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通信講座No.024 「寒い冬には暖かい部屋~部屋の防寒対策~」

講座No.024-2 「見直そう!室温と体感温度の関係(ヨコハマエコスクール実施講座)」

今回は、無駄なく暖房の使うために、室温と体感温度の関係を見直します。

では、まず体感温度について説明しましょう。
前講座で少し触れましたが、私たちの温度感覚は、実際の気温のほかに、湿度や風速などさまざまな要素から影響を受けています。私たち人間が、温熱的に快適と感じるのは、暑くも寒くもない状態です。この時、体の中でできた熱(産熱)と体から逃げていく熱(放熱)の量はイコールです。そして、温熱的に感じているのは、部屋の温度だけではなく、湿度、気流、壁・床・天井の温度、そして服装と運動量が加わります。これらの要素を温熱環境といいます。
この温熱環境の快適性を指標評価しようというものが、快適温熱指標といいます。これは、暑さ寒さを対象にした「温熱感」と快適・不快を対象にした「快適感」を元に、環境因子として気温、湿度、放射、気流の4要素に、人体因子として代謝量、着衣量を加えた6要素で評価します。
天気予報などでよく聞く不快指数は、温度と湿度の関係を対象にしたものです。ビルなどの中央制御による空調や、次世代省エネルギー住宅では、それよりも多角的に環境因子を考慮した指標が要求されています。

◆人体因子

□代謝量

人種、年齢、性差、季節差、馴れなどにより差が生じます。たとえば、図1のグラフは、わたしたち日本人の一般的不快指数を温度と湿度で示したものです。図2の表は、アメリカ人と日本人の不快指数の感じ方の違いを示しています。このように高温多湿に馴れている日本人の方が、不快と感じる指数がアメリカ人よりも高くなっています。
さらに、代謝量は運動量の違い、健康状態、年齢や性差によっても変わりますので、それによって快適温熱環境は変わります。このように快適温度といっても、細かく言えば個人個人で違ってきます。

見直そう!室温と体感温度の関係

□着衣量

見直そう!室温と体感温度の関係 着衣量は衣服の保温性を示すクロという値で表わします。気温21度、湿度50%、気流0.1/秒以下で椅子に座っているときに快適と感じる着衣量を1Clo(クロ)といいます。裸の状態は0クロで、その時快適と感じる室温は30度といわれています。これよりも9度低い21度が1クロですから、さらに9度低い12度なら2クロとなります。図3は、着衣量を具体的に示したものです。例えば、21度から20度に暖房の設定温度を下げるには、気温9度で1クロの増減が必要なので0.1クロ着衣量を増やせばよいことになります。それは図3でいえば、女性の場合、カーディガンにスカートの1クロから、スカートを長くするだけでよいことになります。パジャマであれば、綿入れハンテンを着ればよいのです。ちなみに、カーディガンで2.2℃、ひざ掛けで2.5℃、靴下で0.6℃、体感温度がアップすると、一般的には言われています。

このように人体因子は、私たちの健康や生活スタイルによるところが大きい要素です。これを見直して暖房に頼りすぎず快適に過ごすことを推奨している取り組みが、環境省の「ウォームビス」です。図4のようなポスターやパンフレットには、簡単にできる6つの具体的な行動が上げられていますが、そのほとんどが、温熱環境の人体因子に係ることです。

見直そう!室温と体感温度の関係 1. 特に冷えやすい首まわりや足元をあたためよう。
2. 煮込み料理などを食べて体をあたためよう。
3. 暖房時の室温設定は20度以下に。
4. 太陽の暖かさを取り入れよう。
5. 根菜や香辛料など、体をあたためる食材をとろう。
6. 動きやすくあたたかい室内着を活用しよう。

上記の6つのうち4つの行動は、代謝量や着衣量に係ることです。食生活や衣服など生活スタイルを少し工夫するだけでできることです。体感温度と暖房の関係を見直すために、まずは、簡単にできるこれらのことを工夫してみましょう。

