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通信講座No.019 「冬に部屋が冷え込んで寒い思いをしていませんか?」

講座No.019-2 「自分でできる断熱対策」

前講座で、断熱が住まいの省エネに大きく影響することを確認しました。
しかし、住まいの断熱化は本格的なリフォーム工事となりますので、予算もそれなりに必要です。
いくら重要であると分かっていても、誰もがすぐに工事できるものではないでしょう。
そこで、まずは自分でできる断熱方法にチャレンジしてみましょう。

◆窓際対策

図1は、夏・冬それぞれの場合における熱の流動を家の部位ごとに示したものです。図からもわかるように、夏・冬ともに、窓からもっとも多くの熱が出入しています。これは、ガラスがものすごく熱を伝えやすい素材であることに起因します。つまり、外の温度に影響されやすく、そのために部屋の温度にも大きく影響します。したがって、部屋を快適な温度に保つには窓の断熱性を高めることが大切です。

自分でできる断熱対策

自分でできる断熱対策昔の日本家屋には、ガラス戸はなく、和紙を貼った障子か襖、そして外部との遮断は木戸しかありませんでした。冬はどんなに寒かったことでしょう。しかし、窓の素材だけでいえば図2のように、ガラス窓(シングルガラス)よりも障子や襖の方が熱を伝えにくく、つまりは断熱性能の高い材料ということになります。
このように、窓の断熱性を高めるにはどんな素材で対処するかが大きなポイントです。

では、実際に自分でどのようなことができるでしょうか。

□カーテン

カーテンは、ただの飾りではありません。外気の熱から、室内の環境を守ってくれます。窓の種類にかかわらず、カーテンで窓回りを密閉状態にするほど、断熱効果が上がることが報告されています。下記のポイントを参考に、家のカーテンの断熱性能を見直してみましょう。

① 生地
生地の種類よりも、厚みと重さが決め手となります。太い糸で密度を詰めて、しっかりと織られたカーテンのほうが断熱性に優れています。重いということは繊維を多く使用していることの目安にもなり、遮音性にもつながります。下記の表は、ペアサッシ掃き出し窓に天づけ(天井から吊るす取り付け方)したカーテンの熱貫流率を示したものです。数値は、日本インテリアファブリクス懇話会「カーテン・カーペットによる室内の快適温熱環境計画」のデータを元に算出されています。重いこと、二重吊りにすることが熱貫流率を低くしていることがわかります。一般的に2重吊りというと、レースとドレープカーテンを使用しますが、最近はケースメントも人気があります。ケースメントとは、ドレープとレースの中間に位置するカーテンのことです。一見、レースのようにも見えますが、レースよりも太い糸でざっくりと編まれています。レースの軽やかさと透過性、ドレープの重厚さと風合いを合わせ持つカーテンです。ポリエステル、アクリル、綿、麻など、織られる素材はさまざまですが、ざっくりとした風合いとナチュラルな色使い、適度なボリューム感があります。

自分でできる断熱対策

② 形状
カーテンにもいろいろなスタイルがあります。ひだを作ったドレープ、生地を巻き上げたりたたんだりするスクリーンタイプ、左右にスライドするパネルタイプ、小窓などに用いるカフェカーテンなどさまざまな形状があります。その中でも断熱効果が高いのは、ドレープカーテンです。たっぷりとドレープ(ひだ)を取ることで谷間に空気を溜めておくことができ、断熱効果が高まります。市販のカーテンの多くは、価格を抑えるために窓幅の1.5倍程度の生地を使用して作られていますので、ドレープが大きくありません。断熱効果を高めるためには、できれば窓幅の2倍~2.5倍の生地が使われたカーテンを選ぶようにしましょう。

自分でできる断熱対策③ 取り付け方
ガラス面を覆うだけでは、熱の移動は防げません。窓と室内の空気とを完全に遮断するように取り付けることが大切です。天井からカーテンをつるす天付けは、上からの熱の移動を防ぐので効果的です。図3のようなカーブレールを利用すると、カーテンの横からの熱の移動を防ぐこともできます。カーテンボックスも効果的です。下は床に被るほどに生地を長くたらすとよいでしょう。腰高の窓でも、床までの丈にすると、外気の侵入を防ぐことができます。

□障子

自分でできる断熱対策最近の新築は和室のないつくりが多いので、障子のない家が増えています。しかし、障子はカーテンの二重吊りに匹敵するくらい断熱効果の高いアイテムです。
障子は、日射を遮蔽し吸収するのでガラス窓(透過率:約90%、障子は40~50%)に比べ、流入熱を2分の1程度に減少します。したがって、冷房時にはかなりの省エネルギー効果が期待できます。また、障子紙の多孔性という特質によって、ごく自然なかたちで換気と清浄化を行っています。吸湿性もあるため、湿度の高い日本の住宅に適した建具ということができます。さらに、障子は和紙の特性により光に作用する優れたインテリアでもあります。例えば、強い光をやわらげ均斉度のある明るさを提供しますし、そのやわらかな光は、忙しさに追われてストレスがたまりがちな神経をやわらげる心理的な効果があります。また、光を反射し拡散させる障子は、壁の一部となって室内照明の光の下では、照明効果を大幅にアップします。和室を洋風に使うために障子を外している人は、是非もう一度利用を考えてみましょう。断熱効果だけでなく、おしゃれな空間づくりにも役立つはずです。(図4)

