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通信講座No.026 「羽アリが風呂場などに出た事はありませんか?」

講座No.026-1 「シロアリの種類と特徴」

多くの人は、羽アリが発生するとその量に驚くと同時に、シロアリによる被害を考え、不安になるのではないでしょうか。しかし、羽アリが全てシロアリというわけではありません。羽アリの発生を見つけた際に大切なのは、まずは落ち着いて、その羽アリが本当にシロアリなのかどうか確認することです。
そこで、まずは羽アリの見分け方と大切な住まいを脅かすシロアリの種類や特徴を正しく理解しましょう。

◆羽アリの見分け方

シロアリは、蟻の仲間ではありません。アリはハチ目の昆虫で、翅(ハネ)を欠く社会性のハチであるのに対し、シロアリは朽木などの植物遺体を食べるゴキブリのなかから社会性を著しく発達させた系統の昆虫です。したがって、よく見ると全く違う形をしています。図1は、シロアリとアリの羽アリの特徴を示したものです。主な違いは①の触覚、②の翅(ハネ)、③の腰です。

シロアリの種類と特徴

アリの触角は「く」の字状をしていますが、シロアリの触角は真珠のネックレスのように数珠状をしています。また、アリの翅(ハネ)は前翅が後翅より大きいのに対して、シロアリの翅(ハネ)は4枚ともほぼ同じ大きさ・同じ形をしています。そして、アリの腰部分は細くくびれていますが、シロアリにくびれはなく寸胴です。図2は日本で家屋に被害を与える主なシロアリのひとつ、イエシロアリと黒アリの羽アリの写真です。こうして見比べると翅(ハネ)や腰の形状の違いがよくわかります。

シロアリの種類と特徴

◆シロアリの生態

シロアリは社会性昆虫で、コロニーと呼ばれる一つの集団の中には、女王・王および副女王・副王からなる生殖階級、働きアリ階級および、兵アリ階級などがあり、それぞれにはっきりとした役割分担があります。働きアリの数は巣中で90%を占め、食料を見つけて持ち帰る役割を担っています。ヤマトシロアリの場合、図3のように分化・発育し、ニンフという階級を経て生殖虫(いわゆる羽アリ)となって年に一度群飛を行い巣外へ出て行きます。私たちが、シロアリの被害に気付くのはこの時がほとんどです。なお、群飛の時期は、シロアリの種類によって異なります。

シロアリの種類と特徴

シロアリは目が退化しているため、光を嫌い、音やにおいにとても敏感です。また、皮膚が非常に薄く乾燥しやすいので、湿気があり暗くて空気に触れないところを好みます。そのため、通常は土中や木材中に穿孔して活動するか、土壌や排泄物で加工した特別なトンネル状の通路(蟻道)を作ってその中を行き来します。したがって、木材が被害を受けた場合も、その表面を残して内部だけが食い荒らされているのが特徴です。地表に出てくることはほとんどなく滅多に人目に触れないので、被害にあっていても気付きにくい傾向にあります。

◆シロアリの種類と特徴

シロアリの種類と特徴財団法人日本しろあり対策協会の資料によれば、日本には現在22種のシロアリが生息しています。その内、建築物を加害するシロアリは主にヤマトシロアリとイエシロアリですが、最近では“乾材シロアリ”の仲間であるアメリカカンザイシロアリとダイコクシロアリの被害が増えてきています。
図4の分布図から分かるように、ヤマトシロアリは北海道北部を除く日本全土に、イエシロアリは神奈川県以西の海岸線に沿った温暖な地域と千葉県の一部、それに南西諸島、小笠原諸島に分布しています。また、ダイコクシロアリは奄美大島以南に分布しています。それぞれの特徴は下記の表のとおりです。

シロアリの種類と特徴

表のように、シロアリの種類によって、羽アリが発生する時期も時間帯も異なります。シロアリを軽く見ると、大変なことになりかねません。シロアリ被害を最小限にするために、早期発見・早期駆除が重要です。そのためには、定期的に家の周りや庭を点検するようにしましょう。

◆外周りの点検ポイント

 家の周囲に長年置きっぱなしになっている材木はありませんか?
 垣根や木製のデッキ、テラス、塀などの足元(地面近く)に土がついていませんか?
 切り株や数十年以上経過した古木にシロアリはいませんか?
 コンクリートのヒビ割れや地面との境目に蟻土や蟻道はありませんか?
 基礎に蟻道はありませんか?
 浴室、洗面所、トイレの入口(特に床面に近い柱部分)に蟻土や蟻道はありませんか?
 タタミのへりなどが粉っぽい(土の粉)ということはありませんか?
 長い間同じ位置にある家具の裏側をのぞいてみましょう。又、造り付け収納庫、下駄箱の中なども底面や隅などに蟻土がついていませんか?

シロアリの種類と特徴※蟻道(図5):シロアリの通り道。シロアリは光が嫌いなのと水分の蒸発を防ぐために、土やフンでトンネルのような道を作って巣と加害箇所の間を連結しています。

さらに、家の中で起こるちょっとした異常は、「シロアリが侵入してきた」または「侵入されやすくなっている」ということを家があなたに伝えようとしているサインとなる場合もあります。下記のような異常は、シロアリの早期発見のポイントになることがあります。シロアリ被害は決して戸建て住宅に限ることではありません。RC造のマンションなどの集合住宅でも、シロアリ被害は生じます。ぜひ当てはまる事項がないか確認してみてください。

◆シロアリの早期発見ポイント

 畳、床板など、歩くと「ミシミシ」などの音がする場所がある。
 脱衣所(浴室入口)、洗面所などの床がブカブカする場所がある。
 家の中にカビ臭い場所がある。
 過去に雨漏りや漏水を起こしたことがある。
 引き戸や扉の開閉がスムーズに出来ない場所がある。
 玄関・浴室ドア枠木部下部に空洞の溝がある(または指で押すと簡単に木の表面が潰れる)。
 天井や柱から顆粒状の粉が落ちてくる。

もし、上記のポイントにひとつでも当てはまったら、まずは信頼できるリフォーム業者や工務店に相談してみましょう。単なる不具合によるものかどうか確認してもらい、場合によっては実績のあるシロアリ駆除業者を紹介してもらうと良いでしょう。

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