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通信講座No.030 「夏に部屋が暑くてつらい思いをしていませんか?」

講座No.030-1 「リフォームにひと工夫~夏の暑さ対策」

夏に格別な暑さを感じる家は、外壁や天井まわりの断熱が弱い場合が多くみられます。古い家の場合は、断熱材が入っていないことや、入っていても薄い断熱材で効果が出ていないこともよくあります。断熱性能の低い家は、夏に暑いばかりか冬は寒いため、冷暖房費が嵩み、経済的とはいえません。また、酷い暑さや寒さは、体力のない人や高齢者にとって、健康面でも負担になります。
まずは、リフォームで断熱性をアップして、夏の暑さ対策をしてみましょう。

◆窓にひと工夫

図1が示すように、住まいの熱の流出入は、開口部が非常に大きな割合を閉めています。特に、夏季においては、73%もの熱が開口部から入ってきます。その理由は、窓ガラスが非常に熱を伝えやすく、外の温度に影響されやすい素材だからです。このように窓から伝わる夏の熱気や冬の冷気を防ぐ工夫が住まいの断熱性能に大きく影響します。

リフォームにひと工夫~夏の暑さ対策

□カーテンを利用する

カーテンは、ただの飾りではありません。外気の熱から、室内の温度環境を守ってくれます。窓の種類にかかわらず、カーテンで窓回りを密閉状態にするほど、断熱効果が上がることが報告されています。下記を参考にカーテンを見直してみましょう。

①生地
生地は、厚みと重さが決め手となります。太い糸で密度を詰めて、しっかりと織られたカーテンのほうが断熱性に優れています。重いということは繊維を多く使用していることの目安にもなり、遮音性にもつながります。図2の表は、ペアサッシ掃き出し窓に天づけ(天井から吊るす取り付け方)したカーテンの熱貫流率を示したものです。数値は、日本インテリアファブリクス懇話会「カーテン・カーペットによる室内の快適温熱環境計画」のデータを元に算出されています。重いこと、二重吊りにすることが熱貫流率を低くしていることがわかります。一般的に2重吊りというと、レースとドレープカーテンを使用しますが、最近はケースメントも人気があります。ケースメントとは、ドレープとレースの中間に位置するカーテンのことです。一見、レースのようにも見えますが、レースよりも太い糸でざっくりと編まれています。レースの軽やかさと透過性、ドレープの重厚さと風合いを合わせ持つカーテンです。ポリエステル、アクリル、綿、麻など、織られる素材はさまざまですが、ざっくりとした風合いとナチュラルな色使い、適度なボリューム感があります。

リフォームにひと工夫~夏の暑さ対策

さらに、色の選び方にも気をつけるとより効果的です。図3の写真を見比べてみてください。
リフォームにひと工夫~夏の暑さ対策どちらも同じような大きな掃き出し窓に、カーテンを吊るしたリビングルームの写真です。グリーンのカーテンの部屋の方が、オレンジ色のカーテンの部屋よりも涼しそうに感じませんか。私たちの温度感覚は、実際の気温のほかに、湿度や風速など、さまざまな外的要素から影響を受けています。これを体感温度といいますが、色や部屋の明暗もその一つです。目隠しをして「青い部屋」と「赤い部屋」に入ると、人が感じる温度には約3度の差が生じるとも言われています。涼しくしたい夏は、寒色系のカーテン、暖かく過ごしたい冬は暖色系のカーテンというようにドレープカーテンを使いわけてもよいでしょう。

②形状
カーテンにもいろいろなスタイルがあります。ひだを作ったドレープ、生地を巻き上げたりたたんだりするスクリーンタイプ、左右にスライドするパネルタイプ、小窓などに用いるカフェカーテンなどさまざまな形状があります。その中でも断熱効果が高いのは、ドレープカーテンです。たっぷりとドレープ(ひだ)を取ることで谷間に空気を溜めておくことができ、断熱効果が高まります。市販のカーテンの多くは、価格を抑えるために窓幅の1.5倍程度の生地を使用して作られていますので、ドレープが大きくありません。断熱効果を高めるためには、できれば窓幅の2倍~2.5倍の生地が使われたカーテンを選ぶようにしましょう。

③取り付け方
リフォームにひと工夫~夏の暑さ対策ガラス面を覆うだけでは、熱の移動は防げません。窓と室内の空気とを完全に遮断するように取り付けることが大切です。
まず、カーテンレールは図4のように窓幅よりも大きく設置します。これは、見た目の問題もありますが、断熱性能をあげるためにも大切なことです。ただし、装飾レールと一般的な機能レールでは長さが違います。
機能レールといわれるスチールやアルミ製の普通のレールは、窓幅(W)に左右それぞれにプラス5~10cm程度余裕を持たせた長さにし、カーテンはレールの端から端まで吊るすようにします。機能レールを窓枠に合わせて取り付け、それに合わせてカーテンを吊る人もいますが、これでは断熱効果が落ちてしまいますし、窓の外からカーテンの折り返し部分やフックが見えてしまい、見た目にも美しくありません。そこで、カーテンレールは窓枠より上10㎝の余裕をもって設置することをお勧めします。

