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通信講座No.003 「雨の日に雨樋から水が溢れて、バチャバチャ音を立てていませんか?」

講座No.003-1 「雨樋の構造や種類」

雨樋は、水(雨)の侵入によって住宅が腐食するのを避ける役割と雨が直接下に落ちる雨音の騒音防止効果があります。具体的には、屋根に降った雨水をスムーズに寄せ集め、排水口へと排水することです。また、軒先から落ちる雨水によってできる溝や水たまりを抑える働きもします。つまり雨樋には、「建物への浸水を防ぐ」「建物の耐久性を高める」「騒音を抑える」「建物周りの植栽を守る」などの機能があるのです。
しかし、昨今はほとんどの樋が塩ビ製のため、10年以上になると劣化により割れたり、ジョイント部分が外れたり、ゴミなどが詰まったりします。また、雪による被害も多く、樋が曲がったり、水の流れをとる勾配がおかしくなったりもします。それは、樋を支えている金物が、雪の重さで曲がってしまったことが原因です。
これらの状態になると、雨樋の機能を十分にはたせず、特に夜中の雨で音が大きく聞こえて気になるようなことが起きます。夜中にタレ落ちる音は、隣家にも迷惑をかけるケースも少なくありません。このようなことを避けるためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。1ヵ所、2ヵ所の小さな修繕で済むうちは、自分で補修することも可能です。
では、まず雨樋の構造と部材について説明します。図1をご覧下さい。図からもわかるように、雨樋を構成する部材はたくさんあります。どこにどのような部材が使われているか知っておくことが、自分で補修するには必要です。止まりの部分には、メーカー名やマーク、サイズが書かれていることが多く見られます。集水器は、「マス」「上戸(じょうご)」「あんこう」とも呼ばれます。

「雨樋の構造や種類」

雨樋には色だけではなく、サイズや形、材質など様々な種類があります。サイズとしては、軒樋が幅100㎜と105㎜、たて樋が直径50㎜と60㎜が主なサイズとなります。また、図2、図3のように形も主に丸樋タイプと角樋タイプがあります。
一般住宅で広く普及している丸樋タイプは、色が豊富で、予算の面でも角樋よりも割安となっています。一方、角樋タイプは、底が平になっているため、丸樋よりも断面積が大きく取れ排水能力が高いといわれています。水平勾配も丸樋よりも必要ないため軒先のラインが美しく仕上がるメリットもあります。大手ハウスメーカーで建てられた家の場合は、デザイン性を重視して形やサイズが特殊な雨樋が使用されている場合が多くあります。そのような場合、ホームセンターなどでの部材の購入は困難です。

「雨樋の構造や種類」

サイズや形の他にも、材質による種類があります。主な種類と特徴は次のとおりです。

塩ビ製品

塩化ビニール製品の雨樋は、価格も安く、様々な製品があります。ただし、安いだけに消耗品ともいえます。寒暖により伸縮があり、また経年によって硬化し割れやヒビを生じやすくなります。一般的に、専用の継手と接着剤を併用してつなぎ合わせますが、接合する軒樋の長さは10m以内とし、10mを超える場合は伸縮継手を設けるようになっています。

非塩ビ系合成樹脂材製品

最近では、様々な用途や環境面への注目やリサイクルを考えた製品として、再利用が利く非塩ビ系合成樹脂製品が増えてきました。値段は、塩ビ製品よりも高いのですが、デザインがおしゃれなものが多いようです。施工については、メーカーによってそれぞれ基準が設けられています。

金属系製品

昔は、雨樋といえば金属系が主流でした。現在、雨樋を施工するのが建築板金工であるのも、これに由来しています。材質は、合成軽量アルミ、ステンレス、銅などがあります。お寺や長期住宅、メンテナンスが困難なビルなどで今も使われています。施工は、塩ビ製とは異なり、手間もかかります。一番丈夫なのですが、値段も高いため通常の一般住宅ではあまり使われていません。

木系製品

薄鉄板が普及する昭和までは、武家屋敷などの立派なお屋敷で竹を利用した雨樋が主流でした。現在では、お茶室などの建物を作るときや重要文化材クラスの建物にしか見かけなくなりました。

雨樋は、樋受け金物やつかみ金具によって建物に取り付けられます。樋受け金物やつかみ金具にも、用途に合せて図4のようにいろいろな種類があります。金具の材質は、ステンレス製や鉄部に溶解亜鉛メッキをしたものが一般的です。軒樋の形状にあったものを使うのは当然ですが、他にも軒先の出具合、屋根材、垂木か鼻かくしなどの状況に合せて受け金物を選びます。

「雨樋の構造や種類」

①つる首:  垂木に打ちつけるタイプです。
②打ち込み: 垂木に打ちつけたり、鼻かくしと軒先の差がないときに使います。
③正面打ち: 鼻かくしの正面に取り付けます。屋根との差がないときに使います。
④つかみ金具:たて樋を固定するのに使います。でんでんとも呼ばれます。

金具の付け方には基準が設けられていますが、それは樋の材質、形状、建物の形によって異なります。
以前は、鼻かくしに900㎜間隔ほどで受け金物を付けられている建物が多く見られました。最近は450~600㎜が一般的です。

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