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通信講座No.022 「浴槽が古びて、汚くなっていませんか?」

講座No.022-3 「浴室リフォームの設備選び」

浴室のリフォームというとつい設備に気をとられがちになるほど、最近のシステムバスは機能もデザインもたいへん優れたものがたくさんあります。システムバスに限らず高性能・多機能な設備機器が多いため、多少の予備知識を持って設備選びを行わないと、多機能すぎて高いばかりで自分には必要が無かったり、逆に欲しい機能の付いた設備があると知らずに我慢してしまったりと後で後悔することになりかねません。
そこで、図1のような浴室の12の主要設備について、それぞれの選び方のポイントやお薦め機能を説明しましょう。

「浴室リフォームの設備選び」

◆浴槽

「浴室リフォームの設備選び」浴槽選びのポイントは形状と素材です。それぞれの特徴を理解した上で、家族全員の出入りの際の安全性確保、素材の肌ざわり、リラックス空間に適した視覚的快適性(デザイン・色彩など)を考慮し、形状と素材選びを行いましょう。特に、高齢者に配慮するのであれば、浴槽の縁部分が広くて腰かけることができるタイプがお薦めです。また、省エネ&エコの観点から、お湯が冷めにくい断熱構造の浴槽もお薦めです。(図2参照)

□形状で選ぶ

① 和式
・長方形型、長さ80~120cm、深さ45~65cm
・腰をおろした状態で肩までつかる入浴姿勢に基づき、浴槽が深いのが特徴です。設置スペースが広くとれない浴室に向いています。

② 洋式
・長方形型、長さ120~180cm、深さ45cm前後
・仰向けに寝た姿勢で入るために広く浅く造られた形状です。介護が必要な家族の入浴時、介護がしやすい反面、滑りやすい・立ち上がりにくいなどの問題点もあるため、手すりをつけるなどの配慮が必要です。

③ 和洋折衷
・長方形型、長さ110~160cm、深さ60cm程度
・和式・洋式の間をとった、座れば足を伸ばせる形状です。ユニットバスやシステムバスに使われる浴槽としては一番オーソドックスなタイプです。

④ その他
・一般的な長方形型ではなく、円形、半円形などの形状もあります。(図3、図4参照)
・デザイン性だけではなく、角がないという安全面でも注目されている形状です。

「浴室リフォームの設備選び」

□素材で選ぶ

① FRP(ガラス繊維強化プラスチック)
・ 保温性・耐久性・耐衝撃性が高く、肌ざわりにぬくもり感があり、価格も手頃です。
・ 手入れは簡単ですが、汚れが付きやすいのが難点です。

② ステンレス
・ 高い耐久性と保温性が特長で、価格も手頃です。
・ 傷やサビにも強くお手入れも簡単ですが、もらいサビには注意が必要です。見た目が無機質なため、ぬくもり感を演出したい場合には不向きといえます。

③ ホーロー
・ 独特ななめらかな肌ざわりと色合いが特徴で、価格はFRPやステンレスよりも高めです。
・ 手入れは比較的簡単ですが、表面に傷がつくとサビの危険があります。

④ 人造大理石
・ 現在、商品バリエーションがもっとも多い素材です。サイズ・カラー共に選択肢が多く、価格帯も広いため予算に合わせて選ぶことも可能です。
・ お手入れは簡単ですが、メーカーや商品によって品質に差があるため注意が必要です。ポリ系はアクリル系よりも耐久性・耐衝撃性で若干劣ります。

⑤ 木製
・ 保温性・耐衝撃性が高く、木材独特の心地よい肌ざわりが特長です。
・ お手入れには注意が必要です。また、木材の品質や材質によって耐久性などに大きな差異が生じます。