リフォームにひと工夫~夏の暑さ対策一方、図5のような木製やアイアンなどでつくられたポール状の形をした装飾レール場合は、窓幅(W)に左右それぞれに、プラス15~20cm程度余裕を取るようにします。ランナーが大きいので、窓枠の上に10~15㎝ほどの余裕をもって取り付けます。ブラケットから外側にランナーを1個取り付けて、ここにカーテンの一番端を吊ります。ブラケットから、レールの端にあるキャップや飾りまでは、10㎝ぐらい残して飾りとします。
カーテンの丈の決め方は、窓のタイプによって違います。
図6は、腰高窓と掃き出し窓に付けるカーテンの採寸方法を示したものです。
リフォームにひと工夫~夏の暑さ対策腰高窓の場合、一般的には窓枠から+15~20㎝とします。但し、ドレープの下につけるレースは、2cmほど短くします。最近は、断熱性と見た目の点で優れているとして、腰高窓に床までの長さのドレープカーテンを吊す方法も人気があります。特に、近くに掃き出し窓がある場合は、長さの異なるカーテンが1つの部屋に複数あるよりも、統一感が生まれ、すっきりとした印象にまとまります。
掃き出し窓の場合は、一般的にドレープカーテンは床より1㎝上としますが、断熱性を考えると床までしっかり着くくらいにすることをお勧めします。ただし、レースはドレープよりマイナス1㎝にします。なお、自宅で洗濯ができる生地を選ぶ場合は、生地の収縮を考え、長さに1~2㎝余裕をもって設置し、アジャスターフックを使うようにするとよいでしょう。
さらに、断熱性を高めるためには、カーテンの上から空気が流れ出るのを防ぐよう、上部にカーテンボックスをつけるか、天井からカーテンをつるす天吊りが効果的です。横から空気が流れ出るのを防ぐためには、図7のように両端が壁側に曲がったカーブレールを使うとより効果が上がります。

リフォームにひと工夫~夏の暑さ対策

□ガラスシートやガラスフィルムを利用する

断熱シート(フィルム)や遮熱シート(フィルム)がいろいろ発売されています。高性能のものになると、窓際の温度を5~6度下げられるものもあります。ただし、品質・性能の高いものは、専門業者に頼まないと貼れないことも多いようです。比較的簡単に施工できるものはホームセンターやインターネット通販などでいろいろ購入でき、水貼りタイプならはがすのも簡単です。シート(フィルム)の性能には差がありますので、カーテンや障子による断熱の補助として使うとよいでしょう。但し、網入りガラスや表面に凹凸があるものは施工に適さないので、気をつけましょう。

□ガラスまたはサッシを交換する

>リフォームにひと工夫~夏の暑さ対策既存サッシが単板ガラスであれば、複層ガラスや真空ガラス、遮断熱ガラスなどに交換しましょう。特に、図8のような遮熱高断熱型複層(Low-E)ガラスは断熱性能に優れています。
2枚のガラスの間に乾燥した空気を封入し、室外側に特殊な金属膜を表面にコーティングしたガラスが使用され、外部からの日射熱を室内入りにくくしています。また、冬は室内の暖房熱を反射しますので、外部に逃がさず暖房効率を高めます。つまり、「夏涼しくて、冬暖かい」理想のガラスです。既存のサッシによっては、ガラスだけ交換することもできます。以前は、いろいろな条件に適さないと既存のサッシのままでなかなか交換が出来ませんでした。しかし、最近では、リフォーム用の製品が各メーカーから発売されており、工期短縮を可能にするリフォーム用アタッチメントもいろいろ工夫されています。例えば、既存枠を残したサッシ交換も容易になり、1日で工事完了が可能な場合もあります。

□内窓(インナーサッシ)をプラスする

内窓の二重サッシは、断熱と防音に高い効果を発揮し、冬には結露防止にもなります。内窓のガラスを遮熱高断熱型複層(Low-E)ガラス仕様にすれば、より効果的です。
図9は内窓の製品例です。図が示すように既存の窓と内窓の間に空気の断熱層ができます。それにより、図10が示すように外の熱気の流入を防ぎ、室内の温度上昇を抑えます。メーカーの資料によれば、遮熱高断熱型複層(Low-E)ガラス仕様とガラス窓だけの場合の年間冷暖房費を比べると、モデルの算出条件においては、11,320円も節約できるそうです。(※モデル算出条件:東京、2階建て、4人家族、居室9窓にインプラスを設置した場合)冷暖房の温度や使用時間を調節しても、これだけの省エネ効果を得ることは大変難しいことです。例えば、財団法人省エネルギーセンターの資料によれば、エアコンの設定温度を冷房で27度から28度、暖房を21度から20度とし、それぞれの使用時間を1日1時間短縮しても、省エネできるのは年間3,150円ほどです。

