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通信講座No.023 「カビや結露が出ることはありますか?」

講座No.023-3 「カビ&結露対策リフォーム」

今回はカビや結露をリフォームで改善する方法を説明しましょう。

◆換気設備を取り付ける

平成15年7月1日の建築基準法の改正により、居室には原則として機械換気設備の設置が義務付けられていますので、最近の住宅は換気がしやすくなっています。
しかし、それ以前の建築基準法で建てられた建物は、換気設備が十分に設置されていません。図1の左側のように、窓が一箇所しかない部屋もあるでしょう。マンションの場合は難しいですが、戸建て住宅であれば図1の右側のように窓や換気扇を設けることで空気の流れが改善され、換気がしやすくなります。換気効率を良くするためには、換気扇と同時に給気口も設置できればより効果的です。

カビ&結露対策リフォーム

◆壁面を利用する

カビ&結露対策リフォーム部屋の中で壁の面積が占める割合は、思っているよりも大きなものです。例えば、6帖の部屋の床面積は約10平方メートルですが、壁面積は約25平方メートルにもなります。つまり、この壁を有効利用することが、家の湿気を無くすことに大きく係わってくるということです。そこでお勧めなのが、調湿機能・消臭機能・有害物質の吸着など、部屋を快適に保つ機能を持った建材を使用するリフォームです。通常の壁紙(ビニールクロス)にもそのような機能が付けられたものもありますが、性能や機能の持続性を考えると、天然の木板や珪藻土壁、シラス壁の方がお勧めできます。
図2は調湿・消臭機能があり、有害物質を吸着し、断熱効果の高いシラス壁の施工例です。
カビ&結露対策リフォーム図3~図4は、調湿効果を示すグラフです。グレーの線は何も入っていない状態、赤の線はシラス壁を投入した状態を示しています。試験では、部屋の壁・天井・床のすべてにシラス壁を塗った場合とほぼ同じ状況と仮定し、15×15cm大のシラス壁を湿度93%(温度約30℃)に設定した10リットルのデシケータに入れて計測しました。なお、試験ではあらかじめ90℃で、3時間乾燥したシラス壁を冷却後、投入しています。また、放湿試験では、吸湿性能の実験を終了したサンプルを遅滞なく、湿度17%(温度は約23℃)に設定した10リットルデシケータに入れて計測しました。
吸湿については、30分後には54%、60分後に45%程度となり、以降安定します。放湿については、35分後には25%、80分後に27%,250分後には28%となり、以降はゆっくりとした変化となります。ちなみに、図5は、家のニオイを悪臭にしてしまう大きな原因となる4つの物質に対する消臭性能を示すグラフです。また、シラス壁の主原料であるマグマの一部・天然シラスは多孔質であるため、断熱効果や防音効果も得られます。
このような機能を持つシラス壁でリフォームをすれば、効果的に室内の湿気を抑えながら空気環境を改善し、且つ断熱効果で省エネもできます。

カビ&結露対策リフォーム

◆床下の湿気を防ぐ

カビ&結露対策リフォーム20年以上前の戸建て住宅の場合、多く家の床下が土のままです。砂などで土壌改良されて比較的乾燥している家もありますが、常に湿った状態で、床下に入るとカビ臭かったり、土台や根太にカビが生えていたりという家もたくさんあります。床下の湿気の問題は、家のニオイに悪影響を与え、シロアリや腐食の原因にもなります。防湿シートを敷き詰めるなどのリフォームをするとよいでしょう。図6は、防湿シートの施工例です。ただし、床下のリフォームは見えにくいところの工事なので、悪質な工事がテレビなどでもたびたび問題になっています。リフォームの際は、信頼のできるしっかりした業者を選ぶようにしましょう。

