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通信講座No.031 「自然エネルギーで夏の暑さ対策をしてみませんか?」

講座No.031-1 「住まいの緑化で涼しく」

平成23年7月19日環境省よりヒートアイランド現象に対する適応策の効果の試算結果について発表がありました。それは、街路樹、生垣、保水性舗装、霧噴射装置、クールビズなど8つの適応策の効果調査の報告です。調査地区には、オフィス街として新橋、住宅街として国立市が選定され、歩道対応策の効果が測定されました。その結果の概要は下記の表のとおりです。

住まいの緑化で涼しく

表が示すように、街路樹が短い間隔で植えられている場合の熱ストレスがもっとも低く、保水性舗装も間隔の広めの街路樹と同じくらいの効果が確認できています。この結果から考えると、住まいの暑さ対策のポイントは緑化と保水といえます。そこで、まず緑化について考えて見ましょう。

◆緑のカーテン

上記の調査で、街路樹が効果をあげた原因は日射を防ぐからです。図1のように歩道の表面温度は日陰の有無で大きな差が生じます。したがって、住まいの暑さ対策のためには、緑によって日射をどう防ぐかが重要だといえます。

住まいの緑化で涼しくそのひとつが、緑のカーテンです。最近、緑のカーテンは夏の節電対策として、テレビなどでよく取り上げられていますが、けっして目新しい手法ではありません。昔から夏の日差し避けに、家の南面には朝顔やヘチマなどが植えられていました。最近では、さまざま研究により、緑のカーテンの効果は日差しを遮るだけではないことがわかってきました。
財団法人やまなし環境財団発行の資料によれば、図2の写真のように小学校の緑のカーテン周辺の温度を測ったところ、緑のカーテンのある教室は、無い教室に比べて2℃~3℃涼しいという結果が出たそうです。図3はその温度差と一日の変化を表したものです。ちなみに、山梨県環境科学研究所の報告書によれば、すだれも室温の上昇を抑える効果はありますが、葉の蒸散作用(植物が根から吸い上げた水を葉から水蒸気にして出す際に周りの温度を下げること)により、自身の放射熱を抑えることができる緑のカーテンの方が、放射熱が高いすだれよりも効果が高いとしています。さらに、視覚的に心を落ち着かせ、安らぎや癒しを演出する効果もあります。緑のカーテンに適した植物や作り方のポイントは下記を参考にしてください。

住まいの緑化で涼しく住まいの緑化で涼しく

□緑のカーテンに適した植物

つるなどで上、横に伸びる性質の植物で、夏に葉を付け、日が欲しくなる冬に向けて秋に葉を落すものが良いでしょう。花を愛でるか、実を楽しむかで、選ぶ植物は変わってきます。図4は、やまなし環境財団発行資料に、緑のカーテンに使える植物としてあげられているものです。

住まいの緑化で涼しく

□作り方のポイント

プランターで栽培する場合は、できるだけ大きめのものを選ぶようにしましょう。特に、ゴーヤ、きゅうり、ヘチマなどは、夏場に大量の水を根から吸い上げるので、土の量が少ないとすぐに土が乾いてしまいます。また、十分な大きさがないと根詰まりを起こして病気にもかかりやすくなります。
株と株の間隔は十分にとるようにしましょう。プランター植えの朝顔なら15cm、ゴーヤなら20cmくらい、地植えなら50cmくらいでもよいでしょう。
プランターは地面に直に置かずに、ブロックや木などの台の上に置き、土の上にはワラや腐葉土などを敷いたりすると、土の乾燥を防ぐことができます。
プランターは窓につけて置かず、できるだけ離して置くと通風を確保でき、効果が上がります。
ツルの誘引は緑のカーテンの重要ポイントです。緑のカーテンでは、特に成長初期(最初の2ヶ月位)に、ツルがネットにうまくからまって、ツルと葉がネット全体を覆うように導く必要があります。まず、苗を植えた後、親ヅルの先がネットの外側に出るように導き、ヒモや農園芸用結束テープでネットに結びつけます。初期のツルは次第に太くなるので、ツルを結ぶ輪は十分ゆとりを持った大きさで「8の字結び」にしましょう。これは、ツルがネットに擦れて傷つかないようにするためです。

住まいの緑化で涼しくツルの先端が人の手の届く上端まで来たら、図5を参考に親ツルの先端を2~3cm切りましょう。そうすることで、脇から小ツルや孫ツルが活発に出て、ネット全体を覆いやすくなります。(小ツルや孫ツルも必要に応じて誘引します。)
十分に日射を遮るためには、葉が生い茂っていることが望ましいですが、あまり密集しすぎると風通しが悪くなります。通風のためには、葉の間引きなどにより上手に風を採り入れましょう。

◆緑の垣根

コンクリートやアスファルトの熱伝導率は非常に高く、放射熱も高いため夏の照り返しは歩行者に厳しい熱ストレスを与えることになります。図6を見ると、アスファルトの路面と垣根のブロック部分の温度が非常に高くなっているのがよく分かります。その一方で、同じ環境下であっても、緑の垣根周辺の温度は低くなっています。日本建築学会の資料「住宅地にある中小緑地の夏季熱環境に関する実測」によれば、緑被率が70%以上の公園の温度は、その周辺住宅地よりも低く、さらに周辺住宅地の温度は公園に近い方が低いという結果が出ています。また、近くに道路がある場合、街路樹がある方が住宅地内の温度が低くなることもわかっています。このように、草木の蒸散作用などにより、住宅地内の緑化は夏の熱ストレスを低減することに役立ちます。
それぞれの家が、庭や垣根を緑化することで、その家だけではなく、住宅地全体の環境改善に繋がるのです。まずは、我が家の庭や垣根から始めてみませんか。庭づくりの詳細については、講座No.007をご覧下さい。

住まいの緑化で涼しく

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