ちょっと本格的なDIY講座~住まいの学習館(通信講座)~

住まいに関する知恵や技術を学ぶことが出来る通信講座や体験イベント情報を紹介

通信講座No.022 「浴槽が古びて、汚くなっていませんか?」

講座No.022-1 「浴槽の掃除のポイント」

浴室は1日の汗と疲れを流し、リラックスする空間です。最近は、ダイエットや健康促進に効果的な入浴方法などもさまざまなメディアに取り上げられています。このように心身の健康に重要な空間といえる浴室ですが、水あか、湯あか、石けんかすなど、家の中でもっとも汚れやすい場所でもあります。その上暖かく湿度が高いため、手入れを怠るとカビも生えてきます。さらに、その形や素材、家族数や入浴習慣などによってその汚れ方や汚れの種類もさまざまです。特に浴槽は、残り湯をはったままにすることもあるため、汚れがこびりつき変色している家庭も多いのではないでしょうか。そもそも浴槽は、皮脂系の汚れと水を使うことによるミネラル汚れが複合化しやすい場所です。ついたばかりの汚れなら洗い流すか中性洗剤でほとんど落ちますが、こびりついてしまうとなかなかとれず大変です。また、汚れの種類や度合い、材質によって掃除の方法も変わってきます。
浴室を心からくつろぐことができる清潔で心地よい空間にするために、まずは特徴的な汚れの種類とその原因を知っておきましょう。

◆水あか、湯あか

水道水に含まれるケイ酸が、次第に堆積し、ザラザラまたはヌメヌメした汚れとなります。放っておくとしつこい汚れとなりやっかいです。ついてすぐなら水洗いで簡単に落とせますが、こびりついた汚れは浴室用中性洗剤でこすり落とします。浴槽の水面付近についた汚れは、洗剤をかけて2~3分おいてからこすると落ちやすくなります。汚れがこびりついてしまった場合は、洗剤をかけてラップやティッシュなどで湿布し、しばらく放置してからこするとよいでしょう。

◆金属石けん

白っぽく固い、ざらざらした汚れは金属せっけんです。石けん分や身体の脂肪分が水道水に含まれるカルシウムなどの成分と反応してできる汚れで、浴槽の縁や浴室全体にも発生します。ついてすぐなら浴室用中性洗剤で落とせますが、蓄積した頑固な汚れは浴室用クリームクレンザーを使ってこすり落とします。こすりすぎて表面を傷つけないよう注意しましょう。

◆銅石けん

銅石けんは浴槽の水面付近や追焚口のまわりが青く筋状になる汚れで、配管や給湯機内部や配管に使われている銅管からわずかに溶け出した銅イオンと、石けんやあかに含まれる脂肪酸が反応してできます。銅イオンだけでは青く染まりません。浴槽に石けん分やあかが残らないように掃除すれば予防できます。こびりついてしまった汚れは、浴室用クリームクレンザーで表面を傷つけないようにこすり落とします。銅イオンは銅管の表面が新しいときに溶け出しやすく通常は数ヶ月くらいでおさまりますが、水質によっては長年にわたり出続ける場合もあります。なお、銅は食品の中にも含まれているもので、通常は体に影響はありません。

◆カビ

壁・床のタイルや目地についた黒ずみの正体はカビです。湿度も高く栄養分も豊富な浴室は、放っておくと壁や床タイルの目地、浴槽と壁・床との取り合い部分、浴槽のふたにカビが発生してしまいます。発生を防ぐにはカビの栄養源となる石けんかすなどの汚れを洗い落とし、十分換気をして湿気を払います。また、発生してすぐならば浴室用中性洗剤で落とせますが、落ちにくい場合はカビ取り剤が、効果があります。尚、カビ取り剤を使用する際は、製品の注意表示をよく読んでから使用しましょう。素材によっては、使用できないものもありますので注意しましょう。

◆さび

金属や浴槽に出る茶色のザラザラした汚れはさびです。金属の表面が湿気や腐食性ガスに侵されると発生します。水栓金具などのめっき製品にも目に見えないごく微細な小穴があり、さびが発生することがあります。発生を防ぐには金属表面の汚れを取り除き、水滴を拭き取っておくと効果的です。しつこい汚れは浴室用中性洗剤や浴室用クリームクレンザーで落としてから空拭きします。

◆もらいさび

濡れたヘアピンやカミソリなどに発生したさびが、プラスチックなどに付着したものです。また、水道水に含まれた微量の鉄粉が付着して、斑点状のさびが発生することがあります。浴室用クリームクレンザーで表面を傷つけないようこすり落とします。落ちにくい場合は歯ブラシを使うと良いでしょう。