次に、快適温熱指標に係る環境因子について見直してみましょう。環境因子は気温、放射温度、湿度、気流に4つです。

◆環境因子

□放射温度

見直そう!室温と体感温度の関係 部屋の天井、壁、床など部屋全体の表面温度のことです。気温(室温)が高くても、壁や床の表面温度が低ければ、体から輻射熱が奪われ、寒いと感じます。特に、私たち日本人のように靴を脱ぐ生活では、床面との接触によって感じる温度(接触温熱感)は身体全体の温熱感に大きく影響します。冬の場合、触れたときに床面が冷たいと不快なだけでなく、急激な温度変化に対する適応性が弱い高齢者にとっては身体への負担が大きく、さまざまな事故を引き起こす原因ともなります。この接触温熱感は素材の熱伝導率に起因します。熱伝導率は素材固有の数値なので、それを知ることであらかじめ内装材の接触温熱感を推測することができ、使用する場所や人に応じて適切な内装材を選ぶことができます。図5のように床材の種類によって、また同じ木材でも図6のように木の種類によって熱伝導率は違います。
素材の熱伝導率が高いほど熱移動量は多く、接触した部分の温度が一気に下がるため、身体は不快な冷たさを感じてしまいます。また、低下した表面温度を元に戻そうとして、皮膚表面の血液の流れを増加させるなどの活動が体内で行われるので、場合によってはこの活動が身体への負担になると考えられます。熱伝導率が低いほど、不快な冷たさや身体への影響が少なく、接触温熱感に優れていますので、冬の温熱環境づくりに適しているといえます。このように材質によって、肌で感じる温度は異なりますので、足元の熱の伝わり方を考慮することで、体感温度は変わり、室温を変化させることなく温かく感じるようにすることが可能です。
さらに、暖房方式によっても足元の温熱環境は変化します。東京ガスの資料によれば、床暖房では、室温20℃、床温29℃であれば快適と感じるのに対し、エアコン暖房では室温25℃、床温17℃で、足下が冷やっと不快に感じるそうです。神奈川県建築士事務所協会の資料によると、くるぶしの部分と頭での上下温度分布の限界は3度で、これを越えると私たちは、不快と感じるそうです。ちなみに、国際規格ISOでは、床面温度は19度~26度、床暖房では29度以下が推奨されています。このように、暖房方式の特長を把握して上手に使いこなすことも、室温を無駄に上げずに快適な温度環境づくりには大切です。

□湿度

人が快適と感じる環境は、温度と湿度のバランスです。心地よい組み合わせは、夏は「高温・低湿」、冬は「低温・多湿」とされています。冷房時には、設定温度を高めにした省エネ運転でも、湿度を低くすれば、設定温度が低めのときと同じ快適さが得られます。逆に、暖房時は設定温度を低めにしても湿度を高くすれば、同様の快適さが得られます。お使いのエアコンが、温度と湿度を個別に設定できるタイプなら、ぜひ試してみましょう。
図7は、温湿度計のメーカーの資料で、部屋の用途によって快適な温度と湿度の目安が違うことを示しています。ただし、湿度を調整する際気をつけなければいけないことがあります。それは、加湿が必要なのは、一般的にエアコンや電気ストーブ、床暖房を使用している場合で、石油ストーブやガスストーブなど室内で燃料を燃やし、室内に排気する開放型タイプの暖房機器は、発熱と同時に水蒸気を放出しているため、加湿器の併用は避けたほうがよいでしょう。過度の加湿は結露の原因となります。注意しましょう。

見直そう!室温と体感温度の関係

なお、冬の結露防止には換気が一番です。下記の方法を参考に部屋の中に風を通すよう効果的に換気を行い、結露防止と室内の空気質の悪化を防ぎましょう。
① 窓を開けるときはカーテンも開ける。
② 大きく一箇所の窓を開けるよりも、対角線上になるように2箇所の窓を開ける。
③ 空気の出口となる方の窓を全開にし、入口となる方を15cmくらい開ける。
④ 空気が流れにくく、よどんでしまう場所がある場合は、扇風機を使う。
⑤ 換気扇を回すときは、必ず窓を15㎝くらいか給気口を開けて、空気の入口を確保する。尚、空気の入口は、なるべく換気扇から離れている方がより効果的に換気ができる。

□気流

夏の服装のときに、気流が0.15m/秒~0.25m/秒あれば、室温が1度下がったのと同等の感覚になるそうです。ちなみに日本のビル管理法では0.5m/秒以下を基準に定められています。

以上、6つの要素、気温、湿度、気流、輻射熱、代謝量、着衣量のバランスを上手にとって、無駄なくエアコン使うようにチャレンジしてみましょう。
なお、最新のエアコンは湿度と温度のセンサーを別々に持ち、それぞれにコントロールが可能であるうえに、上下左右に気流の調整が設定できるものも発売されています。例えば、ダイキン工業の最新型エアコンでは、暖房時は設定温度を低めに保ちながら直接あたらず包み込むような気流で、加湿も同時に行うため、体感温度が上昇して、温度低めでも暖かく感じさせる機能、そして冷房時は、湿度を低めにして直接気流を体にあて、体感温度を下げ、高めの温度でも肌が涼しく感じる機能を持っています。
見直そう!室温と体感温度の関係便利な機能だけではなく、消費電力も10年前の製品とは大きくちがいます。図8は、1995年型から2008年型までの省エネ度を年間電気量で示しています。1995年型に比べて2008年型のエアコンは、消費電力が40%も削減され、電気代が14,000円もお得なっています。Co2排出量では年間287kgの削減となり、これは約21本の杉の木が1年間に吸収する量に相当します。
まだ、使えるからもったいないという考え方もありますが、さまざまな温熱環境を自分で調節する手間や消費電力の違いを考えれば、ある程度使用年数が経ったものならば、思い切って買換えることも省エネと地球温暖化防止のためには必要な選択肢といえるでしょう。
省エネ性を判断する指標となるのが、図9のような統一省エネラベルです。省エネ性は、星5つから1つの5段階で表示されます。星の数が増えるほど省エネ性が高くなり、また、APFの数値が大きいほど省エネ性が高くなります。購入の際は、値段だけではなく、省エネ性もチェックして選ぶようにしましょう。

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