リフォームにひと工夫~夏の暑さ対策

リフォームにひと工夫~夏の暑さ対策

◆庭にひと工夫

庭のリフォームにひと工夫することでも、夏の暑さ対策は可能です。

□植栽を利用する

リフォームにひと工夫~夏の暑さ対策日本の家のほとんどが、南側に掃き出し窓があったり、開口部を多く設けたりしています。しかし、夏季には開口部から夏の強い日が差し込み、室内温度を上げる要因になります。それを防ぐ手段の一つとして、緑のカーテンが今見直されています。図11のようなメッシュパネルに植栽を絡ませれば、目にも優しい緑のカーテンができます。緑のカーテンは、日中の日差しを適度に遮り、室内温度の上昇を抑えてくれるうえに、窓やカーテンを開けて風通しをよくするときの目隠しにもなります。春から夏に成長する植物を選べば、冬には葉が落ち、暖かな日差しを部屋に取り込こめます。

□タタキを利用する

私たちが肌で感じる温度は、気温ばかりではありません。熱放射や輻射熱も体感温度に作用すると考えられています。例えば、輻射熱は、壁や床、庭の地面などから発せられ、体感温度に影響を与えます。特に、家の周りにあるタタキや犬走りの輻射熱は、窓や開口部を通して室内の暑さの要因となります。一般的にタタキや犬走りには、雨の日に足元が汚れにくいように、コンクリートが多く使われています。しかし、コンクリートは断熱性が低く、照り返しが強いのが難点です。
そこで、タタキ材にひと工夫すれば、夏の輻射熱を和らげることが可能になります。コンクリートの代わりに断熱性が高く、夏の日差しの輻射熱を和らげてくれるような素材を使えばよいのです。
リフォームにひと工夫~夏の暑さ対策例えば、図12のようなマグマセラミックであるシラスを原料としたタタキ材や舗装材は、多孔質なシラスの特性により、蓄熱しにくく、コンクリートのように熱くなることがありません。温熱環境を穏やかなものとし、照り返しを和らげるとともに、通気性、保湿性により清涼感が得られ、ヒートアイランド現象を助長しません。また、極めて高い透水能力により、水たまりや雨が下水へと集中することがありません。さらに、透水・保湿・通気機能により、土の活性や土中生物、樹木の育成を助け、地下水の枯渇対策、都市型洪水の防止にも役立ちます。自然素材100%ならではの表面の細かな凹凸が、ソフトなあたりでステップを受け止め、歩きやすく濡れてもすべりにくい安全な舗材です。
このようなタタキ材であれば、夏の朝夕の涼しい時間に風通しの良い場所に打ち水をすれば、タタキ材の気化熱によって自然な涼風を運んでくれます。リフォームに自然素材を取り入れて、設備機器に頼らない節電が可能です。

◆壁にひと工夫

外壁や内装のリフォームで仕上げ材に工夫するだけで、遮断熱効果や調湿効果を上げて暑さを抑えることが可能です。

□遮断熱塗料で外壁を塗る

最近では、単に耐久性や防汚性が高いだけの塗料ではなく、断熱性能や遮熱性能を持った塗料がいろいろ発売されています。これらの遮熱塗料や断熱塗料の性能は、平成20年9月に制定された日本工業規格(JIS K5602塗膜の日射反射率の求め方)により、統一の算出方法で評価されるようになり、各社製品の性能を比較しやすくなりました。図13のグラフは、遮断熱塗料、遮熱塗料と一般塗料2種の塗膜表面温度、裏面温度、表裏面温度差をグラフで表したものです。遮断熱塗料の効果がはっきりと示されており、それだけ夏の暑さ対策や節電にも役立つということになります。そして、多くの建物が、遮断熱効塗料による断熱効果で省エネするようになれば、地球温暖化対策としても役立つことになります。

リフォームにひと工夫~夏の暑さ対策

□内装を自然素材にする

近年、住宅の内装は、施工効率がよいビニールクロスで仕上げられていることが一般的です。しかし、シックハウス症候群や化学物質過敏症が問題視されるようになってから、最近ではかつて主流であった木や土などの自然素材による内装が見直されるようになってきました。
リフォームにひと工夫~夏の暑さ対策自然素材の良さは、それだけではありません。自然素材の多くがビニールクロスよりも多くの空気を含む構造であるため、熱伝導率が低く、外気の熱の影響を受けにくい性質をもっています。つまり、断熱性能が高いということです。さらに、調湿効果に優れたものや消臭効果のあるものもあります。湿度は体感温度を左右しますので、適度な調湿効果は、温度管理だけでは得られない快適性をもたらします。図14は、断熱性、調湿性、消臭性に優れた自然素材であるシラス壁の施工例です。高温多湿の日本の夏を快適に過ごすためには、大変効果的な内装材といえるでしょう。

以上のように、比較的簡単なリフォーム工事でも材料や施工方法をひと工夫するだけで、遮熱効果や断熱効果があがります。節電、省エネ、CO2削減のためにも、冷房に頼りすぎない夏の暑さ対策をリフォームで工夫してみましょう。

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