以上が、汚れの特徴ごとのお掃除ポイントですが、注意しなければならないのは汚れの種類ばかりではありません。浴槽の素材に合わせたお手入れをしなければ、素材を傷め汚れが付きやすくなってしまいます。一般的な住まいの浴槽の素材は、FRP(ガラス繊維強化プラスチック)、人造大理石、ホーロー、ステンレス、木(ヒノキなど)、タイル等が主に使われています。それぞれにメリット・デメリットがあり、お手入れ方法も素材によって注意点が異なります。

◆浴槽の素材別のお手入れポイント

□FRP(ガラス繊維強化プラスチック)(図1)

浴槽の掃除のポイント保温性・耐久性・耐衝撃性が高く、カラーバリエーションも豊富で価格も手頃で手入れも簡単なため、もっとも普及している浴槽ですが、汚れが目に付きやすいのが難点です。普段のお手入れは浴室用中性洗剤を使用します。表面が保護コートされているものが多いので、スポンジでもこすり過ぎると表面の光沢層がなくなって汚れが一層付きやすくなるため注意が必要です。

□ホーロー、ステンレス(図2、図3)

お手入れが比較的簡単な材質です。しかし、表面に傷がつくとサビが発生する危険があります。普段のお手入れは浴室用中性洗剤を使用し、汚れのひどい場合は、浴室用クリームクレンザーで目に沿って軽くこすります。酸性の洗剤は変色するので使用してはいけません。

浴槽の掃除のポイント

□人造大理石(図4)

浴槽の掃除のポイントサイズ、カラー、価格ともに選択肢が多いうえに、お手入れも簡単なため、最近は最も人気の高い材質です。普段のお手入れは浴室用中性洗剤を使用し、汚れのひどい場合は、浴室用クリームクレンザーで軽くこすります。酸性の洗剤は変色するので使用してはいけません。

□木製(図5)

浴槽の掃除のポイント保温性・耐衝撃性が高く、自然素材ならではの魅力がありますが、洗剤を嫌い腐朽しやすいため、お手入れは簡単とはいえません。普段のお手入れは洗剤を使わないお掃除を心がけ、汚れがひどい場合のみに中性洗剤を使用します。換気を十分にすることがキレイに保つポイントです。

□タイル

サイズ、カラー、価格ともに選択肢が多く、個性的な浴室づくりには最適ですが、目地のお手入れの手間を気にする人も多くいます。タイルのこすり過ぎは艶をなくし、目地がやせる原因になるので気をつけましょう。普段のお手入れは浴室用中性洗剤を使用し、汚れのひどい場合は、浴室用クリームクレンザーで目地に沿って軽くこすります。

なお、市販の合成洗剤はなるべく使わずに浴槽をきれいにしたい人は、重曹と酢(またはクエン酸)を使用する下記の掃除方法を試してみてください。蛇口まわりのお掃除にも有効です。

◆環境にやさしい掃除の方法

□用意するもの

・浴槽掃除用スポンジか掃除用クロス(アクリルたわしがお薦めです)
・重曹 (分包の製菓材料は割高なので、大袋入りがお薦めです)
・酢かクエン酸(粉状のままでも可)
※酢は食酢と表示されたものを使用します。寿司酢などの調味酢は使えません。
※木製浴槽は変色のおそれがありますので、この方法はお薦めできません。
※ホーロー、ステンレス、人口大理石製の浴槽は、酸性のものに弱いので目立たない部分で試してからにしましょう。

