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通信講座No.026 「羽アリが風呂場などに出た事はありませんか?」

講座No.026-2 「シロアリの防除方法」

新築時、またはその後の駆除処理でも、数年もすると薬効がなくなり、シロアリが侵入しやすくなります。もちろん、薬効がなくなったからといって、必ずシロアリが侵入するわけではありませんし、逆に薬効があったとしてもアメリカカンザイシロアリのように、家具などと一緒に家の中に侵入してしまうこともあります。しかし、定期的な点検と適宜な防除により、シロアリによる被害を最小限に食い止めることは可能です。大切な住まいをシロアリから守るためには、さまざまな防除方法を知っておくことも大切です。

シロアリの防除には、建築物の新築時に行う予防処理と既存建築物に対して行う処理があります。新築時に行う処理は、シロアリの被害と腐朽を予防する事を目的とし、既存建築物の処理は建築物を食害しているシロアリを駆除し今後の蟻害を予防する場合と、蟻害は無いが予防の為に行う場合とがあります。そして、防除もしくは駆除方法として一般的なのが、薬を散布する方法と、もう1つは餌を使用するベイト工法と呼ばれるものです。
それでは、この2つの防除方法について、ヤマトシロアリやイエシロアリの場合で説明しましょう。

◆液剤散布

□処理方法

①土壌処理
ヤマトシロアリやイエシロアリは、一般に地中を通って建物内に侵入してくることが多いので、建物の基礎の内側や束石の周囲、その他シロアリが通過する恐れのある土壌を薬剤で処理することが、シロアリの侵入を防止する最も効果的な方法になります。そこで、土壌表面に薬剤を散布し防蟻層を形成します。最近では、防蟻効果の他に土壌からの水分蒸散防止を目的とした土壌被膜形成工法(当該工法用の薬剤を地面に直接吹き付けて、硬化した薬剤で表面に皮膜を形成する方法)やシート工法(薬剤をシートに混練して作られたシートを床下に敷設する方法)も採用されています。
②木部処理
木材表面に薬剤を噴霧器で吹き付けるか刷毛等で塗布する方法と、木材や壁体に穿孔して薬液を注入する方法があります。新築建物の木部処理は、通常、地面から1mまでの部材、浴室回り部材、洗面所や台所等の水回り部分の木材を処理します。また、木口、切り欠き、ボルト穴、仕口、接合部、コンクリート接触面等は特に入念な処理が必要とされます。

□一般的な作業手順(既存建物の場合)

① 侵入口や通路の養生をします。
② 木部内部に薬剤を浸透させるために、孔をあけて薬剤を注入します。
③ 土台や束柱へ薬剤を吹きつけ、もしくは塗布します。
④ 床下の土壌部分に直接薬剤を散布します。
⑤ 養生や作業で発生したゴミの撤去し、侵入口や通路を清掃・片付けて作業は終了します。

□使用薬剤

土壌処理と木部処理では使用される薬剤は異なります。また、土壌処理であっても、その処理方法によっても違ってきます。多くの施工業者が5年間の保証書を発行することから、薬効は5年程度と考えた方がよいでしょう。

□価格

(財)経済調査会発行「積算資料」によれば、新築¥2,500/m²、再処理費¥3,250/m² と記載されています。施工は建物の状態やシロアリの種類によって違いが生じるため、上記価格は目安と考えると良いでしょう。

◆ベイト工法

薬剤を散布することなく、シロアリの習性を利用して巣ごと退治する方法です。液剤散布の約千分の一という少量の薬剤の使用で、しかも、その薬剤が環境へ流失しない閉鎖系のシステムのため、小さなお子さんの居る家庭や犬・猫・コイなどペットを飼っている人、庭で家庭菜園を楽しんでいる人など、薬剤の散布が気になって今までシロアリ駆除をためらっていた人に人気があるようです。
尚、ベイト工法と言う名称は、シロアリの駆除剤を混入した餌(ベイト剤)をシロアリに摂食させて、シロアリの集団を死滅させるシステムに対して国交省の認可団体(社)日本しろあり対策協会が付けた名称です。したがって、各メーカーや施工業者によって、さまざまな商品名が使用されています。

□処理方法

予めシロアリの好む餌(薬剤は入っていない)を入れたモニタリングステーションを地面に埋設し、シロアリを発見したときにベイト剤をセットする方法と、ベイト剤を入れたベイト・ステーションをシロアリが生息している箇所に限定的に設置する方法とがあります。

□一般的な作業方法

① 床下や家の外周にシロアリの好む餌木を入れたモニタリングステーション(図1)を約3m間隔で設置します。
② ①の餌木を定期的に点検し、シロアリの食害の有無などを確認します。
③ シロアリの喫食が見られた時点で、餌木の替わりにベイト剤(図2)を設置します。シロアリがこのベイト剤を巣まで持ち帰ることで、最終的に数ヶ月で巣ごとシロアリを駆除します。

シロアリの防除方法

□使用薬剤

ベイト工法にはさまざまな商品があり、商品によってベイト剤に使用する薬剤もいろいろですが、多くの商品の場合、使用している薬剤はシロアリのような表皮を持つ昆虫の成長だけを妨げる成分で、哺乳類や魚類には毒性が低く安全と表記されています。