⑥ タイル
・ 形状がオーダーメイドできるため、個性的な浴槽づくりに向いています。
・ 肌ざわりの冷たさや目地の手入れの手間を考慮する必要があります。

◆床・壁・天井

素材選びのポイントは、
1)汚れ・カビに対する強さとお手入れのしやすさ
2)保温と安全性
3)浴槽とのデザインバランス
の3つです。
但し、システムバスやユニットバスの場合は、在来工法ほどには自由度がありません。また、浴槽以上に床・壁・天井は、視覚的快適性を左右します。各メーカーは、バランスを考えてシステムバスの設備をデザインしていますので、それぞれのメーカーのシステムバスを見て、一番希望に近いデザインシリーズがあるものを選んでから他の設備を決めると、空間イメージがしやすくなります。メーカーによっては、選んだ色柄でシミュレーション画像を作ってくれますので、ショールームに行くことをお薦めします。細かい部分にオプションで基準選択肢以外のものが使用できる場合もありますが、その場合は別途費用が生じるのが一般的です。
主な素材である樹脂系、タイル、木製、モルタル系の4種類の特徴を比較したものをレーダーチャート(図5)にしました。詳細記入した表と合わせて素材選びの参考にしてください。

「浴室リフォームの設備選び」

「浴室リフォームの設備選び」また、浴室とともに洗面脱衣室も一緒にリフォームを行えば、図6のように浴室と洗面化粧台をコーディネイトしたデザインにすることも可能です。

◆カウンター

一般的なシステムバスには、カウンターがセットされていますが、在来工法でも洗面器をのせるくらいのカウンターがあると便利です。特に身体の曲げ伸ばしが大変な高齢者や洗面器にお湯をためて使うことが多い人にとっては、水はけのよい形状及び素材を選んで設置するとよいでしょう。
最近のシステムバスは、図7のように配管が狭いカウンター内部に施され、水栓と吐水口もカウンターに直接付いているすっきりとしたものも多くなっています。図8のような広いカウンターは、介護にもやさしいデザインです。

「浴室リフォームの設備選び」

◆水栓・シャワー

水栓・シャワー選びのポイントは、カランの形状と取り付け場所です。最近は、お手入れが楽な凸凹の少ないシンプルな形の水栓が人気です。図9はTOTOのシステムバスに使われている水栓の例です。取付場所については、広めの浴室や家族の多い場合は、浴槽のお湯の温度調整がしやすいように身体を洗うサイドと浴槽サイドの2箇所に設置すると便利です。しかし、最近は水栓も多機能化したために価格自体が高価になってきていますから、2つ取り付ければそれだけ予算も必要になります。そこで、一般的な一坪前後の浴槽の場合なら、シャワーがあれば身体を洗うサイドのみに水栓を設ければ十分でしょう。かつてはシャワーがない浴室もめずらしくありませんでしたが、最近はほとんどの家庭の浴室にシャワー水栓が設置されています。シャワーの性能も多機能化し、選択肢も豊富です。お薦めは、通常よりも水量を抑えながらも違和感なく使用できる図10のような節水タイプです。また、シャワーヘッド部分についたワンタッチボタンで止水ができるものは使い勝手がよく、節水効果もあります。シャワーヘッドの材質には樹脂タイプと金属タイプがあり、樹脂タイプは金属タイプよりも軽くて価格も手頃ですが、傷がつきやすく汚れやすいので注意が必要です。

「浴室リフォームの設備選び」

「浴室リフォームの設備選び」さらに、シャワーの使い勝手をよくするために、シャワーハンガーの機能性もよくなっています。従来のシャワーハンガーは、図11のように適当な2箇所にハンガーを設置するのが普通でした。そのため、家族全員の体格に合うことはまず不可能でした。しかし、最近は図12のように、スライド式のバーにシャワーハンガーがついて、高さを自由に調整できる製品が発売されています。子どもから大人まで、立っても座ってもその状態に合わせて調整できるので大変便利です。また、ハンガー部分の角度が調整できるものもあります。シャワーの使用状況に合わせて、適したシャワーハンガーを選びましょう。