□掃除の手順

最後の入浴直後の浴槽がまだ温かいうちが掃除に最適なタイミングです。汚れが柔らかく落ちやすくなっています。
まずは、掃除用スポンジに重曹を多めに盛り、小さな円を描くように浴槽をこすっていきます。弱アルカリ性の重曹は、浴槽に付着した皮脂汚れや石けんかすや湯あかをよく落とします。重曹は樹脂(プラスチック)より柔らかい粒ですので、穏やかな研磨作用で汚れを落とします。ただし、FRPの浴槽はこすり過ぎに注意しましょう。
浴槽の底までこすったら、軽くシャワーで全体をすすぎます。
次に、すすいだスポンジに酢(クエン酸)を取り、同様にこすっていきます。弱酸性の酢やクエン酸は、水道水に含まれるカルシウム汚れをよく落とします。
掃除後は、酸が残らないようにしっかりとすすぎます。
そして、浴槽の掃除とともに行いたいのが風呂釜の掃除です。
風呂釜とは文字通り言えばお風呂の湯を沸かす釜のことですが、現在はいわゆる「お釜」で湯を沸かしているお宅は滅多にないでしょう。しかし、慣習上「お風呂を沸かす装置」を今でも「風呂釜」と呼び習わしています。「風呂釜」として多く設置されている「バランス釜(Balanced-Flue式給排気方式をとる密閉式風呂釜)」(2つ穴式)は浴槽の中の水を自然に循環させながら温めるために大変湯あかが付きやすくなっています。この白茶けた独特なヘドロ状の湯あかには水道水中のミネラル分のほか、皮脂や垢が含まれ、細菌が繁殖して不衛生です。湯あかがたまると熱効率も落ちるため、定期的な掃除が必要になってきます。風呂釜掃除には専用の洗浄剤が多く市販されており、商品ごとにその方法も記載されていますが、ここでは酸素系漂白剤を用いた比較的手軽で安全な方法をご紹介します。屋外設置型壁掛け式ガス給湯器(1つ穴式)の場合も同様です。

◆風呂釜の掃除方法

□用意するもの

酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)250グラム (ドラッグストアなどで購入できます。)
※酸素系漂白剤を水に溶かすと発砲し、「過酸化水素」と「炭酸ソーダ」に分解します。その際に発生する活性酸素によって漂白・除菌できます。

□掃除の手順

風呂の残り湯を循環口の上、5センチ程度残し、酸素系漂白剤を約250グラム投じてよくかき混ぜます。(湯温は高めのほうが良い)
入浴に適した温度まで追い焚きします。浴室内の風呂イスなどをついでに湯に漬け込むと、汚れが落ちやすくなり一石二鳥です。
3時間以上放置したのち、再度数分追い焚きし、排水します。白っぽい汚れが浮いてきます。
浴槽の中のものを出し、再度数分給湯した後、排水します。
浴槽をよく洗ってすすぎます。

さて、せっかく掃除した浴槽・浴室はいつまでもキレイに保ちたいものです。そのために下記の5つのポイントを実行して、いつでも清潔な空間でリラックスできるようにしましょう。

1.最後に入った人が軽くお掃除を習慣に
最後に入浴した人が、シャワーで壁や床を洗い流し、残り湯を抜きながら浴槽内の湯あかをスポンジで落すことを習慣にしましょう。さらに、から拭きで水気を取れば完璧です。

2.しっかり換気してカビの発生を防ぐ
湯気を好むカビはバスルームの大敵です。こびりついてしまったカビは見た目に悪いだけでなく、容易に取り除くことができません。入浴後にはできるだけ長く換気扇を回すか、窓を開けてしっかり換気しましょう。

3.一度の掃除は15分~30分を目安に
浴室の掃除は意外に体力のいる作業です。時間をかけすぎると、心身ともに疲れ果ててしまい、つい億劫になりがちです。一度の掃除は15分~30分を目安に、無理せず気軽に毎日を習慣にしましょう。

4.水栓をピカピカにしてキレイ度アップ
キッチン(講座No.20)や洗面所(講座No.21)のお手入れでも説明しましたが、浴室を清潔でキレイに見せるポイントはピカピカの水栓金具です。水あかや石けんかすは見た目によくないだけでなく、放っておくと頑固な汚れになったり、メッキがさびたりすることがあります。

5.使う目線で最終チェック
他人の目線でキレイ度を意識してチェックもできれば、完璧です。

以上のお手入れを参考に、清潔で快適な浴室の環境づくりにぜひチャレンジしてみてください。

同じカテゴリーの通信講座をピックアップ

水周り
水周り
講座No.004「排水パイプが詰まることはありませんか?」
講座No.005「便座が冷たいと思いませんか?」
講座No.006「浴室のシャワーの出はどうですか?」
講座No.020「台所の流し台回りが古くなり、汚くなっていませんか?」
講座No.021「洗面所が汚くなっていませんか?」
講座No.022「浴槽が古びて、汚くなっていませんか?」
講座No.034「湯沸器の調子は悪くありませんか?」
講座No.055「水道管の水が濁ったり、出が悪いような事はありませんか?」
講座No.057「風呂釜の調子は悪くありませんか?変な音などしていませんか?」
講座No.065「台所が狭くて使いづらいと思った事はありませんか?」

自然素材主義パートナー紹介