□価格

餌木の点検を定期的に行う必要があり、料金は液剤散布より2~3割高めです。

以上が、最も一般的な2つの防除方法です。しかし、種類や量に違いはあっても、薬剤を使うことに違いはありません。例え、土壌処理や木部処理に使用される薬剤などについては、財団法人日本住宅・木材センターにより性能と安全性に関する審査が行われているとはいえ、多くの薬剤にはVOCを含むさまざまな化学物質が使用されていることに対して、不安を感じる人もいるでしょう。そのため、最近は天然成分を主成分にした商品が注目され、さまざまな商品が販売されています。輸入品なども多く、インターネット上でもいろいろ紹介されていますが、その安全性や有効性には疑問のあるものも多いようです。決してひとりで決めることなく、信頼のおける第三者に聞いたり(消費者生活センターなど)や信頼のおける工務店やリフォーム業者に確認するようにしましょう。
また、薬剤に頼らない物理的工法や床下環境改善工法も最近注目されています。物理的工法は、目の細かい網でシロアリの侵入を阻止するなどの工法です。その中でも代表的方法とされているのがターミメッシュ工法で、長期間ステンレスメッシュによってシロアリの進入を防ぐことができると言われています。また、床下環境改善工法は、調湿材、換気扇などによって床下の湿度上昇を防止することで、シロアリが侵入しにくい環境づくりを行うものです。物理的工法や床下改善工法は、現在虫害のない場合や駆除後には有効ですが、虫害を発見した場合の駆除には適しません。

このように、シロアリ防除にはさまざまな方法や薬剤がありますので、正しく選択することは重要なポイントのひとつです。しかし、何よりも大切なことは信頼のおける業者を選ぶことです。特にシロアリの防除に関しては、床下や小屋裏など自ら点検しにくく、目視しにくいところにシロアリが棲みつくことを利用して、無料点検や診断と称して意図的に現状や被害状況を悪く説明し、契約を強要したり、粗悪な防除対策を講じたり、勝手な追加工事により法外な費用を請求したりといった悪質業者が後を断ちません。日頃から住まいのメンテナンスを依頼している信頼できる工務店やリフォーム業者があれば、そこに相談し然るべき業者を紹介してもらえば安心でしょう。しかし、そういった工務店やリフォーム業者に心当たりが無い人は、次の8つのチェックポイントに注意して、業者選びを行うようにしましょう。

◆悪質業者を見分けるチェックポイント

1. 価格表や単価表がない。
どんな工事にも単価表、もしくは価格表が存在します。例えば、薬剤散布によるシロアリ防除の場合は、坪もしくは平米ごとの単価表や価格表があります。必ず確認しましょう。

2. 見積りを提示しない、渡さない。
書面による見積りを必ず提示且つ受け取るようにしましょう。その際、必ず工法や薬剤の商品名、施工範囲を確認し、それらの詳細事項が見積書に正しく記載されていることを確認しましょう。

3. 大幅な値引きをする。
さまざまな理由で大幅な値引きをする場合の多くは、もともとの価格を故意に高く設定していたり、粗悪な工事を意図していたりすることが多いので気をつけましょう。

4. その場でしつこく契約を迫る、何時間も居座り帰ってくれない。
特に高齢者がひとりで家族が不在の場合などは、第三者に相談したり、他社と比較される前に契約してもらうために、今すぐの契約を迫ることが多く見られます。

5. シロアリ駆除・防除以外の商品やサービスを強く勧める。
故意に現状や被害状況を悪く説明してこのままでは危険などと不安を煽り、実際は必要がなくても、床下換気扇の取付け、調湿剤や防湿シートの設置、耐震補強金具の取付けなどを強要してきます。

6. すぐに工事をしたがる。
クーリングオフをしにくくするために(※)値引きやキャンペーン価格などを口実にして、直ぐに工事をしたがります。工事が始まっても契約日から8日間以内であればクーリングオフは可能ですが、トラブルを最小に抑えるためにも、相手に強く勧められても納得するまで工事を進めないことが大切です。

7. クーリングオフの説明または明記がない。
たとえ、自分から業者にコンタクトして点検や見積りを依頼したとしても、契約が業者の営業所ではなく自分の家で行われるのであれば、クーリングオフは可能です。悪質業者の場合は、クーリングオフ制度の説明や記載を故意にしないことが多いばかりではなく、さまざまな口実を理由にクーリングオフが出来ないように思わせることもあります。冷静に考え、騙されないことが大切です。不安を感じたら、すぐに消費者センターなどに相談しましょう。

8. 社団法人日本しろあり対策協会など業界団体に加入していない。
特別にシロアリ駆除業者を規制する法律はなく、いつでも誰でもすぐになれます。これが、シロアリ駆除業者の実態がなかなかつかめない原因のひとつにもなっています。ただし、業界には国土交通省の認可団体、社団法人日本しろあり対策協会が組織されています。この協会に登録された業者であるかどうかを一言確認して下さい。もちろん、協会には加入していなくてもまじめな業者も存在するとは思いますが、よほどのことが無い限り、非加入業者は避けたほうが無難です。

以上のチェックポイントを参考に信頼できそうな業者2~3社に見積りをしてもらい、価格だけではなく、実績や工法、薬剤、保証を含むアフターサービスなどを鑑みて依頼先を決めるようにしましょう。

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