通信講座No.047 「今、使わず空いている部屋はありませんか?」
家は箱と同じです。中に何を入れるか、どう使うかは、住まい手の考え方やライフスタイルに影響されます。特に居室は、子どもが独立したり、家族構成が変わったりした場合、その部屋を使わなくなったり、用途を変更したりということが生じます。部屋は使わないと傷みが早いので、出来るだけ遊ばせず、有効に使うことをお勧めします。物置きとして使っている人も多いようが、せっかくのスペースですから、生き甲斐や癒しの空間として活用されるとよいでしょう。
部屋の使い方を考えるときは、まず住まい方全体を見直してみましょう。
図1は住まい方を見直す時に役立つライフステージシミュレーションです。家族全員の状況変化を年代ごとに一覧表にすることで、経年ごとのニーズが分かり易くなります。リフォームや増改築、建替えなどが適切な時期かどうかを確認するためにも、予算を組んで資金を用意するためにも役立ちます。
・各家族の経年毎の年齢を記入します。
・年齢は90歳以上まで記入するようにします。
・娘さんは嫁がれるまで、息子さんがお嫁さんを迎える場合は、 お孫さんの誕生も記入します
・子供誕生
・孫誕生
・子育て
・思春期・個立期
・高校卒業(社会人)
・大学卒業(社会人)
・結婚
・社会人充実期
・定年
・熟年余生(第二の人生期)
・晩年
・世代交代(60~70歳)
・ローン完済年(65~75歳)
・ローン設定限度年(20~25歳)
・住みこなし有効期(10年以上)
・増改ニーズ期(子供誕生、思春期、祖父母同居、子供結婚、世代交代)
・建替ニーズ期(子供結婚、世代交代)
・バリアフリーニーズ期(祖父母同居、世代交代)
・その他(健康増進・維持、人生価値観)
・設備機器の交換、塗装工事、壁紙や床の張替えなど考えられるメンテナンス時期を記入します。図2は一般的なメンテナンスが必要な築年数とその予算を示したものです。
ライフステージシミュレーションを作成することで、空いている部屋をどう使うとより良い暮し方ができるか方向性が見えてくると思います。家族構成や年代でも多少の違いはあると思いますが、多いのが書斎や趣味の部屋です。
趣味は人それぞれで、それに適した部屋づくりもいろいろな方法があります。
まずは、趣味の部屋として絶対必要なものと出来ればほしいものに分けて、自分の理想とする趣味の部屋を整理しましょう。具体的に書き出しておくと、必要な設備を買いに行く時やリフォーム業者に相談する時に便利です。
好きなことに集中してストレスから解消され、日常生活に彩りと豊かさを添えることができる趣味の部屋を持てることはとても幸せなことです。せっかくのチャンスですので、快適で理想の空間にするためにはどうしたらよいか考えてみましょう。素敵な部屋になれば、家族や友人と趣味を共有できるチャンスも広がるかもしれません。