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通信講座No.024 「寒い冬には暖かい部屋~部屋の防寒対策~」

講座No.024-1 「断熱効果抜群!窓にひと工夫(ヨコハマエコスクール実施講座) 」

断熱効果抜群!窓にひと工夫図1は、1世帯当たりの用途別エネルギー消費の推移を示したものです。
左の円グラフは東京オリピンックの翌年、1965年度のもの、そして、右側が2008年度のエネルギー消費を示しています。エネルギー消費量全体が、約2.2倍に増加していることが分かります。使用割合がもっとも大きく変化したのは、家電製品の普及による、動力・照明等の消費量増加です。消費量の割合では、次いで、給湯、暖房が大きくなっています。
断熱効果抜群!窓にひと工夫図2のグラフは、家庭での電力消費を用途別に示したものです。消費電力の25%がエアコンに使われていることがわかります。図1のグラフと合わせて考えると、その多くが冬の暖房時に使われていると推測できます。つまり、家庭の省エネ、特に冬の省エネは暖房の仕方にかかっていることになります。
では、暖房の省エネにはどうしたらよいでしょうか。それは、住まいの断熱性能をあげることです。しかし、建築基準法には断熱に関する規定があるわけではありませんので、現在の建物の断熱状態はさまざまです。
そこで、判断基準としてできたのが、昭和55年の「住宅に係るエネルギーの使用の合理化に関する建築主の判断の基準」という法律です。この法律は、省エネが叫ばれるたびに改訂されてきました。昭和55年の法律の基準は、現在の「旧省エネルギー仕様」となり、平成4年の法律の基準は、住宅金融公庫で言う「省エネルギー仕様」となっています。そして、平成11年に改訂された法律の仕様が、「次世代省エネルギー仕様」となっています。
同様に、品確法の温熱環境の等級に対しても、それぞれの年度に改訂された断熱基準があり、住宅性能を表わす以下の4つの等級評価になっています。
◆等級1 規定無し:省エネの基準はありません。
◆等級2 旧省エネルギー仕様:昭和55年の法律を基準とした断熱性能です。フラット35の住宅  ローンを組む場合でも、最低限この基準を満たす必要があります。
◆等級3 省エネルギー仕様:平成4年の新省エネルギー基準で、等級2より30~60%、エネル  ギー消費量を削減できる基準です。現在では、当たり前となっている仕様です。
◆等級4 次世代省エネルギー仕様:平成11年の法律の基準によるもので、長期優良住宅では必須の  等級です。等級3より15~50%、エネルギー消費量を削減できます。最近になって標準の仕様になりつつあります。
断熱効果抜群!窓にひと工夫図3は、断熱性能を実際の光熱費で比べたものです。130㎡の戸建て住宅の場合に、外気温が18度以下になったとき、灯油を用いて常に室温を18度に保つ場合、それぞれの断熱性能で暖房費がいくら掛かるかを表しています。真ん中の棒グラフが東京の場合ですが、等級2の旧省エネルギー仕様と等級4の次世代省エネルギー仕様では、12万円以上の差が出ています。それだけ、断熱性能が違うということです。
しかし、いくら住まいの断熱化が省エネに効果的といっても、本格的な断熱工事は、簡単にできるものではありません。(断熱性能の詳細及び本格的断熱工事については、通信講座No.021をご覧下さい。)
そこで比較的簡単にできる住まいの断熱化としてお勧めしたいのが、窓への対策です。窓の断熱化は、簡単にできるにも関わらず、非常に効果が高い方法です。
断熱効果抜群!窓にひと工夫それを示したのが図4、冬の暖房時の熱の流出割合です。図が示すように、窓などの開口部から逃げている熱は48%にもなります。つまり、この熱の流出を抑えれば、部屋は暖かくなり省エネができるというわけです。