□ガラスシート、ガラスフィルム

断熱シート(フィルム)や遮熱シート(フィルム)がいろいろ発売されています。高性能のものになると、窓際の温度を5~6度下げられるものもあります。ただし、品質・性能の高いものは、専門業者に頼まないと貼れないことも多いようです。比較的簡単に施工できるものはホームセンターやインターネット通販などでいろいろ購入できます。水貼りタイプならはがすのも簡単です。性能はシート(フィルム)によって差がありますので、カーテンや障子による断熱の補助として使うとよいでしょう。一般的な施工方法は、下記を参考にしてください。

まずはガラススクレーパーと雑巾などでフィルムを貼るガラスの掃除をします。これが一番大事な作業です。もし、ホコリや汚れがあればきれいに貼れないばかりか、貼ったあとも剥れやすくなります。
掃除が終わったら、霧吹きに中性洗剤を1滴ほど入れて水で薄めます。
少し大きめに切ったガラスフィルムを貼ります。ガラスフィルムのシートをはがし粘着面に中性洗剤を薄めておいた霧吹きをスプレーします。ガラスのほうにもスプレーして接着面を湿らせます。こうすることによって、多少ずれても修正ができる上に空気も抜けやすくなります。フィルムは大変薄く折れやすいので取り扱いに注意しましょう。
真ん中から空気を抜いてきれいに貼った後、余った部分をカッターナイフでカットします。あとは乾けばきれいに張り付きますので、乾くまではできるだけ触らないようにします。
施工時の水分が施工後しばらく、ガラスとフィルムの間に残る場合があります。これにより、小さな水泡が残ったり、フィルム面が曇って見えたりすることがありますが、これは水分の蒸発とともに無くなります。但し、気温が低いときや日陰では蒸発にある程度の日数を要する場合もあるでしょう。

◆床の断熱対策

自分でできる断熱対策近年、フローリングの部屋が多い住宅においてぜひ実行したいのが、床の断熱対策です。最近の省エネ住宅では、基礎断熱を施したうえで床断熱対策もされています。 自分できる対策は簡単、カーペットを敷くだけです。単純ですが、効果は十分にあります。
カーペットは細い繊維の集合体である織物です。織物は、繊維と繊維の間に多くの空気を保持するため、もともと保湿性に優れているのですが、カーペットの場合は厚手の織物組織に加えてパイルという立毛があり、3次元の立体構造になっているために空気をたっぷりと含んでいます。このため、カーペットの保温効果は、数ある床材の中でも飛び抜けて優れており、暖房に要するエネルギー消費を大幅に節約することができます。図5は、床材の種類ごとの熱伝導率を示しています。空気を多く含むカーペットの熱伝導率は、木の床の半分ほどの低さです。カーペットは熱伝導率が低いため、急速に熱を奪うようなことはなく、寒い時に素足で触れても冷たさを感じることがないのです。
図6は、床材による足裏の温冷感覚と温度変化を示したものです。人の感覚と床材が熱を吸収する速度の値は一致していて、カーペットが最小であることがわかります。硬質床材の値はいずれも相当に大きく、クッションフロアがカーペットの約3倍、木質床が5~6倍、塩ビタイルは10倍以上の値を示しています。これは、カーペットが人体の熱を奪いにくい床材、つまり温かい床材であることを意味しています。

自分でできる断熱対策

さまざまな素材でカーペットは作られていますが、断熱性、保温性、安全性のうえからおすすめなのが、ウールのカーペットです。アクリル製品に比べると高価ですが、高機能であるうえに自然素材だからこそ安心して使えるという点で、価格以上の価値があるといっても過言ではありません。
ウールは、吸湿力が非常に高いうえに、空気を体積の60%も含むことができるために熱伝導率が他の繊維と比べて低いのが特徴です。さらに、さまざまな有害物質を繊維内部に吸収し、室内の空気を浄化してくれます。吸音性にも優れています。また、万が一の火災時は、他の繊維に比べて水分率が高いため燃え広がりにくく、一酸化炭素ガスの放出が低く、煙も透明に近いので安心です。
ウールは、他の繊維に比べて3~5倍も汚れにくいといわれています。それは、ウールの表面がエビキューテクルと呼ばれる膜で覆われ撥水性があるためで、ジュースをこぼした時も、すぐに拭き取れば染みにもなりにくいのです。また、繊維中に湿気をほどよく含んでいるため、静電気が起こりにくく、ホコリやチリもつきにくいので、毎日の掃除も手軽でクリーニングの回数も少なくて済みます。さらに、繊維の一本一本がクリンプというコイルスプリング状になっているため、独特のふんわりとした柔らかい感触をもたらします。このクリンプは、人工的な加工ではなく自然なものなので、毛並みがへたって寝てしまうこともありません。家具の下でつぶれたように見えても、ウールカーペットなら蒸気をあてれば元に戻ります。いわば天然の形状記憶繊維ということです。
このように多機能なウールカーペットを、冬の断熱対策に上手に使うとよいでしょう。

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