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通信講座No.027 「床下の湿気が気になりませんか?」

講座No.027-1 「床下の湿気の原因とチェック方法」

床下に湿気が多い原因は、気候、周辺の高低差、地下水位、土壌の性質など土地に由来するものから、風通しや床下の施工方法、生活スタイルなど様々です。湿気の多い家は、カビや腐朽が発生やすく、シロアリも侵入しやすくなります(シロアリと湿気の関係は、通信講座No.26をご参照ください)。さらに、カビや細菌の中には、喘息やアレルギーなど人の健康を害する原因となるものもあります(カビについては、通信講座No.23をご参照ください)。つまり、床下の湿気は、家にとっても人間にとっても良くはありません。

適切な対策を講じるために、まずは床下の湿気の原因とチェック方法を正しく理解しましょう。

◆床下の湿気の原因

床下の湿気が通常より多くなる原因には、主に下記のようなものがあります。

1.敷地が周りの土地に比べて低い。
民法第214条は、自然水流に対する妨害の禁止として「土地の所有者は、隣地から水が自然に流れて来るのを妨げてはならない。」としています。つまり、自然水(雨水や涌水など)は完全に処理しきれるものではないとして、高い土地から低い土地へ流れることを容認しており、むしろ低い土地のほうでこの流れを妨げてはいけないことになっています。もし、あなたの家の敷地が周りの土地よりも低い場合、高いところから流れてくる雨水などにより適切な排水処理を施していないと地盤が長期間雨水を溜めやすくなります。

2.常水面や地下水位が高い。
地中のある部分から下にいくと、常に水分を含んでいる面が始まります。その面を常水面といい、そのラインは敷地の中でもそれぞれの場所によって異なり、深いところも浅いところもあります。また、近所で大規模な土木工事があったり、地下水を大量に汲み上げたりすると、同じ場所でも地下水位が変わったり、常水面の高さが変わったりします。

3.床下の土壌面が敷地よりも低い。
建築基準法第19条第1項は、「建築物の敷地は、これに接する道の境より高くなければならず、建築物の地盤面は、これに接する周囲の土地より高くなければならない。」としています。つまり、床下の土壌面=基礎の内周部は、基礎の外周部よりも高くなければならないということです。

4.水田や湿地を造成した土地である。
建築基準法第19条第2項は、「湿潤な土地、出水のおそれの多い土地又はごみその他これに類する物で埋め立てられた土地に建築物を建築する場合においては、盛土、地盤の改良その他衛生上又は安全上必要な措置を講じなければならない。」としています。適切な地盤改良、湿気対策などが講じられていれば問題はありませんが、処置や対策が不十分だと床下の湿気が多くなりやすいといえます。

5.基礎が、布基礎またはベタ基礎ではない。
品確法に基づく日本住宅性能表示基準における等級2(耐久期間50~60年)や等級3(耐久期75~90年)の劣化対策では、ベタ基礎か布基礎の内周部の地盤上を鉄筋コンクリートで一体化して覆うことを定めています。また、コンクリートは厚さ6cm以上打設するか、厚さ0.1㎜以上の防湿フィルム等で覆うことが求められています。

6.床下空間の高さが足りない。
建築基準法の第22条では、床の高さを直下の地面からその床上面までを45cm以上と規定しており、これは基礎の高さ約30cm弱相当となります。しかし、より耐久性の高い住宅の普及のために設けられた日本住宅性能表示基準における等級2(耐久期間50~60年)や等級3(耐久期75~90年)の劣化対策では、地面から基礎の上端までの高さは40cm以上となっています。

7.基礎の通気孔からの通風が妨げられている。
建築基準法第22条では、外壁の床下部分には、壁の長さ5m以下ごとに、面積300cm2以上の換気孔を設けるよう定めています。また、さらに高い耐久性が求められる日本住宅性能表示基準の等級2や等級3では、通風をより効果的に行えるよう、壁の長さ4m以下ごとに有効面積300cm2以上の換気孔を設ける、又は、壁の全周にわたって壁の長さ1m当たり有効面積75cm2以上の換気孔(一般的に基礎パッキン工法と呼ばれている)を設けることを定めています。
しかし、せっかく建築基準法や住宅性能表示基準に適した対策が講じられていても、その通気を妨げるような状態になっている住まいが時々見られます。例えば、換気孔を塞ぐように鉢植えや物置、エアコンの室外機が設置されていたり、増築によって、換気孔が一方通行になってしまったりということがあります。