窓の断熱で最も簡単な対策は、カーテンを見直すことです。
窓ガラスは非常に熱を伝えやすく、外の温度に影響されやすい素材ですが、カーテンは、窓から伝わる、冬の冷気の侵入を防ぎ、室内の暖かい空気を外に逃さない役割を果たします。夏は、強い日差しを防ぎ、部屋の空気が暖まるのを防いでもくれます。
カーテンの断熱効果は、厚みがある生地ほど高くなります。レースよりもドレープカーテンが、そして、同じドレープでも、太い糸で隙間なくしっかりと織られた生地ほど、その効果は高まります。生地の厚みの他に、ドレープ(ヒダ)も断熱効果を高める重要な要素になります。生地を巻き上げたりたたんだりするスクリーンタイプのカーテンや、左右にスライドするパネルタイプ、小窓などに用いるカフェカーテンなど、さまざまな形状のカーテンがありますが、断熱効果が高いのは、たっぷりとヒダをとったドレープカーテンです。ヒダの谷間が深いほどたくさんの空気を抱え込み、窓と部屋の間に見えない壁を作りだし、暑さ・寒さを防いでくれます。
ヒダの谷間の深さを知る上で重要なのが、ヒダ倍率です。ヒダ倍率とはカーテンの仕上がり幅に対して、どれだけのカーテン地が必要かを示す数字のことで、例えば、ヒダ倍率2倍では、幅100cmのカーテンに仕上げるためには、200cmの生地が必要ということになります。ヒダ倍率が高ければ、生地をたくさん使ったカーテンとなるため、既製品のカーテンには、価格を抑えるためにヒダ倍率が1.5倍程度のものが多くあります。断熱効果を高めるためには、できればヒダ倍率が2倍~2.5倍のカーテンを選ぶようにしましょう。
また、カーテンは、一重よりも二重吊りの方が、断熱性が高くなります。一般的な二重吊りでは、レースカーテンとドレープカーテンが使われますが、それにこだわる必要はありません。最近は、レースよりも太い糸でざっくりと編まれている、ケースメントという生地も人気があります。
このように、カーテンは、布を使って空気の断熱層を窓際に作り出します。そして、この空気の層をより完璧にするためには、正しくカーテンを吊る必要があります。

断熱効果抜群!窓にひと工夫では、正しいカーテンの吊り方を説明しましょう。
まず、カーテンレールは窓幅よりも大きく設置します。(図5)これは、見た目の問題もありますが、断熱性能をあげるためにも大切なことです。ただし、装飾レールと一般的な機能レールでは長さが違います。
機能レールといわれるスチールやアルミ製の普通のレールは、窓幅(W)に左右それぞれにプラス5~10cm程度余裕を持たせた長さにし、カーテンはレールの端から端まで吊るすようにします。機能レールを窓枠に合わせて取り付け、それに合わせてカーテンを吊る人もいますが、これでは断熱効果が落ちてしまいますし、窓の外からカーテンの折り返し部分やフックが見えてしまい、見た目にも美しくありません。そこで、カーテンレールは窓枠より上10㎝の余裕をもって設置することをお勧めします。


