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通信講座No.028 「塀や土留めのひび割れで心配はありませんか?」

講座No.028-2 「安全な塀の基礎知識」

あなたの住まいと周辺の安全を保つために、塀や土留め・擁壁は建築基準法や各地方自治体の条例などに基づいた設計、構造、施工方法で造る必要があります。
それでは、法的に適切で安全な塀や土留め・擁壁とはいったいどのようなものでしょうか。
まずは、安全な塀について、最も一般的なブロック塀で説明しましょう。

◆ブロック塀の関連法令とその他規準

一般的に言われているブロック塀は、法令等では「補強コンクリートブロック造の塀」といいます。

□建築基準法施工令第62条の6及び8

ブロック塀の高さ、ブロックの厚さ、鉄筋の太さ・間隔、控え壁の位置、基礎の寸法と根入れの深さなどを規定しています。

□平成12年旧建設省公示第1355号

構造計算の基準を規定しています。

□日本工業規格(JIS)

ブロックや鉄筋などの材料について規定しています。

□社団法人日本建築学会

「コンクリートブロック塀設計規準」「ブロック塀施工マニュアル」「壁構造配筋指針」「建築工事標準仕様書・JASS7メーソンリー工事」において、建築基準法よりも細かく、構造や施工のさまざまな規定や規準を定めており、多くの関係団体や設計・施工関係者はこれに基づいて設計・施工しています。

◆ブロック塀に使われる材料

社団法人全国建築コンクリートブロック工業会は、日本建築学会規準に基づいて下記の材料を使うことを推奨しています。
・ブロックは、JIS A 5406(建築用コンクリートブロック)で定められている製品か、これらと同等以上の品質のもので、12(B)または16(C)と呼ばれているものを使用する。
・鉄筋は、JIS G 3112(鉄筋コンクリート用棒鋼)、JIS G 3117(鉄筋コンクリート用再生棒鋼)に定められているSD295A(異形鉄筋)、SDR295(異形鉄筋)以上のものを使用する。
・コンクリートやモルタルは18N/mm2(180kg/cm2)以上の圧縮強度のものを使用する。

◆ブロック塀の高さ

ブロック塀の高さは図1の方法で測って、地盤面より最大2.2mと建築基準法施工令で決められています。また、日本建築学会規準では、土壌の状態によって図2の表のように塀の高さを制限しています。

安全な塀の基礎知識

安全な塀の基礎知識

◆ブロック塀の厚さ

ブロックの厚さは塀の高さが、2.0m以下の場合は10cm以上、2.0mを超える場合は15cm以上必要です。日本建築学会規準では、2.0m以下の場合でも12m以上の厚さのブロックを推奨しています。

◆鉄筋

日本建築学会規準では、建築基準法の9mm以上よりも太い、直径10mmの節のついた異形鉄筋の使用を定めています。鉄筋は、図3の表のように縦横に40cm~80cmの間隔で入れます。また、たて筋をブロックの空洞部分で重ね継ぎすることを禁じています。さらに、基礎に鉄筋径の40倍以上の長さを埋込み、1本もので塀の高さ分立ち上げるよう定めています。

安全な塀の基礎知識

◆控え壁

控え壁は、塀が風や地震で倒れないようにするものです。塀の高さが1.2mを超えるときは、長さ3.4m以内ごとに基礎と塀と一緒に鉄筋を入れてつくる必要があります。尚、日本建築学会規準では、控え壁は400mm以上突出するよう規定しています。

◆基礎

建築基準法施工令では、基礎の丈は35cm以上、根入れの深さは30cm以上と定めていますが、日本建築学会規準ではより強固な鉄筋コンクリート造または型枠ブロック造布基礎を規定しています。基礎の形状は図4のようなI型、逆T型、L型の三種類とし、基礎の大きさは、せい(D)を40cm以上、幅(b)をブロック厚さ以上としています。また、根入れの深さ(Df)は35cm以上とし、ただし、塀の高さが1.2m以上になるときは高さに応じて深くし、基礎が地表面より必ず5cm以上立ち上げるよう定めています。尚、塀と建物が近すぎると十分な基礎がつくれないため、少なくとも50cm程度離して塀を造る必要があります。
また、地盤にあった基礎の形や根入れの深さにすることが大切です。軟弱地盤のところは、大きくしっかりとした基礎をつくるようにしなければなりません。
さらに、コンクリート造りの土留めの上にブロック塀をつくるときは、土留めと一緒につくり、たて筋を土留めに十分に埋め込むよう定められています。高さも土留めとブロック塀との合計で2.2m以下にしなければなりませんので、十分に注意しましょう。

安全な塀の基礎知識

◆その他のポイント(図5)

□地盤

地盤は、塀全体の重量を支える役目を持っています。余分に掘ったところを埋め戻すには砂質系の土に砕石などを混ぜて十分に締め固めましょう。

□かさ木

かさ木は、塀(壁)の中へ雨水等がはいり込むことを防いで、ブロックや鉄筋を保護する大切な役目をもっています。しかし、かさ木が浮いて落ちると危険です。かさ木はモルタル等で壁(塀)に確実に固定しなければなりません。

□透かしブロック

透かしブロックは、たて筋をいれる窪みのあるブロックを使います。透かしブロックは見た目や風通しのためなどというだけで、多く使うとブロック塀の強さが弱くなり危険です。特に2つ、3つと横につなげて使うと、たて筋が十分に入れられないので注意が必要です。

□充填(てん)モルタル

充填(てん)モルタルは、鉄筋とブロック、ブロックとブロックを一体化させるもので、塀全体を強くて丈夫な1枚の壁とするのに重要です。また、鉄筋をさびさせない役目も持っています。ブロックの空洞にいれた鉄筋のまわりにはモルタルを十分に詰めないと、ブロック塀の強度が不足し、鉄筋がさびてブロック塀の寿命が短くなります。また、モルタルは、鉄筋がはいっていないブロックのたて目地部分にできる空洞部分にも詰めないと塀が一体化しません。
建築基準法施工令第62条の6でも、「コンクリートブロックは、その目地塗面の全部にモルタルが行きわたるように組積し、鉄筋を入れた空胴部及び縦目地に接する空胴部は、モルタル又はコンクリートで埋めなければならない。」と定めています。

安全な塀の基礎知識

以上が、安全なブロック塀の基本的ポイントです。この他にも、日本建築学会では、設計や配筋図など施工全般に渡る細かい規準を定めています。
リフォームをする際は、上記のような規準に沿った設計及び施工方法を提案してくれる信頼できる業者を選ぶことが大切です。見積金額ばかりに注目せずに、設計図や使用される材料、工程などの説明をしっかり確認し、安全な塀づくりに欠かせない確かな設計と施工が出来る業者かどうか見極めるようにしましょう。特に、下記の2つの要求に応じてくれるかどうかは、業者選びのポイントになります。

1.ブロック塀の図面をもらうようにしましょう。特に、土の中に隠れてしまう基礎の断面図(基礎の大きさ、鉄筋の太さ・本数などが書かれているもの)及び積んだブロックの中に隠れてしまう鉄筋の配筋図を確認するとよいでしょう。

2.基礎、配筋、モルタル充填の工程写真を提出してもらうようにしましょう。上記の図面どおりに施工したか確認することができます。

尚、安全性確保のための塀の撤去や補強などの費用は、自治体などによっては補助を受けられる場合があるので問い合わせてみましょう。

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