◆窓の断熱性をアップする

カビ&結露対策リフォーム冬の窓の結露は、換気をこまめにしていても、ちょっと油断すればどこの家でも起こりえる現象だとあきらめていませんか。窓の断熱性をアップすれば、窓の結露はもっと楽に防止できます。その上、図7が示すように省エネ効果も高いのです。冬の暖房時の熱の流出割合は、約48%が窓などの開口部なので、窓の断熱リフォームをすることが省エネに大きく貢献することになります。
窓の断熱リフォームには、シートなどによる比較的簡単な工事から、サッシごと交換する大がかりのものまでいろいろあります。他の部分のリフォーム計画と合わせて検討すると予算や効果の無理・無駄を省くことができますので、リフォーム業者によく相談しましょう。
なお、窓の断熱リフォームは、省エネ法に基づく省エネ基準に規定する断熱性能に適合するものとして登録されている製品を使えば、住宅エコポイントの対象となります。製品と改修方法に応じてポイントが定められていますので、よく考えて工法と製品を選びましょう。

□ガラスシート、ガラスフィルム

断熱シート(フィルム)がいろいろ発売されています。品質・性能の高いものは、専門業者に頼まないと貼れないことも多いようです。比較的簡単に施工できるものはホームセンターやインターネット通販などでいろいろ購入でき、水貼りタイプならはがすのも簡単です。性能はシート(フィルム)によって差がありますので、補助対策として使うとよいでしょう。自分で貼る場合の一般的な施工方法は、下記を参考にしてください。
① まずはガラススクレーパーと雑巾などでフィルムを貼るガラスの掃除をします。これが一番大事な作業です。もし、ホコリや汚れがあればきれいに貼れないばかりか、貼ったあとも剥れやすくなります。
② 掃除が終わったら、霧吹きに中性洗剤を1滴ほど入れて水で薄めます。
③ 少し大きめに切ったガラスフィルムを貼ります。ガラスフィルムのシートをはがし粘着面に中性洗剤を薄めておいた霧吹きをスプレーします。ガラスのほうにもスプレーして接着面を湿らせます。こうすることによって、多少ずれても修正ができ空気も抜けやすくなります。フィルムは大変薄く折れやすいので取り扱いに注意しましょう。
④ 真ん中から空気を抜いてきれいに貼った後、余った部分をカッターナイフでカットします。あとは乾けばきれいに張り付きますので、乾くまではできるだけ触らないようにします。
⑤ 施工時の水分が施工後しばらく、ガラスとフィルムの間に残る場合があります。これにより、小さな水泡が残ったり、フィルム面が曇って見えたりすることがありますが、これは水分の蒸発とともに無くなります。但し、気温が低いときや日陰では蒸発にある程度の日数を要する場合もあるでしょう。

□既存窓ガラスを交換

既存窓ガラスを単板ガラスからエコガラス(複層ガラスや真空ガラス)に交換する方法です。サッシの種類によっては、工事は1日で完了可能ですが、交換ができないサッシもあります。下の表は、いろいろなエコガラスの構造と特徴をまとめたものです。

カビ&結露対策リフォーム

□既存窓サッシに内窓を設置(二重サッシ)(図8)

既存窓サッシの窓枠に、樹脂製内窓を取り付ける方法です。ガラスも単板ガラスではなく複層ガラス以上の性能のものがおすすめです。サッシ本体の気密性も改善できて効果抜群です。防音効果もあり、費用対効果が大きく、工事も1日で完了可能です。