8.隣家との距離が接近している。
都市部など住宅密集地では、隣家との距離が接近している上に、敷地をブロック塀などで囲うことで益々床下部分の通風が悪くなります。

9.雨水枡が浸透式である。
建築基準法第19条では、「建築物の敷地には、雨水及び汚水を排出し、又は処理するための適当な下水管、下水溝又は溜め枡その他これらに類する施設をしなければならない。」と定めています。一般的には敷地内の雨水処理は、雨水桝で集水し公共下水道に排出するか浸透桝や浸透管にて土中に浸透させて処理することになっていて、各地方自治体の指導に従うことになります。雨水桝で集水し公共下水道に排出することは、都市型洪水に結びつくとして昨今問題視されていますが、浸透枡の場合は、水はけの悪い敷地や浸透枡が正しく設置されていないと大雨により建築物の周りの地盤を侵食したり、雨水を床下に流入させたりすることにもなりかねません。最近は、雨水排水の放流先において、ご近所間のトラブルが多発しています。一度、自分の家の雨水がどのように排水されているか、確認してみましょう。

10.配管からの水漏れや雨漏りがある。
単なる床下の湿気の問題だけではなく、土台や基礎を傷め、腐朽・腐食が進み、耐久性を脅かすことになります。たかが、床下の湿気と侮ると、見えないところだけに気がついたら被害が大きくなっているということになりかねません。

11.台風、洪水で床下に雨水が流入した。
自然災害で起ってしまったことはどうしようもありませんが、その後の処置が重要です。特に、床下の土壌面が敷地よりも低い場合は、流入した水が排出されにくいので早急に適切な処理を講じる必要があります。

上記の1から4は、敷地の土壌そのものが湿気を多く含んでいる場合です。5から8は、床下や敷地内の通風が良くない場合です。9から11は、アクシデントにより土壌の水分が通常より多くなってしまう場合です。これらのひとつが原因で、床下の湿気がひどい場合もありますが、幾つかの原因が重なっている場合もあります。
床下はもともと湿気やすい場所です。日が当たらず、室内のように窓を開けて通気することもできません。普段から見えるところではないうえに、自分ではなかなか点検しにくいこともあり、無料点検を謳う訪問業者の中には、必要以上に脅かし、高額のリフォームを請求するなどの悪質な業者もいます。しかし、今すぐ処置を必要とするほどの危険な状態になることは、めったにありません。
むやみに知らない業者に点検を頼む前に、自分で定期的に床下の湿気度をチェックしてみましょう。

◆自分でできる床下の湿気度チェック

1.日当りがよいのに、庭に苔が生えている。
2.庭の土がいつも湿っている。
3.雨が降った後、庭にいつまでも水がたまっている。
4.敷地が周りの土地に比べて低く、上の土地から雨水が敷地にそのまま流入している。
5.接道より敷地が低く、道路から雨水が敷地に流入している。
6.床下換気孔を塞ぐように、物が置いてある。
7.一階部分を増築して、対面の換気孔が通じていない。
8.床下換気孔からカビのニオイがする。
9.床下点検口もしくは床下収納からカビのニオイがする。
10.畳の表面がなんとなくジトジトしている。
11.畳にカビが生える。
12.押入れにカビが生える。
13.床がフカフカしていたり、沈んだりする。
14.浴室、浴槽のタイルや目地が剥がれている。

上記に当てはまることがいくつありましたか。1から5に当てはまる場合は、地形や敷地の条件が水分を含みやすくなっています。床下の除湿・防湿がしっかりされていれば問題ありませんが、湿気対策が十分でない場合は注意が必要です。6から9に当てはまる場合は、床下の湿気対策が十分でない可能性があります。10から14に当てはまる場合は、当該症状以外にも問題が生じている可能性があります。まずは、信頼できる工務店やリフォーム会社に相談しましょう。

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