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通信講座No.017 「壁のクロスが黄ばんだり、めくれていませんか?」

講座No.017-1 「壁紙の掃除方法」

毎日生活しているとあまり気がつかないものですが、普通に暮らしているだけで壁のクロスはかなりの汚れがつき、色あせ、生活臭がついています。ある日家電や家具を移動したり、壁に掛かったカレンダーや額をはずしたりしたとき、壁の色があまりに違っているのでびっくりしたことがある人は多いのではないでしょうか。特に、キッチンからの油煙やタバコが原因の汚れは、見た目だけではなく部屋の臭いにも影響を及ぼします。(家の臭いについては、講座No.009をご参照ください。)最近は、オープンタイプやセミクローズタイプのキッチンが多いので、油の汚れはリビングや他の部屋にまで広がっていますし、換気が悪いと、通気されにくい部屋の隅の壁が黄ばんだりしてきます。スプレー類や化粧品などを使う洗面所の壁や、手が触れやすい電気のスイッチ周りも、気がつかないうちに汚れたり、黒ずんだりしています。さらに、年月が経つと、汚れや黄ばみだけでなく、剥がれや傷がついているところもあちこちで目につくようになってくるでしょう。現在普及しているビニールクロスは、5~6年くらいから汚れや黄ばみの気になるところが現れ、素材の収縮も少しずつ見られるようになります。部屋の使用状況によって程度の違いはありますが、一般的には10年~15年くらいが寿命といわれています。
汚れが見え始めていても、張替えるにはまだ早いという状態であれば、まずは、クロスの掃除にチャレンジしてみましょう。

では、主な3種類(紙、布、ビニール)の壁紙の特徴と掃除方法について説明しましょう。

◆紙(和紙、ケナフ紙など)

「壁紙の掃除方法」日本の伝統を生かす壁紙として「こうぞ」「みつまた」などを原料とした和紙壁紙や、図1のように紙と紙の間に木のチップを入れ込んで強度と風合いを出した壁紙もあります。和紙壁紙は独特の風合いがあり、湿度の高い時は湿気を吸収し、乾燥した時には湿気を放出するため、夏も冬も快適な室内を保つことができます。また、表面の繊維質が光を乱反射するため、太陽の光や照明の灯りが柔らかく感じます。光と同様、音も分散・乱反射するので、耳障りが柔らかくなり、部屋から洩れる音もある程度軽減できます。また、保温効果もあります。和紙は黄ばんでも、それが却って独特の風合いに変わることもあります。さらに、そのまま重ね貼りができるのでリフォーム時の工程が短縮できるという利点もあります。
最近の和紙などの壁紙は、表面に樹脂加工を施したものが多く、水をはじき、汚れにくく、なかには水拭き可能な製品もありますが、一般的な紙壁紙は水や洗剤は染み込みますので使用できません。普段から、こまめに掃除機やハタキで表面のホコリを取り除くしか掃除の方法はありません。付いたばかりの部分的な汚れであれば、消しゴムで落せることもあります。カビも生えやすいので、換気を十分に行うようにしましょう。

◆布クロス

「壁紙の掃除方法」本来クロスとは、布のこと。ビニールクロスが一般的になる以前は、クロスというと布クロスのことでした。洋間が普及するにつれ、布特有の柔らかい雰囲気が好まれて使われるようになりました。現在では、ビニールクロスの普及で、使用する人は以前ほどいませんが、ビニールクロスにはない高級感や素材がもつ柔らかい雰囲気は捨てがたく、また、シックハウス症候群などの問題もあり、自然素材100%の布クロスのよさが見直されてもいます。最近では、主原料がオーガニックコットンの壁紙や、天然シルクの壁紙などもあります。コットンの壁紙は、二酸化炭素を吸収し酸素を作るともいわれています。
布クロスには、独特のボリューム感、あたたかな風合い、ソフトな感触など見た目の魅力の他にも、調湿性・通気性があり、結露が発生しにくいという長所があります。反面、水分や汚れが染みになりやすく、ホツレやすく、汚れが落ちにくい、価格が高いなどの短所があります。そのような点から、これまでは敬遠されがちでしたが、最近では汚れ防止や撥水加工を施した商品もあり、人気が高まっているようです。一般的な布クロスは水や洗剤は染み込むので、掃除の時に使用できません。また、織り目にホコリがたまりやすいので、こまめに掃除機をかけて汚れがたまらないようにすることが大切です。付いたばかりの部分的な汚れであれば、消しゴムで落すか、重曹と酢水で叩くかで除去できるものもあります。但し、擦りすぎには十分注意しましょう。また、臭いがつきやすいので、普段から部屋の換気を十分に行うようにしましょう。

