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通信講座No.023 「カビや結露が出ることはありますか?」

講座No.023-1 「カビと結露の基礎知識」

カビや結露が発生する原因として、不十分な通気による換気不足、敷地自体の湿気、水蒸気を多発させる住まい方などが主に考えられます。いずれが原因であってもカビや結露は、人体は勿論、建物や衣類などにも良いものとはいえません。原因の特定を行い、しっかりとした計画のもとで処置することが必要です。
そこで、対策や処置の前に、まずはカビと結露の基本的事項を確認し、原因の特定をしっかり行いましょう。

◆カビ

□カビは微生物

一般的にカビとは、酵母、キノコを含めて真菌と呼ばれる微生物の一群のことを意味します。カビは気中菌糸(空中に突出している菌糸)をつくり毛状で、糸状の菌糸先端から栄養や水分を吸収しながら伸びていきます。実際に私たちがパンや鏡餅の表面にカビが生えたと気づくのは、この菌糸が伸びて菌糸体を作った状態の時です。さらに、成熟した菌糸から胞子を作りますが、この胞子はカビの種類によってさまざまな形があります。ちなみに、酵母は気中菌糸をつくらず外観が泡状であること、キノコは大きな子実体(胞子をつくる器官)をつくることを特徴としています。

□カビの種類

カビの種類は約5~6万種あると言われ、その中には有益なものも有害なものもあります。私たちは、有益なカビの酵素作用を利用して醸造食品や発酵食品などの製造や、抗生物質として活用しています。その一方で、カビにはカビ毒といわれる毒性物質を作り出すものもあります。
家の中で見られる代表的なカビはアオカビ、コウジカビ、クロカビですが、同じ家でもそれぞれの場所の環境によって生えるカビの種類が違います。比較的湿度の高い風呂、キッチンなどの水周りには黒色酵母様菌、フォーマ、ススカビ、クロカビなどが、湿度の低い所にはユーロチウム、コウジカビ、アズキイロカビなどが生えやすいです。

□室内でのカビの発生条件

カビは常に空気中に存在し、家の中を漂っています。室内の空気1・3中には、いつも200~400個のカビが浮遊していると考えられています。また、通常は室内のほこり1gあたり数百個のカビが検出されます。室内カビ数の衛生基準はありませんが、一般的に100個以下は少なく、1000個以上であれば多いといえるようです。
空気中に浮遊しているカビの胞子が室内の表面に付着し、出芽し、私たちの目に見える形に発育するには、次の4つの条件が必要です。

①適度な温度があること(10~35度前後)
②栄養分があること(有機化合物で自然、人工を問わない)
③水分(湿気)があること
④酸素があること

一般住宅の一年間の室内平均温度は10~30度で、いつも一定量の湿度があります。そして、現在住宅で使用されているほとんどの建材をカビは栄養分にすることができます。さらに、建材の表面にほこりや汚れなどがあるとカビの発育は促進されます。つまり、カビは一年中室内で発生可能な状態ということになります。

□カビの悪影響

まず、一番の問題となるのがカビ毒です。カビ毒は、カビが産生する二次代謝産物の中で、人または家畜の健康をそこなう有毒物質のことで、マイコトキシンと呼びます。現在300種類以上のカビ毒が報告されています。マイコトキシンによって引き起こされる疾病をカビ中毒症又は真菌中毒症と呼びます。カビ毒で起こる真菌中毒症は深刻で、カビが発生した食物を食べる事で起こります。真菌中毒症は、肝臓・腎臓などに影響し、機能障害を引き起こすほか、発ガン因子になる場合もあります。
「カビと結露の基礎知識」また、カビはアレルギーの原因ともなるダニのえさにもなり、アトピー性皮膚炎や喘息などのアレルギー性疾病の原因になることもあります。さらには、水虫のように一部のカビは人体に感染を起こします。
影響は人体ばかりではなく、建材などにも及びます。図1は、パッキンや浴室などのゴム状の目地に使われるシリコンシーラントに付着したクロカビの様子です。表面だけではなく、内部にまで菌糸を伸ばして育っています。このように奥にまで侵入した菌糸を取り除くことはできませんので、表面上取り除いてもまた直ぐ発生してしまいます。こうなると、シリコンシーラント自体を撤去しなければ、カビを完全に排除することはできません。

