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通信講座No.023 「カビや結露が出ることはありますか?」

講座No.023-2 「すぐに実行できるカビ&結露対策」

前講座で確認したように、カビは温度、湿度、栄養、酸素の4つの条件が満たされると活発に繁殖が始まります。そして、結露はカビの発生条件のひとつである湿気の供給源であり、ダニの発生条件はカビの発生しやすい温湿度とほとんど同じです。その上、ダニはカビを栄養にしていますので、結露がカビを、カビがダニの繁殖を増加させていることになります。このようにカビ・結露・ダニの発生は、互いに密接な関係にあります。したがって、適切な結露対策はカビ防止に役立ち、さらにはダニ防止にもつながります。
まずは、すぐに実行できるカビ&結露の防止対策からチャレンジしてみましょう。

カビ&結露対策の基本行動は5つです。
1. 水蒸気が発生するものには、換気を併用しましょう。
2. 押入・クローゼットの空気を入れ換えましょう。
3. 暖房機器を使用するときは、こまめな換気を心がけましょう。
4. こまめな掃除で室内を清潔に保ちましょう。
5. ライフスタイルを見直しましょう。

では、具体的にどのようにしたらよいでしょうか。
上記の基本行動1、2、3で示すように、水蒸気の発生を抑え、適切に換気をして室内の空気環境を整えることがカビと結露対策の要と言っても過言ではありません。しかし、部屋の用途や使用状況によって、水蒸気や結露の発生原因は違ってきます。下記の表は、部屋ごとの原因と対策、さらに注意すべき季節をまとめたものです。表を参考に、場所にあった適切な対策を実行しましょう。

すぐに実行できるカビ&結露対策

表からも分かるように、水蒸気や結露の発生についてはいろいろな条件があるため、一概に断定は出来ませんが、一般的に戸建て住宅よりもマンションの方が結露は起こりやすいようです。
すぐに実行できるカビ&結露対策マンションは戸建て住宅と比べ、どの部屋の温度も比較的安定し、平均化されています。冬でも日中降り注ぐ太陽で暖かい南の部屋には、暖房を使用しなくても大丈夫なマンションもあるでしょう。しかし、マンションは戸建て住宅よりも高い気密性を持っているうえに、戸建て住宅に比べて窓が少なく、換気がしにくい構造が多くみられます。そのうえ、換気扇は浴室・トイレ・台所以外に設置されていないのが一般的で、結露の危険性は高くなります。また、コンクリートは約10年間にわたってコンクリートの中の水分を外へ放出していきます。特に、建築後1~3年の間はその放出が著しいとも言われており、ますます室内の湿度が高くなりやすい条件にあります。戸建て住宅でも、図1のような部屋の位置や立地条件によっては、通風が悪く空気が流れずに換気がしにくいと、結露が起こりやすくなります。

では、短時間で水蒸気を排出し室内の空気を入れ替えるには、どのように換気や通風をしたらよいでしょうか。
換気には、窓などを開けて換気する「自然換気」と、換気扇などを使って換気する「機械換気」があります。現在は、建築基準法が改正され(平成15年7月1日施行)、居室には原則として機械換気設備の設置が義務付けられています。これは、シックハウスの原因となる化学物質の室内濃度を下げるための対策のひとつとして施行されました。高気密・高断熱の家が増えている昨今、意識しないと空気はよどんだままになってしまいます。空気をきれいにすることは病気を予防することにもつながります。あのナイチンゲールは、すでに100年以上も前にこの換気の大切さに着目し、衛生管理とともに徹底して行うことで、感染で病人が増えるのを抑えた記録が残っています。
そして、通風は文字通り家の中に風を通すことです。ただ単に窓を開けて換気をするのではなく、家の中に風を通すように工夫すれば、室内の空気がずっと短時間に改善されるうえに、除湿の効果も高くなります。
新建材や接着剤などに含まれるホルムアルデヒドなどの有害化学物質による健康被害とされるシックハウスも、室内の換気が不十分となった部屋に汚れた空気が滞留することが原因と言われています。室内の空気環境を改善し、カビと結露の防止に効果的な通風と換気のポイントは下記のとおりです。

1. 窓を開けるときは、カーテンも開ける。
2. 大きく一箇所の窓を開けるよりも、対角線上になるように2箇所の窓を開ける。
3. 空気の出口となる方の窓を全開にし、入り口となる方の窓を15cmくらい開ける。
4. 空気が流れにくく、よどんでしまう場所がある場合は扇風機などを使う。
5. 晴れた日の湿度の低い時間帯(春・夏:12~16時、秋・冬:12~14時)に行う。
6. 換気扇を回すときは、必ず窓や給気口を開けて空気の入り口(給気)を確保する。尚、 空気の入り口(給気)は、なるべく換気扇から離れている方がより効果的に換気が行える。
7. 換気扇を回す場合、給気窓は全開にするよりも15cm位開ける方が空気の流れがよくなる。
8. 入浴中や調理中には必ず換気扇をつける(使用後もしばらく止めない)。