断熱効果抜群!窓にひと工夫一方、図6のような木製やアイアンなどでつくられたポール状の形をした装飾レール場合は、窓幅(W)に左右それぞれに、プラス15~20cm程度余裕を取るようにします。ランナーが大きいので、窓枠の上に10~15㎝ほどの余裕をもって取り付けます。
図6のように、ブラケットから外側にランナーを1個取り付けて、ここにカーテンの一番端を吊ります。ブラケットから、レールの端にあるキャップや飾りまでは、そのままで10㎝ぐらい残して飾りとします。
カーテンの丈の決め方は、窓のタイプによって違います。
断熱効果抜群!窓にひと工夫図7は、腰高窓と掃き出し窓に付けるカーテンの採寸方法を示したものです。
腰高窓の場合、一般的には窓枠から+15~20㎝とします。但し、ドレープの下につけるレースは、2cmほど短くします。最近は、断熱性のためと、見た目の点でも優れているとして、腰高窓に床までの長さのドレープカーテンを吊す方法も人気があります。特に、近くに掃き出し窓がある場合は、長さの異なるカーテンが1つの部屋に複数あるよりも、統一感が生まれ、すっきりとした印象にまとまります。
掃き出し窓の場合は、一般的にドレープカーテンは床より1㎝上としますが、断熱性を考えると床までしっかり着くくらいにすることをお勧めします。ただし、レースはドレープよりマイナス1㎝にします。
自宅で洗濯できる生地を選ぶ場合は、生地の収縮を考え、1~2㎝長さに余裕をもって設置するか、アジャスターフックを使うようにするとよいでしょう。
さらに、断熱性を高めるためには、カーテンの上から空気が流れ出るのを防ぐよう、上部にカーテンボックスをつける、横から空気が流れ出るのを防ぐために、両端が壁側に曲がったカーブレールを使うとより効果が上がります。
カーテンで冬の断熱対策をするときに、もうひとつ大切なポイントがあります。それは、できるだけ暖色系の色を選ぶことです。
断熱効果抜群!窓にひと工夫図8の写真を見比べてみてください。どちらも同じような大きな掃き出し窓に、カーテンを吊ったリビングルームの写真です。オレンジ色のカーテンの部屋の方が、グリーンのカーテンの部屋よりも暖かそうに感じませんか。
私たちの温度感覚は、実際の気温のほかに、湿度や風速など、さまざまな外的要素から影響を受けています。これを体感温度といいますが、色や部屋の明暗もその一つです。目隠しをして「青い部屋」と「赤い部屋」に入ると、人が感じる温度には約3度の差が生じるとも言われています。暖かく感じる色とは、図9のオレンジや黄色系、赤やピンク系、ベージュやブラウン系のものです。これらの色が与えるイメージ効果をカーテンにうまく取り入れて、寒い冬を暖かく演出するとより快適な住まいづくりできるでしょう。

次にお勧めする窓の断熱対策は、サッシの断熱化です。
断熱シートを貼ったり、既存のサッシのガラスを複層ガラスに変えたり、窓サッシごと全て交換したりと工法もいろいろありますが、その中でも費用対効果が高い方法が内窓の二重サッシです。これは、基本的に、既存の窓や壁をいじらなくてもよいため工期も短く、条件によっては1日での完了も可能です。サッシを二重にすることで、既存サッシの気密性も改善でき、結露防止や遮音効果もあります。
図10は、内窓の二重サッシの例で、トステムの「インプラス」という製品です。
断熱効果抜群!窓にひと工夫図10の左側が示す構造により、既存の窓とインプラス(内窓)の間に、空気の断熱層ができます。それにより、図10の右写真のように、結露の発生が抑えられています。また、図11の室内側の窓の温度を比較した様子からも分かるように、インプラス(内窓)を取り付けた場合、サッシの枠まで暖かくなっていることがよく分かります。
トステム「インプラスの遮熱高断熱型Low-E複層ガラス仕様」の資料によれば、ガラス窓だけの場合の年間冷暖房費を比べると、モデルの算出条件においては、11,320円も節約できるそうです。(※モデル算出条件:東京、2階建て、4人家族、居室9窓にインプラスを設置した場合)冷暖房の温度や使用時間を調節しても、これだけの省エネ効果を得ることは大変難しいことです。例えば、財団法人省エネルギーセンターの資料によれば、エアコンの設定温度を冷房で27度から28度、暖房を21度から20度でとし、それぞれの使用時間を1日1時間短縮しても、省エネできるのは年間3150円ほどです。つまり、快適な生活を保ちながら、省エネとCO2排出量削減を実行するためには、最新の住宅設備を上手に取り入れていくことは非常に有効な手段なのです。
さらに、「インプラス」のような省エネ法に基づく、省エネ基準に規定する断熱性能に適合するように行う窓の断熱リフォームは、住宅エコポイントの対象でもあります。発行されたエコポイントは、商品や商品券への交換、環境寄付、エコリフォームへの即時交換として、工事の費用に充当することもできてお得です。

CO2排出量を削減し温暖化をストップするためには、産業部門だけではなく、家庭でできる対策をみんなで実行することが大切です。図12は、省エネのためのライフスタイルチェックシート(出展:財団法人省エネルギーセンター「家庭の省エネ大辞典2010年度版」)です。まずは、自分のライフスタイルを見直して、できることから省エネにチャレンジしてみましょう。

断熱効果抜群!窓にひと工夫

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