□既存窓サッシを交換

カビ&結露対策リフォーム既存窓サッシ本体を交換する方法です。既存窓サッシを取り外して、断熱サッシに交換することで断熱性能がアップします。外壁や室内の補修工事が発生しますので、内装・外装リフォームと一緒に行えば無駄がないでしょう。工事は1日では完了できません。ただし、カバー工法であれば工期は短縮できます。図9は断熱サッシの構造例です。室内側に熱伝導率の低い樹脂形材、室外側に耐候性・耐久性に優れたアルミ形材が使われています。異なる2つの素材の特長を活かし一体化させた複合構造により、高い断熱性を発揮します。同じメーカーの一般的複層ガラス(ペアガラス)の熱伝導率が3.49W/(m・K)、K値(熱貫流率=熱が材料を通して温度の高い空間から低い空間へ伝わる現象の「熱の伝わりやすさ」を表す数値)3.0なのに対して、空気層12mmの低放射複層ガラスを使用したこのサッシは、熱伝導率 2.33W/(m・K)、K値2.0と非常に断熱性能が高いことがわかります。また、室内側が樹脂形材ですので、色調がインテリアにも合わせやすく、トータルコーディネートが楽しめます。さらに、アルミ形材と樹脂形材が分離できるため、万が一の場合でも簡単に補修交換が行なえますのでお勧めです。

  

◆壁・天井の断熱性をアップする

外気と室内の温度差による結露を防ぐために、壁や天井の断熱性能を上げるリフォームも効果があります。熱伝導率が低く、吸放湿性がよい自然素材系断熱材を選ぶことをお勧めします。

□自然素材系断熱材

①セルロースファイバー(熱伝導率0.040W/m.k)(図2)
カビ&結露対策リフォーム新聞古紙を主原料にしたリサイクル製品です。綿状にしたファイバーを吹き込んだり、吹き付けたりして施工します。吸放湿性がよいので気密シートがなくても結露の心配がいりません。吸音性にも優れ、防虫効果もあります。ドイツのエコテスト社の製品評価で推奨品に挙げられています。高価格が多い自然系断熱材の中ではローコストな製品です。新聞紙に印刷されているインクの揮発性有機化合物が気になる場合は、価格が多少高くなりますが、インクが使用されていないものもあります。次世代のエコ断熱材として期待されています。

② 軽量軟質木質繊維ボード(熱伝導率0.040~0.045 W/m.k)(図3)
カビ&結露対策リフォーム廃材などをリサイクルした木質繊維製品です。断熱性能は高性能グラスウールより若干劣るものの、吸放湿性に優れています。価格はグラスウールの約3倍ほどです。残念ながら、輸入品は国内在庫が少なくて多少入手しにくく、国内生産品もまだ商流が安定していないのが難点です。

③ 炭化コルク(熱伝導率0.041~0.045 W/m.k)(図4)
カビ&結露対策リフォームコルク材の中でもヤニの多いコルク皮を粉砕したものを集め、300℃~400℃で蒸し焼きにしてブロックを作り、一定の厚さ・大きさに切断して作られます。コルク特有の微細な発泡構造を残したまま炭化するので、断熱・吸音・防振性に優れています。腐りにくく、保湿・吸放湿性にすぐれているため、防湿シートがなくても結露を防ぐことができます。同じ厚さの高性能グラスウールの約12倍とかなり高価です。コルク自身のヤニで固めているので、有害物質を含んでいません。逆に、有害物質を吸収し、ダニなどのムシも発生しにくく、アレルギー対策としても優れた断熱材です。

④ ウール(熱伝導率0.032~0.040 W/m.k)(図5)
カビ&結露対策リフォーム調湿効果に優れ、壁内結露を防ぎカビ・ダニの発生を防いでくれます。ホルムアルデヒドの吸着効果もあります。さらに、自然素材ですので有害物質を発生せず、人、家、環境に優しいエコロジー建材です。今まで断熱材が入らなかったすき間にも入れることができるので高い断熱性を実現できます。リサイクルウールを使ったものや、ポリエステルを混入した安価なものもあります。

カビ&結露対策リフォームを計画する際には、部分だけにこだわらず、住まい全体の環境を見直すことが大切です。そして、たとえ内窓を取り付けるだけだとしても、見積りの値段だけで決めるのではなく、後々無駄にならないよう今後の住まい方やそれに必要なリフォーム計画、そして予算というように総合的に考え、提案してくれるリフォーム業者を選ぶようにしましょう。

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