さて、これまで説明したように水蒸気を抑え、適切な換気で室内の空気環境を整えることも大切ですが、カビや結露対策の基本行動の4に記したように、こまめな掃除で室内を清潔に保つことも重要です。例えば、エアコンや除湿機も管理が不十分だと、中で増殖したカビの胞子を部屋にまき散らすことになります。それを防ぐためには、フィルターを月に1回以上は掃除する必要があります。また、エアコンを運転する前には窓を開け送風運転をして胞子を排出する、スイッチを切る前も送風運転してエアコン内をよく乾燥させる、というように清潔に保つ工夫も必要です。前講座で確認したように、ほこりや汚れはカビの栄養分となり、発育条件のひとつです。こまめな掃除で栄養分となるほこりや汚れを取り除けば、カビが発育しにくくなるのです。
また、すでにカビが発生している場合は、胞子や菌糸を残さないよう撤去し掃除する必要があります。風呂場など水をかけて洗える場所は、殺菌・漂白作用がある次亜塩素酸ナトリウムを含む漂白剤やカビ取り剤を使用すると簡単です。ただし、皮膚についたり、吸込んだりしないように注意しましょう。さらに、作業の時は必ず換気扇を回し、窓を開け、肌を露出しない服装で行うようにしましょう。塩素系カビ取り剤や漂白剤は、酸性の洗浄剤を混ぜると有毒な塩素ガスを発生します。混ぜないように十分注意してください。汚れのひどい部分や浴室のタイルの目地に生えたカビは、歯ブラシなどで軽くこすると落ちやすくなりますが、カビ取り剤や漂白剤をしばらく定着させてから行う方がよいでしょう。むやみにこすっても効果は薄いので 、カビ取り剤の上にティッシュで湿布してしばらく置いておけば、落ちやすくなります。素材を傷めないように、仕上げによく水で洗い流すようにしましょう。
壁や家具など水で洗い流せないところのカビは、布に消毒用アルコールを染み込ませてふき取ります。この場合、アルコールは引火性がありますので、換気や火気に注意しましょう。もし、カビの色素によるシミが着いてしまった場合は、薄めた漂白剤でシミ抜きをすると良いでしょう。その場合、アルコールが完全に乾燥してから漂白剤を使用するようにしてください。
洗剤や漂白剤などを使わずに、環境にも人にもやさしいエコなお掃除方法を望む人は、下記を参考にしてください。なお、エコなお掃除方法の詳細については、通信講座No.009-2をご覧ください。

◆エコなお掃除方法

□用意するもの

・せっけん
泥汚れに強く、油を遊離し汚れを浮き上がらせて落しやすくします。成分表示に「純せっけん○%」と書いてあるのを確認して購入しましょう。固形、粉末、液体のものがあり、スーパーやドラッグストアで手に入ります。せっけんは、使用後水中で生物によって分解されやすく、また酢やクエン酸をかけると中和されてしまうので、人と環境にやさしいエコお掃除におすすめです。

・重曹
油汚れやほこりに強いうえに、たいていの汚れより固く、樹脂(プラスチック)より柔らかいので、傷つきやすい素材についた汚れを落すのにも効果的です。薬として薬局で売られているほか、スーパーなどでも掃除用を取り扱っています。分包の製菓材料用は割高なので、大袋入りがお勧めです。除菌効果もあるので、雑菌の繁殖も抑えられます。

・酢水・クエン酸
水アカ、せっけんカスなどのアルカリ性の汚れを中和して落します。スーパーで「食酢」の表示を確認して購入しましょう。寿司酢などの「調味酢」は使えませんので、注意してください。そのままでは刺激が強すぎるので、酢と水を半々に薄めたものをスプレー容器などに入れて使います。酢の臭いが気になる人は、薬局でクエン酸を購入し、水1カップにクエン酸小さじ1杯を溶かして使いましょう。

・アクリルたわし
アクリル100%の毛糸でざっくりと編んだアクリルたわしは、水につけてこするだけでたいていの汚れが落ちます。市販品もありますが、手編みでも簡単にできます。編むのが面倒なら、アクリル毛糸を適当な大きさに丸めて縛るだけでも代用できます。

・掃除方法
アクリルたわしにせっけんと重曹をつけて磨きます。
タイルの目地について落ちにくい場合は、歯ブラシでやさしくこするとよいでしょう。
洗い流すかよく拭き取とり、仕上げに酢水をスプレーしてさっと拭き取ります。

最後に、すぐに実行できるカビ&結露の防止対策として、ライフスタイルを見直しましょう。
私たち日本人は、今まで長い間、開放型の住宅で外気と室内空気の温湿度があまり違わない生活に馴染んできました。また、日本の住宅文化も高温多湿な夏を快適に過ごすことを重点に発達してきました。しかし、現在のような気密性の高い住宅になっても、昔のままの住まい方をしてしまっている人が多いのではないでしょうか。もったいないからと、浴槽に残り湯をそのままにすることは、水資源の省エネや環境保全のためには決して悪いことではありません。しかし、現在の気密性の高い家では、十分な換気を行う必要があるのです。冬にせっかく暖房で暖めた部屋を換気して、外気と入れ替えるのがもったいないと思う人もいるでしょう。しかし、適度に換気をして、室内の空気環境を整えなければ健康さえ失うことにもなりかねないのです。カビや結露の防止対策のためと家族の健康のために、自分の住まい方を見直してみましょう。

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