◆結露

□結露は室温と湿度のバランス

結露は、ご存知のように固体状態における物質の表面または内部で、空気中の水蒸気が凝縮する現象のことです。空気中の水蒸気が凝縮するには、室温と密接な関係があります。室温によって空気中に含むことが出来る水蒸気の量は変わり、高温になるほど多くの水分を含み、低温になるほど少ない水分しか含むことができません。図2で示すように、飽和水蒸気量(ある温度の空気が水蒸気を含む限界の量)は温度によって変わり、露点(ある温度と湿度のときに飽和水蒸気の限界となる温度)も同時に変わります。

「カビと結露の基礎知識」

□表面結露と内部結露

①表面結露
目に見えている表面の結露のことで、通常結露といえば表面結露を指します。最も多い事例は、冬に窓ガラスやアルミサッシで発生する結露です。
②内部結露
建物の内部で起こる結露のことで、建物の室内側に防湿層がなく、室内で発生した水蒸気が壁内に侵入する場合に発生します。これにより、木材や断熱材等の腐敗や劣化が進み、建物の寿命が短くなります。主に冬に起こりますが、エアコンの普及により夏にも起こりえます。建物ではありませんが、布団が湿るのも同じ原理です。体表部の温度は36℃程度で水蒸気を発散しており、布団の厚みの中で、外に向かって徐々に温度が下がっていきます。室温が低いと布団の中で結露が起きるので布団は湿り、頻繁に干さなければならなくなります。

□冬型結露と夏型結露

①冬型結露
室内の水蒸気の量が多い場合に発生し、外気によって冷やされるガラス、サッシ、壁の中の温度が露点以下になる部分で生じます。
②夏型結露
夏季の地下室や常時開放された倉庫などの床、エアコンがよく効いた部屋の冷たいものに高温多湿な外の空気が流れ込んで接触することで発生します。

以上のように、カビも結露も湿気と温度条件によって発生しやすくなります。つまり、季節ごとの適切な湿度管理が大切なのです。湿度管理は、相対湿度50%を目標とし、60%以上を超えないようにするとよいでしょう。そのためには、下記の2つを意識して行うことが大切です。
1.湿気の発生を抑えること
2.湿気を速やかに排出すること
しかし、室内での水蒸気の発生源は、人の体と暖房、加湿器以外にも、調理や洗濯物、植木鉢、水槽、浴室などいろいろとあり、湿度を管理することは結構大変なことです。そこで、まずは自分の住まいの水蒸気の発生源とその量を確認してみましょう。下記のリストで自分に当てはまる項目が何個あるかチェックしてみてください。その結果を住まいの湿気度の目安にして、これからの対策や処置に役立てましょう。

◆住まいの湿気度チェックリスト(答えが「はい」の項目にチェックを入れてください。)

□湿度計がありますか。
□1日中、家を閉め切りにしていませんか。
□室内を換気するときに、対角線方向の窓を開けるなど効果的な換気をしていますか。
□炊事のとき、換気扇を回していますか。
□湯沸器を使うとき、換気扇を回していますか。
□なべ物をするとき、換気扇を回していますか。
□入浴中、換気扇を回すか、窓を開けていますか。
□入浴後、浴室の壁が乾くまで換気扇を回すか、窓を開けていますか。
□室内に鉢植えが大量に置いてありませんか。
□室内に熱帯魚の水槽がありませんか。
□室内に洗濯物を干していませんか。
□乾燥機(洗濯用、食器用、浴室)の排気が室内に排出されていませんか。
□石油ストーブやガスストーブの上に、やかんを乗せていませんか。
□石油スト-ブやガススト-ブ、ファンヒ-タ-を使用しているとき、換気をしていますか。
□加湿器を必要以上に使用していませんか。
□窓ガラス、アルミサッシにできた結露をふき取っていますか。

●チェック数15以上 ランクA
立派です。あなたの住まいの湿度環境はかなり良好に保たれているはずです。今後もこの状態を維持していきましょう。
●チェック数14~10 ランクB
少し気を許すとすぐにカビが顔を出します。湿気対策で大切なのは継続していくことです。
●チェック数9以下 ランクC
このままではカビやダニは増える一方。室内から湿気を追い出すために、まずやれる項目から実行していきましょう。

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