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通信講座No.058 「風通しの悪い家だなぁと、感じたことはありませんか?」

講座No.058-1 「風通しの悪い家だなぁと、感じたことはありませんか?」

敷地の立地条件や建物の間取り、換気方法等により、風通しや換気が悪く、住みにくい家になることがあります。風通しをよく考えた家は、それだけで住みやすいものです。すでにお住まいの家の風通しをよくする方法として、換気扇や窓を新たに取り付けたり、場合によっては間取りを変える方法があります。
それでは、換気方法にはどのようなものがあるか調べてみましょう。

◆換気装置の種類

換気の種類や方法は3つに分類されます(図1)。

風通しの悪い家だなぁと、感じたことはありませんか?

□第一種換気方式

交換型換気システムや給気と排気の換気機械を組み合わせ、同時給排を行う換気設備をいいます。利点としては、送風機と排風機を併用し給気量と排気量の調整により、室内の気圧を外気圧に対して正圧(プラス圧)、あるいは負圧(マイナス圧)に保つことが出来ることです。特に風通しの難のある立地や高気密高断熱住宅など確実に給気と排気を行いたい建築物に有効な換気 方式です。

□第二種換気方式

送風機で室内に外気を供給し、排気は排気口から自然排気で押し出して行う換気設備をいいます。利点としては、室内が外気よりプラス圧となり、出入口のドアを開けても他の部屋から汚染した空気が入ってこないということです。無菌室や手術室などクリーンルームに採用されてきた特殊な換気方法で、気密性能が低い住宅では壁体内結露を起こす可能性が高くなります。

□第三種換気方式

居室に設けた給気口から自然に空気を導入し、排気ファンで排気する換気設備をいいます。利点としては、室内の空気は外気に対して負圧になり、出入口のドアを開けたときに室内空気が流出しないことです。従来は、トイレや厨房等、大量の水蒸気や湿気、臭いを発生するところに使われ、汚れた空気が他の部屋へ流れないように排気ファンが局所で設置されています。

換気が悪いと人や建物にどんな影響を及ぼすのでしょう。室内環境について考えて見ましょう。

◆室内環境

室内の空気環境は人間の健康と建物にとって、大変重要になります。

□空気と健康

人間が、一日に摂取する食物や水はおよそ2~5kg。一方、呼吸によって取り入れる空気の量は1日に約18kg(図2)にもなります。毎日、体内に大量の空気を取り入れて生活する私たちにとって、一日の多くの時間を過ごす住まいの空気は、家族の健康にとって食物以上に重要になります。

風通しの悪い家だなぁと、感じたことはありませんか?

それでは、室内環境を悪化させる3つの要因について考えてみましょう。

□結露

自然現象として季節を問わず、室内外の温度差が大きく室内の湿度が高いときに、外気で冷やされた窓ガラス等に接触すると水滴が出来ます。これが結露です。空気中に含まれる水蒸気の量は温度と関係があり、温度が高いほど多くの水蒸気を含むことが出来、温度が下がると、それまで空気にふくまれていた水蒸気が液体となり、水滴として結露となります(図3)。
【予防方法】
換気等で空気の流れを作り湿度50%に抑え、外気との温度差をなくします。

□カビ

カビ(写真1、2、3)は、胞子と呼ばれる生殖細胞(植物の種)と栄養分を吸収する菌糸という2つの形態を持ち、菌糸状態での生育は局所に限定されていますが、胞子は飛散するため急速に生息範囲が拡大します。胞子の大きさは1㎜の200分の1から20分の1くらいで、鼻粘膜や気管支などに定着しやすいことから、カビの胞子や菌糸自体がアレルゲンとなります。カビの発生には、湿度、温度、栄養の3つ条件が必要です。

風通しの悪い家だなぁと、感じたことはありませんか?

【予防方法】
カビが活発に増殖する湿度70%以上、気温20~30℃、栄養源(食べかす、繊維、ホコリなど)などの環境を作らないこと。具体的には湿度60%以下に保ち、栄養源を絶つことでカビ予防になります。

□ダニ

ダニは節足動物で、世界で約4万種が知られ、広く環境中に生育しています。具体的には、動植物に寄生するもの、土中や水中などに生息するもの等、様々な生息様式がみられますが、一部は私たちの健康に影響を及ぼします。私たちの最も身近に生息するものはチリダニで(写真4、5)体長0.3~0.5㎜と微小なため肉眼では見えません。ダニそのもの、死がい、フンがアレルギー症状(気管支喘息、鼻炎、結膜炎、アトピー性皮膚炎など)の原因となります。

風通しの悪い家だなぁと、感じたことはありませんか?

【予防方法】
ダニは乾燥に弱く、増殖に60%以上の湿度が必要です。寝具類は日光や布団乾燥機などでよく乾かすことが重要で、じゅうたんや畳は掃除機がけが予防につながります。

先の述べました、結露、カビ、ダニともに、室内湿度に起因していることがわかります。室内の湿度を抑えることで、室内環境の改善につながります。
室内湿度を抑える方法として、使用している建材の見直しと、換気、風通しをよくする方法があります。

◆室内建材

現在の壁がビニールクロスを使用しているお部屋の場合、部屋全体がビニールで覆われている状態(例えば、ビニールのカッパを着ている状態)のため、壁が調湿する機能がありません。 調湿する壁へリフォームすることで湿度を抑制することが出来ます。

□左官壁

風通しの悪い家だなぁと、感じたことはありませんか?左官壁は古来より日本の風土にあった材料ですが、施工技術や水を使う湿式工法のために、仕上りのバラつきや工期が長くなる等で敬遠され、施工性の良いクロス仕上げが主流となっています。しかし、最近では環境面より左官材料が見直されております。左官壁には、漆喰、京壁、大津壁、珪藻土壁、シラス壁などの種類(講座No.053-1「左官壁のいろいろ」参照ください)があり、特に調湿や消臭機能が高いといわれていますのが、珪藻土壁やシラス壁(図4、図5)になります。

風通しの悪い家だなぁと、感じたことはありませんか?

□化粧壁

風通しの悪い家だなぁと、感じたことはありませんか? 調湿効果のある壁材やタイルがあります。
・大建工業株式会社「さらりあーと」(図6)
・株式会社LIXIL「エコカラット」
・三菱商事建材株式会社「モイス」

風の道筋をつくることで風通しがよくなります。

◆間取り

マンションなどで窓が動かせない場合、風通しをよくするには、風の入口と出口の2ヵ所を向かい合わせ、風がまっすぐ抜けるようにすることが必要です。また、間仕切りや収納で風の道筋が分断されている場合は、収納の向きを変えたり、引き戸に取り替えるなどの工夫をすることで、風通しがよくなります。

先の述べました通り、換気の悪い家は、人体にも良くないため、改善を考えてみましょう。室内環境を変えるには、壁材の塗り替えや張替えと換気扇の増設、間取りの変更などいろいろございます。ご相談の際は、総合的なアドバイスをいただける工務店やリフォーム会社に頼みましょう。

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