◆ビニールクロス

□ 環境にも人にも優しい掃除方法

「壁紙の掃除方法」 まず、表面のホコリを掃除機で丁寧に吸い取ります。掃除機で取れないカビは、絆創膏を指に巻いて、軽く叩くように取り去りましょう。
次に、1Lくらいのぬるま湯に重曹20gとせっけん(成分表示に純せっけん○%と表示されているもの)を溶かします。重曹とせっけんは、油汚れや泥、ホコリに強く、効果的に汚れを落すことができます。また、重曹には除菌効果もあります。
アクリルたわしかアクリル毛糸を丸めたものに②の溶液をつけて、隅の目立たないところでテストします。変色などがないことを確認してから、全体を優しく磨きます。ジョイント部分に、水分が入らないように気をつけて磨いてください。
仕上げに水1カップにクエン酸か酢(調味酢はだめ)を小さじ一杯溶かして、全体にスプレーしながら、さっとふきとります。
掃除の後は十分に換気を行い、よく乾かしましょう。
汚れがひどくて落ちない部分には、歯磨き粉をつけて円を描くように磨いてみましょう。

□ やってはいけないこと

簡単だからと、メラミンスポンジで擦ることはやめましょう。見た目はきれいになりますが、表面のツヤのある部分が取れてしまい、その後の汚れが落ちにくくなります。
カビが生えているからと安易に塩素系の漂白剤をかけないようにしましょう。下地材によっては、ピンク色に変色してしまいます。
紫外線や暖房器具などにより変色したクロスはもとにはもどりません。化粧品など化学物質によって変色した場合も同様です。

以上が、3種類の壁紙のお手入れ方法です。紙・布・ビニールクロスのいずれも、部分的に汚れを取ろうとすると、そこだけかえって目立ってしまいます。汚れを取ったその廻りを大きくぼかすようにして処理する良いでしょう。そして、壁紙をできるだけ長くきれいに保つには、日頃から汚れをためないようにまめに掃除をすることと、下記のポイントに注意しましょう。

① できるだけ直射日光にあてないこと

壁紙は紫外線を嫌います。使用していない部屋にはカーテンやブラインドで、できるだけ直射日光にさらさないようにしましょう。強い日差しが気になる部屋には、UVカット加工のカーテンをかけるとよいでしょう。

② 熱風、高温を避けること

ストーブなどの暖房器具の熱風が直接壁紙にあたらないようにしましょう。熱により壁紙が変形、変色することがあります。暖房機器や加湿器を使用する際は、湿度が高くなりすぎないよう注意してください。

③ 粘着テープを張らない

壁紙にはセロハンテープやガムテープを張らないでください。壁紙の変色や汚れの原因となります。

④殺虫剤や塗料、薬などがつかないようにする

殺虫剤や塗料などを吹き付けたり、医薬品や口紅などを付着させたりしないようにしましょう。壁紙の変色や汚れの原因となります。

⑤ 換気をよくする

タバコの煙や台所からの油煙は、壁紙を短期間で黄色く変色させます。また、水蒸気の発生による結露は壁紙のシミやカビ、剥がれの原因となります。換気扇や除湿機を、こまめに使うことをおすすめします。

⑥ できるだけキズをつけない

家具の角を壁紙に当てないように気をつけましょう。また、子どもがイタズラ書きしそうな場所にはシートを張るなどの対策をしておきましょう。

⑦ 家具と壁面のスキマをあける

家具と壁が密着していると、家具の塗料に含まれる色素で変色する場合があります。隙間をあけておくと、変色はもちろん結露の防止にもなります。

部屋の面積の大部分を占める壁は、住まいの快適さに大きく影響します。快適な住まいづくりのために、壁の状態を見直してみましょう。壁がきれいになるだけで、部屋の中が明るくなり、空気まできれいになったように感じるものです。

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