「浴室リフォームの設備選び」

◆照明

照明選びのポイントはやはり省エネです。かつては、白熱灯が使われていることが一番多かった浴室ですが、環境負荷と省エネを考えるこれからのリフォームでは、LEDランプをお薦めします。例えば、4人家族で浴室の照明が54kw白熱灯1つと同等の明るさのLED(0.0065kw)1つを比べた場合、1年間で762円電気代が節約できる上に、13kgのCO2排出を削減したことになるそうです。これは、高さが約20~30mの50年杉1本が約11ヶ月で吸収する量に匹敵します。(参考資料:「地球温暖化防止のための緑の吸収源対策」)

◆窓

浴室の窓は、湿気と温度差で結露が生じやすく、換気が十分でないとカビも発生しやすくなります。断熱性能の高いペアガラス(複層ガラス)などを選びましょう。最近は、ブラインドがペアガラスに内蔵されて目隠し機能と手入れの手軽さの両方を兼ね備えたものもあります。

◆出入口・扉

出入口・扉は、バリアフリーを考えて選択しましょう。それには、出入口の段差はできるだけ無くすようにすることと、扉は引き戸か折れ戸を選びましょう。万が一、入浴中に倒れた場合、その身体がつかえて扉が開かないという問題を解消するには引き戸が一番適しており、次に折れ戸が良いことがわかっています。ただし、引き戸の場合は、引いたドアの引込みスペースが不可欠となりますので、浴室や洗面脱衣室の形や配置によっては設置が難しいこともあります。リフォーム業者によく相談しましょう。

◆換気扇

浴室にとってはなくてはならない設備です。予算に問題がなければ、浴室暖房機能付のものを選ぶとよいでしょう。特に在来工法の浴室は、システムバスに比べて保温性や断熱性に劣ります。冬のヒートショックによる事故を防ぐために、浴室と脱衣室を暖めることができるような設備を選ぶことが大切です。最近は暖房機能だけでなく乾燥機能もついた1台3役の換気扇が人気です。梅雨時や乾燥機を使いたくない衣類を干すのに大変便利です。また、換気扇を効率よく使うためには、給気を確保する必要があります。浴室の窓、ドアの換気口、隣室(洗面脱衣室)の給気口や窓などで、給気が十分にできるように配慮しましょう。

◆その他

□給湯器

出来れば、浴室リフォームの際に一緒に交換することをお薦めします。最近の風呂給湯器は熱効率がよく省エネタイプが主流です。既存のものが新品ならともかく、7~8年経ったものならば、エコキュートやエコジョーズなど高効率の製品へ交換することも考えてみましょう。給湯器の詳しい説明は、通信講座No.006-3をご覧下さい。

□手すり

後から付けることが可能な場合もありますが、漏水の心配を無くすためにも最初から計画することをお薦めします。特に、システムバスは設備の配置の自由度が限られているので必ず他の設備を検討する際に合わせて手すりの位置を決めましょう。検討すべき手すりの取付け位置は、浴槽サイド、浴槽への出入りサイドと浴室への出入り口の3箇所です。

□呼び出しブザー

あると便利なのが呼び出しブザーです。高齢者や子供のいる家庭ならなおさらです。風呂給湯器のリモコンにインターホン機能があるものもあり、浴室での安否の確認に役立ちます。

□ジェットバス

お湯の中にジェット噴流で泡を吹き出すジェットバスも、以前より手軽につけられるようになってきています。システムバスのオプションで選択できるものもあり、選択肢も増えています。身体が温まる、泡の刺激が肌によい、噴流の刺激によるマッサージなどの効果も期待できます。

以上が主要設備の選び方です。他にも浴室をより安全で快適な楽しい空間にするためには、さまざまな設備があります。浴室用テレビやオーディオなども、システムバスではオプションで気軽に選択できます。予算と必要性のバランスをよく考えて、自分の家族と住まいに適した浴室リフォームにしましょう。

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