言われて工事をしても、補助金が受けられるわけではありません。各自治体で決められた手続きと手順を踏まないと補助金は交付されないのが一般的です。訪問業者にどんなことを言われても、まずは窓口に相談して制度の内容を確認してからにするか、日頃信頼している工務店やリフォーム業者に相談してみましょう。きちんとした業者であれば、耐震改修・補強工事の補助金制度やそのために必要な正式な手続きについて教えてくれますし、工事の実績もあるはずです。
自治体によっては、制度にしたがって登録している業者をホームページ上で公表しているところもあります。例えば、横浜市では消費者が安心して耐震補強工事を信頼できる業者に頼めるように、登録制度を設け、登録しているそれらの業者の工事実績も公開しています。

さて、本格的な地震対策において、耐震補強が必要なのは家そのものばかりではありません。
場合によっては、ブロック塀や石塀の撤去や補強を考えなければなりません。1978年の宮城県沖地震では、多くの人がブロック塀の倒壊によりなくなったことはご存知でしょうか。ブロック塀にも基準があり、基準を満たしていないものは大変危険です。例えば、古いブロックには鉄筋が入っていなかったり、入っていてもその数が大変少なかったりということがあります。また、石塀は、石と石を結んで補強することが難しいので十分な注意が必要です。
倒れた塀は道路をふさぎ、避難や救助・消火活動を妨げることにもなります。一度、専門家による強度の確認を受け、必要に応じて撤去するか補強工事を行いましょう。自治体によっては撤去や補強などの費用の補助を受けられる場合があるので、家の耐震診断と合わせて問い合わせてみましょう。

地震対策には、耐震補強が最重要課題であることは誰もが知っている事実です。しかし、案外知られていないのが、被災地の一番の必需品はトイレと水だったということです。
最近の家庭では、汲み取り式のトイレはほとんど見なくなり水洗トイレが一般的ですが、震災により水道の供給が止まると単なる椅子と化してしまいます。飲み水に関しては、給水車や援助物資、店頭に並ぶミネラルウォーターを購入するなどで賄うことも可能ですが、貴重なそれらの水を生活用水、特にトイレに使うわけにはいけません。そこで、多くの人がトイレに行くことをためらって水分摂取を極端に制限し、これが脱水症状になる可能性をもたらし体調を悪くする原因にもなるのです。地震対策を真剣に考えるのならば、トイレと水については各家庭単位で準備しておくことが重要です。
上水道の復旧は立地にもよりますが、ある程度時間がかかるため、十分な量の水を確保することはしばらくの間難しいことが容易に予想されます。そこで、生活用水も含めた水を普段から確保しておく必要があります。非常用に大きめのポリタンクに水を入れておいたり、ミネラルウォ―ターをペットボトルで準備されている人も多いと思います。風呂の残り湯を非常用に貯めおきしている人もいるでしょう。これらの準備はもちろんのこと、ここでは雨水の利用をおすすめしたいと思います。どの家にも等しく降り注ぐ天からの恵みである雨を利用しない手はありません。エコロジーや省エネに関心の高い現在では、雨水利用のためのタンクもいろいろ発売されています。庭の片隅におけるものから、地中に埋め込む大きなものまで大きさも機能もいろいろです。普段は、散水用として使うこともできますので、夏に打ち水として使えば自然な涼風を得ることができるうえに、ヒートアイランド現象の緩和に役立つこともできます。それぞれの家の状況によって設置できる大きさは異なると思いますが、ぜひ地震対策のひとつとして考えるべきではないでしょうか。

いつ起るか分らない大地震ですが、「備えあれば憂いなし」です。
この講座内容を参考に、ぜひあなたの家の地震対策をもう一度見直しましょう。

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